表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ジ・オールドマン

作者: けけけけ

私は、この世界を管理している。娘と私以外人間が誰もいなくなった世界を。

技術の発展は人間の活躍を必要としなくなり、いつしか多くの人間は仮想世界の中で生きるようになった。

仮想世界は様々な需要に沿ったものが作られ、ある世界が気に入らなくともまた別の世界に行くことができる。

金次第で仮想世界内での頭脳や身体能力の強化、あるいは特権を手に入れることも出来た。

行き詰ってはいないもののまだまだ先が見通せず、あらゆる分野への貢献で機械に及ばない世界よりも娯楽の為に作られた新世界、それに魅力を感じないものは珍しかった。

仮想世界で生きる人間は同じ仮想世界の中の人間、あるいはAIと子作りをするようになり、仮想世界の人口は増えつつも現実世界での出生率はどんどん低下していった。

政府も人口の抑制のために、仮想世界への移住を積極的に推奨した。

そうして現実での肉体を維持することがコストであり金持ちの道楽となって長い時間が経って、私は地球でたった二人の人間になっていた。

正確には父が現実世界での肉体を捨て私一人になった後、私が遺伝子バンクからAIが選んだ女性の遺伝子から娘を作っただが。

父は私が記憶している限りでは仮想世界"アルター"にほとんどこもりっきりで、物語で描かれるような理想的な父親とは程遠かった。

だが仮想世界では現実世界の管理者という特権を活かし、圧倒的なスペックを得て、円満な家庭を築いていた。

そんな父なら今の状況に対する打開策を閃いたのだろうか……

私には娘がいる。絶賛反抗期中である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白い世界観だと思いました。 あちらの世界から帰ってこれなくなったら?とか、なんらかのトラブルで肉体が失われてしまったら?など想像が広がりました。娘さんとの日常を描いても楽しそうです…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ