第8話【短剣作成】
第壱章 第8話【短剣作成】
帰り道は黒曜石を山ほど抱えているので最短距離で帰った。さすがに寄り道をして戦闘するなんてことは避けたいからな…。
拠点にはお昼ごろに到着する。昼飯を食べる前に食欲より早く作りたいという俺の創作欲が勝ってしまうので短剣の作成にかかる。まず、武器や防具は大まかに分類がある。レア度といわれるもので、粗末、一般、精巧、逸品、伝説、幻想、神話と分けられる。粗末や、一般などは初心者が作ればそういった品質になる。これは、純粋に技術が足りていないからだ。技術とはスキルレベルはもちろん知識だ。
そして、俺はもともとゲーム内で唯一といっていいが幻想級のアイテム作成ができていた。ちなみにポーションだけは神話級のものが出来たりもしたが、あれは使い道がないから置いておく。要するにそれを作る知識がある。あとは純粋な技術だが、この体にはそれがない。だが、少なくとも一般以下のものが出来上がるわけがない。
そもそも工程が違うのだ。初心者でも工程を知っていれば粗末なんてものはできない。まず重要なのが錬金術、これはすべての工程で使っていくことにある。細かな合成、形状を整えていくのだ。そして刻印術、魔石に刻印を施すように素材に刻印を施すことで装備自体に効果を付与する。これが第一工程。
次に武器にするために素材を整える。金属製品なら鍛える工程、木製なら彫る工程。そういった形や強度を作る工程だ。この工程の最中に錬金術で強化を施すことで素材そのものの強度を上げる。
そして、最後に調整、研磨したり、装飾を付ける。装飾を付ける過程ではその装飾自体にも意味を持たせる。魔法的効果を付けることで耐久値を上げたりする。
だいぶ言葉では端折っているがそう言った複雑な工程を説明なしにやらせるから流行らなかったともいえる。
さて、なのでまずは素材に刻印を施す。黒曜石と相性の良い刻印は耐久値上昇か軽業と呼ばれる重量が軽くなる刻印だ。刻印を複数刻むのは不可能ではない。立体的に刻印を混ぜ合わせることができれば可能になるが、非常に高度な技術が必要となるので今回は軽業の方を刻印する。耐久値は元々そこそこあるのだから後回しで問題ないのだ。
時間をかけて丁寧に刻印を刻んでいく。そして、次の工程で刻印した素材の形をきれいに形成する。40センチほどの刃の部分として作り出した。作り出す段階で錬金術Lv2から使える強化の術で素材の強度を上げる。これによって硬い黒曜石がさらに硬くなっていく。
形の形成が終わったら研いでいく。砥石は荒砥石、中砥石、仕上げ砥石に分けられるが、中砥石がなく荒砥石と仕上げ砥石だけになる。荒砥石は今いる洞窟にあり、仕上げ砥石は海岸の堆積岩だ。
ここでエンチャントがあれば切れ味上昇とかつけたいのだが、まだ付与のスキルがないのでできない。それでもそこそこの切れ味の短剣の刃ができる。あとは適当なサイズに加工した木を合成し、本当はもう少しつけておきたいが皮を取り出してくる。
水浸しの皮を絞って水気を切る。乾いた皮に風魔法で風を送り強制的に乾燥させる。そうすると、ある程度使える革になるのでそれを柄の部分に巻いていく。巻いたものを合成でくっつけることでグリップのすべり止めが完成した。
あとは、鞘となる木を彫りだし、それに刻印を施す。剣だけではないが武器は基本的に武器に修繕の刻印を施すことはない。修繕の刻印は戦闘時以外でゆっくりと損傷を回復するというものだ。だから、武器には別の刻印を付けて鞘などに刻印し鞘に直している間に修繕するというのが基本になる。
一度の戦闘でだめになるほど弱い武器は少ないからだ。何度か斬ってダメになる武器だとダンジョンでは使えない。そのため、ゲーム的にどの武器にも耐久度がそこそこあるのだ。その中でも耐久度の高い方である黒曜石など早々壊れることはないだろう。
さて、これで短剣が完成したわけだ。あとは銘を付けるだけだ。ガラスティアの武器は銘がある武器と銘がない武器がある。銘がある武器は何かしらのバフを得れるためプレイヤーメイドはすべて銘がついている。銘は完全にセンスに任されるが、銘次第でどういうバフが得られるか決まるのであまり変な銘はつけれない。
「まぁ、お前の名は決めてたけどな。命名【リンカーネイション】」
この生まれ変わった世界で初めて銘を付けた武器。
名前:ジェイル
性別:男
年齢:18歳
種族:古代守護樹人族
職業:魔法使いLv2
合計レベル2
ステータス
HP :20/20
MP :55/80
STR:5
VIT:5 +0.3
AGL:10 +0.7
DEX:13
INT:8
POW:5
所有スキル
【取得経験値上昇Ⅱ】【必要経験値減少Ⅱ】【魔法の才Ⅰ】【錬金術Lv4】【鑑定Lv1】【弓術Lv1】【短剣術Lv1】【気配察知Lv1】【気配遮断Lv2】【隠蔽Lv1】【解体Lv1】【水属性魔法Lv1】【風属性魔法Lv1】【身体強化Lv1】【体術Lv1】【魔力操作Lv2】【鷹の目Lv1】【頑強Lv1】【俊敏Lv1】【採取Lv1】【調合Lv1】【HP自動回復Lv2】【MP自動回復Lv2】【状態異常耐性Lv2】【石工Lv2】【木工Lv3】【刻印術Lv2】【料理Lv1】【武器鍛冶Lv1New】【命名Lv1New】