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008軒:商業ギルドにてティアドロップの驚愕

――商業ギルドで200カラットの金剛石(ダイヤモンドルース)の商談が成立した。


 俺は元々の手持ちの金貨17枚から、金貨で言うと9000枚と言う膨大な富を得てしまった……。

 放心から少し立ち直ったアーチェは、目を大きくして目の前の金貨100枚と白金貨89枚を見ている。

 

「すっ……凄い……のん。ボク白金貨なんてはじめて見たのん。」


「そうですね。ここ最近で白金貨のお取引は、数年前にドラゴンの素材を取り扱わせて頂いた時以来でしょうか……。」


……ここで俺は考え直した。黒革パンツのポケットに3000カラット(600g)の金剛石(ダイヤモンドルース)が残っているが、これをこのまま自分で持っているのは危ないのではないか?

商業ギルドで預かってもらった方が良いのではないかと……聞いてみるか……


「えっと……一つお聞きしても宜しいでしょうか……?」

「はい、イチノセミナト様、何なりと」

「実はですね、自分で持っていては危ないのでは?……と思う物がありまして、ギルドで預かってもらったりする事は可能でしょうか?」

「……あまりに大きかったり危険な物ですと預りきれなかったり、こちらではなく冒険者ギルド扱いの物もありますが……」

「ポケットに入る程度なので大き過ぎはしないですし危なくは無いです」

「それでしたら預かれるかと思いますが、一体どのような物でしょうか?」


……この部屋にいる自分以外4人の視線が集まる。


「……こちらなのですが。」


 黒革パンツのポケットを再びゴソゴソし、3000カラット(600g)の金剛石(ダイヤモンドルース)を机の上に取り出した。

 4人が固まった…………。

先程の200カラット(40g)金剛石(ダイヤモンドルース)の時よりも明らかに空気が違う。


「え、えっ……。」


ギルドマスターのピレーネ・ボンファーラも言葉を発せられないが……

……ベルガル・フィールが眼鏡(ルーペ)を握りしめ


「……拝見させて頂いても宜しいでしょうか?」

「はい、是非鑑定してみて下さい。」

「それでは失礼します。」


ベルガル・フィールは眼鏡(ルーペ)で念入りに見ている……。

コンシェルジュの女性とアーチェは固まったままだ。


「拝見させて頂きました。こちらの金剛石(ダイヤモンドルース)も先程と同じく、(カラー)は無色透明、透明度(クラリティ)包含する物(インクルージョン)がほぼ何も無いですね。

重さ(カラット)は3000カラット(600g)、と言う大きさで信じられない程に澄んでいる。

研磨(カット)はペアシェイプでティアドロップ型とも言いますが少々甘いですね。

……それにしても素晴らしい。国宝と言っても良い物だと思います。」


ベルガル・フィールは鑑定結果を言い切った。

ピレーネ・ボンファーラはまだ悩んでいるが……口を開いた。


「こちらの3000カラット(600g)の金剛石(ダイヤモンドルース)は、お預かりと言う事で宜しいのでしょうか?

……もし販売を考えているならば、競売(オークション)にかける事を薦めますが……」


「正直どうするか悩んでいるのです。

今はまだお金が増えても扱いきれないのですし、少なくともこの街に滞在している期間は保管でお願いしたいと思っています。」

「そうですか、気が変わりましたらいつでもおっしゃって下さい。

それまで大切に保管させて頂きます。」


「最後に一つ鑑定をお願いしても宜しいですか?」

「どうぞどうぞ!」

(……まだあるのか?)

「今度はそんなに大した物ではないのですが……」


そう言って、俺は腰に挿していた一角猪の角をテーブルに置いた。


「これはまた珍しい。珍しいが先程の物がインパクト強すぎましたな」


ピレーネ・ボンファーラの言葉に場の空気が軽くなった。


「そうですね、確かに一角猪の角で間違いまりません。

根元の方に一線の傷がありますが、それ以外は綺麗で良い物だと思います。」


「もしや昨日外郭の雑貨屋に一角猪の肉と皮が持ち込まれたと聞いたのですが、あれはイチノセミナト様だったでしょうか?」

「そうですが、こちらにもそんな情報が入るのですね……」

「一角猪はなかなかに珍しい魔物ですからな。……肉も美味ですし」


……ピレーネ・ボンファーラは一角猪の肉を思い出しているのか少し遠い目をしている。

ここでやっとアーチェが戻ってきた。


「3000カラット(600g)の金剛石(ダイヤモンドルース)とか凄いのん。

ボクは場違いなのかと思って幽体離脱アストラル・プロジェクションから戻って来れないところだったよ……」


幽体離脱アストラル・プロジェクションとはまた…………ハハハ」

場に笑いも戻ってきた。

俺は一角猪の角を腰に再び挿すと


「俺からは以上なのですが、商業ギルドには★で登録させて頂ければと思います。」

「ではお手数ですが1階まで宜しいでしょうか」


 ピレーネ・ボンファーラはポンッポンッと手を叩くと、コンシェルジュの女性が俺とアーチェを1階の窓口カウンターに案内してくれる。


「商業ギルドへの登録がこれで完了となります。」

金貨4枚を出し、登録料の銀貨5枚と年会費を3年分まとめて金貨3枚払い、残りはチップとして渡し登録は終わった。

所持金は金貨113枚と白金貨89枚。一角猪の角は手持ち。

3000カラット(600g)の金剛石は商業ギルド保管。

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