一大決心
クラークとブラッドの進学についての話をしてから、気がつくとそのことばかり考えてしまっている。
ブラッドとは、勉強や読書やピクニックや乗馬をしたり追いかけっこやボール遊びやボードゲームやカードゲームや木登り等、さまざまな学びや遊びを楽しんでいる。
ブラッドは、まだクラークからなにもきかされていない。つまり、彼はまだ王都の学校に進学する話をクラークから聞いていない。
王都の学校はこんなところとかどういう雰囲気なのかということを話題にしても、彼はそれっぽい表情を浮かべるとか動作にだすことはいっさいない。
それどころか、ブラッドは王都の学校についてほとんど興味や関心を示さない。
ブラッド自身、自分には関係がないと思っているのかもしれない。あるいは、まだはやすぎると思っているのかもしれない。それどころか、そもそも自分の人生には必要のないものと思っているのかもしれない。
年齢的にも、まだピンときていないのかもしれない。
もっとも、それもブラッドが演技をしているのかもしれないけれど。
そうだとすれば、ブラッドはかなりの役者である。
それはともかく、ブラッドと接しているうちに彼にたいする推し活がますます熱を帯びていった。と同時に、彼へのあらゆる情が湧きまくっていた。
推し活とリアルに接する、ということは違うと強調しておきたい。
その情の方が、ますますわたしを悩ませる。
結果、わたしは決意した。
リアルな生活でも推し活を続ける意味でも、ブラッドを守り抜くのだと。
クラークの『育児放棄的就学の案件を阻止してやる』、のだと一大決心をした。