表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/33

007軒:商業ギルドにて金剛石と白金

――魔導士ギルドでの要件を終わらせ今度は商業ギルドである。


「いらっしゃいませ、商業ギルドへようこそ。」

「本日はどう言ったご用件でしょうか?」

入口そばに立っていたコンシェルジュ的な女性が声を掛けてくれた。


「俺は一ノ瀬湊(いちのせみなと)、こっちはアーチェ・ブロンです」


 商業ギルドは魔導士ギルドより空調がしっかりしているようで、お互い羽織っていた物を脱ぎ、俺は黒革パンツに厚手の白い綿シャツ。

 アーチェもグレーのブラウスにピンクのリボンを締め、トラッドな黒とベージュのチェック柄ミニスカートに黒いロングブーツだ。

上着を脱ぐとアーチェの胸はなかなかに良い物だ……


「商業ギルドの説明と商品の買い取りをお願いできればと思っています。

説明内容によって商業ギルドへの加入も考えています。」


「承りました。立ち話もなんですから、あちらのテーブルへどうぞ」


 商業ギルドは入ると正面がホールになっており、右手に窓口となるカウンター、左手に応接用と思われるテーブルとソファが置かれている。


 俺とアーチェはソファに腰を下ろし。

対応してくれるコンシェルジュの女性は、落ち着いていて品があり年齢は俺より一回りぐらい上だろうか


「それでは簡単にご説明致します。」


 商業ギルドは、このオフィールの街だけでなく、各街の商業ギルドが連携しており、納める年間費や売り上げによる税金でランクが別れる。

主には三等級に分かれていて、年間費は等級で同じだが税金は細かく支払金額が変わってくる。


★   :行商人や屋台など特定の店舗を持たない者

     登録料・銀貨5枚、年会費金貨1枚


★★  :個人~中規模程度の店を持つ者

     登録料・金貨1枚、年会費金貨3枚


★★★ :大規模且つ数多くの支店を持つ者

     登録料・金貨3枚、年会費金貨5枚+店舗数x金貨1枚


●登録は商業ギルドの記憶石板(メモリー・スレート)で行わる。

●登録料、年会費、税金は、どの街でも同じように支払いが可能で、商業ギルド窓口で支払ったものは記憶石板(メモリー・スレート)に保存され参照する事が可能。

●窓口で支払いがあれば自動更新されるが、支払いが無ければ除名される。

●支払いは数年分まとめても可能。

●違法で悪質な商売が行われた場合には、商業ギルドから除名のうえ騎士団への引き渡しもある。


●特典としては、登録カードを発行し商業ギルドによる身元保障。ギルドへの販売時に手数料の免除。関所などで通行料が必要な場合の免除。大規模な商団の場合には関所などでの優先通行が可能。


「また、最初に★など低ランクでも後で登録料の差額を支払って頂ければ、★★や★★★にランクを上げる事も可能です。」


……登録料や年間費は掛かるが、これからも商業ギルドにお世話になるなら加入した方がお得なようだ。


「では俺も加入させて頂きたいと思います。」

「そうですか、加入頂きありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。

それでは続いて商品の買い取りに移りたいと思いますが、商品はどのような物でしょうか?」


……ミナトは自分の黒革パンツのポケットをゴソゴソしている。


「こちらなのですが……」


ポケットから取り出されたのは、あの崖で採取した200カラット(40g)の金剛石だ。


「……こっ……これは……!?」

「金剛石なはずなのですが……。」

「しょ、少々お待ち下さいませ……!」


先程まで落ち着いていたコンシェルジュの女性が急に慌てて2階へと駆け上がって行った……


「急に駆け上がって行っちゃったね……」

「ミ、ミナトの言ってたのってソレなのん?」

「あぁ、とっておきの其の一だ。」


ずっとポケットに入れていたので、アーチェにも見せてなかったとっておき


「今までボクもそんなの持ってる何て知らなかったけど、それは驚かない方がおかしいのん……」


◇◆◇◆


――少しして、コンシェルジュの女性の他に2人の男性が2階から降りてきた。


「お待たせして申し訳ない、こちらでは話しづらいので2階の私の部屋に移りましょう。」

「申し遅れましたが、ここのギルドマスターでピレーネ・ボンファーラと申します。」

「私は今回の鑑定をさせて頂きます。ベルガル・フィールと申します。」

「「宜しくお願いします。」」

「それではこちらへ」


 商業ギルド正面ホール奥にある階段で2階に上がり、右手に曲がったちょうど受付の上にあたる部分のギルドマスターの部屋へと案内された。


「まずは席にお掛け下さい。」


 案内されソファに座ると、コンシェルジュの女性が紅茶を持ってきてくれた。

明らかに待遇が変わってきて緊張する。

正面にはギルドマスターで少し小太りなピレーネ・ボンファーラが座り、その横にベルガル・フィールが立っている。


「改めまして持ち込まれました金剛石(ダイヤモンドルース)拝見致します。」


……ベルガル・フィールが眼鏡(ルーペ)を取り出し鑑定している。

眼鏡(ルーペ)は薄く光っており、魔導具で鑑定と偽物でないかも見破れるようだ。


ベルガル・フィールは一呼吸し、ピレーネ・ボンファーラと小声で話してから……


「拝見させて頂きました。こちらの金剛石(ダイヤモンドルース)(カラー)は無色透明、透明度(クラリティ)包含する物(インクルージョン)がほぼ何も無く、重さ(カラット)は200カラット(40g)、研磨(カット)は甘いですがオーバルシェイプに近い感じですね。」


続いてギルドマスターのピレーネ・ボンファーラに替わり


「お値段なのですが……。

通常の小振りな金剛石(ダイヤモンドルース)ですと、1カラットで金貨30枚、2カラットで金貨65枚程度となり重さが増えますと希少性を加味し価格も上がっていきます。

……ですが、こちらのお持ちになられた金剛石(ダイヤモンドルース)は実に評価すべきポイントが最高品質であり、その上で重さ(カラット)が200カラット(40g)もある為に単純には収まらないと申しますか……」


……ピレーネ・ボンファーラは少し言い淀んでから


「1カラット=金貨45枚で計算させて頂いて、200カラットですので金貨9000枚ではいかがでしょうか?」


金貨1枚が10,000円と考えると……9000万円に値する!?


「そっ……それは……」


……思わずパニックである。

崖を削って偶然出てきた金剛石(ダイヤモンドルース)が9000万円……

 しかも、これは小振りな方で……まだ3000カラット(600g)の金剛石(ダイヤモンドルース)まである。

気持ちをしっかり持ち直し……


「そちらの金剛石(ダイヤモンドルース)は金貨9000枚でお願いします。」


「おぉ、商談成立ですね。ありがとうございます。金貨9000枚なのですが、白金貨90枚でのお支払いでも大丈夫でしょうか?」


……白金貨?

 横で放心しているアーチェと突き、白金貨について聞いてみると金貨100枚=白金貨1枚で、大きな商談や国と国とのやりとりで使われるそうだ。

少し考えてから……


「それでは、金貨100枚と白金貨89枚で宜しいでしょうか?」

「はい大丈夫です。大変良い商品をありがとうございます。」


ピレーネ・ボンファーラ

48歳 / 身長165cm / 体重78kg

商業ギルドのギルドマスター



ベルガル・フィール

50歳 / 身長170cm / 体重70kg

商業ギルドの鑑定士



白金貨1枚=金貨100枚=銀貨1000枚=銅貨10000枚

白金貨1枚=100万円、金貨1枚=10,000円、銀貨1枚=1000円、銅貨1枚=100円

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール cont_access.php?citi_cont_id=88238542&si ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ