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ささやかな情交

沢山、沢山夢みるの。でも。

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

情交ネタ。恋愛哲学。


女がソファに体育座りをして、本を読む。国内外有名な児童書。幼少期は花の心情に気が付けず、面白さが分からなかったが、今なら分かる、そんな児童書。それを横目で観察しながら、雑誌を捲っていた。

女は一度児童書を閉ざすと、俺の首目掛けて腕を伸ばして来た。甘えたいのだと思う。しっかりと首周りに腕が絡んだのを感じた後、黙って頭を撫でてやる。

「行かないでね。私を置いて何処にも」

「居なくなるのはお前の方だろ」

突発的に、俺の前から姿を消す。朝起きた時、目を離した時。しかし俺から姿を眩ませる時には必ず後を着いてくる。風呂なんかが良い例で、必ず忠犬のように傍で待っている。

女は俺から距離を取ると、何かを考える様に視線を動かした。

「うーん……。二つほど理由があるの。一つは君が嫌がっても求めてしまいそうな事。もう一つは男の人は一人の時間も大切だって動画で見た事。自制心効くうちに、ちゃんとしとかないと……駄目だと思う……から」

その口振りだと、また不意に居なくなると言う事……。まぁ……何度俺が『甘えていい』と言った所で、心が依存しなければ意味が無い。納得しなければ意味が無い。まぁ順繰り慣らしていけば良いか。

雑誌の上側握り締める様に掴んでテーブルに放っぽると、俺の膝上に手を置く。

「膝枕」

「あぁ……」

空いた膝上に頭が乗る。大層御満悦なのかと思いきや、表情は少し陰りが差している。それが少しでも和らぐ様に頭を撫でてやる。

大した雑誌じゃない。皺が寄っても気にならない。ただの暇つぶしの道具だ。今だって内容を録に理解してなかった。

「今の奴、実は結構嬉しい」

抱き着いて来たのも、求められたのも、雑誌に皺が寄る程嫉妬された事も、所定の位置を奪い返したのも。全部。

「……君は……夢見た以上だね」

僅かに首を傾けると、そっと頬まで手を伸ばし、優しく諭すように口を開く。

「男の人が女の子に夢見るように、女の子も男の人に夢見るんだよ。察して欲しいとか、我儘聞いて欲しいとか、そんな自分でも受け入れて欲しいとか。沢山、沢山、夢見るの。でも夢は現実じゃ無いからね……」

それから持っていた児童書の表紙が良く見える様に、両手で下側を持つと、真剣な顔で愛を語る。

「これね、空想的だけど、凄く現実的なの。特に男の子と花がお別れしちゃった理由。だからね、うん……気を付けるね。ちゃんと君を愛せる様に。もっともっともっと、君の事を見たい。考えられるように、なりたい」

「楽しみにしてる」


オマケ

この子にとっての読んでた児童書は?


A

生きる指針。所謂バイブル。

教訓として、たびたび読み返してると良いですね。

飛ばしてOKです!! (ノ*°▽°)ノ


最初に思い付いたの、台詞なんですよ。

しかも全く関係ないライトのノベルのレビュー。

『所々に、女性特有の男性に対する憧れがある』

深!!(꒪꒫꒪⌯) って思いました( ¯-¯ )


女の子はオナラもしない、毛なんて生えないとか言うじゃ無いですか。

でも人間である以上、オナラもします。毛だって生えます。


そういう幻想と同じ様に、女の子も男の人に夢見るんです。

察してくれるとか、何より自分を一番に思ってくれる。とか。

でも口に出さなきゃ分からないし、時には彼女以外の事を優先しなきゃ行けない事もあります。


そうやって相手に求め過ぎて、待っているのはきっとお別れなんだろうな。という。

印象的です。花とのお別れの際、『愚かだった』っていう台詞。

だからもっと、相手の事を見なきゃいけないだろうな、と。

行動の裏にある思いやりとか、考えて見ないと駄目なんだろうな。

それが言いたかったんだろうな、あの児童書……。


小学生のときは、なんでお別れしたか分からず、

『お花連れて行きなよ!! 飛行機作れるなら、鉢植えだって作れるでしょ。なんで置いてっちゃうの(꒪д꒪II』

という気分でした。当たり前ですけど、深みナッシングです( ¯-¯ ) 花と別れたくて飛び立つのに……。



以下、行動の解説。

(良くないんですけどねー:( ;´꒳`;) 少しでも知って戴きたい……)


雑誌ぐしゃぁ……。のシーンは、興味無さそうだからぞんざいに扱ってます。

彼にとって大事な物なら、大事に扱います。

『興味の無いもの、何時までも乗せないでよ!!』というノリ。

普通興味が無いものでもそんな扱いされたら怒るじゃないですか。

でも、許してくれた上に、嬉しいと言ってくれたから、夢見る以上だね。なんです。

理想の返答以上。という意味。


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