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005軒:魔導書士の魔導士ギルドマスター

――ミナトとアーチェはエレベーターで魔導士ギルドの3階へ上がった。


 このフロアは魔導書士関連の部屋が集まっていて、現ギルドマスターも魔導書士なのだ。

ギルドマスターは打合せ中と言う事なので少し待合室で待機していると……


「ギルドマスターの打ち合わせが終わりました。どうぞお入り下さい。」


 ギルドマスターの秘書だろうか、長身でスラッとして金髪に濃い緑な瞳の明らかにエルフと言う感じの女性が呼びに来てくれた。

……この世界に来て初めての他種族だ!やはりエルフとかいるんだな。



「ようこそ来てくれた。(わし)は魔導士ギルドのギルドマスターでグノム・ロギだ宜しくな!」

「ギルマスかグノムとでも呼んでくれ」


 身長は俺より10cmぐらい高いだろうか?

ガッシリした感じでダンディなプラチナシルバーの短髪に髭面男が、正面の書類が積まれウォールナットの木目が美しい机の奥に座っていた。


「俺の名前は一ノ瀬湊(いちのせみなと)だ、ミナトでお願いしたい。」

「ボクの名前はアーチェ・ブロンなのん。アーチェと呼んで欲しいのん。」

「受付から聞いている。よく来てくれた。」


「アルゲードとは同年代の親友でな、よく酒を酌み交わしたもんだ……」

「父さんの知り合いさんだったのん」

「あぁアルゲードから『俺に何かあったら娘を頼む』と頼まれている。

……で魔導書だったな。」

どうやらアーチェの父親とギルマスは親友だったようで、気さくな雰囲気から期待ができそうか?


「アーチェは魔導書についてはどのくらい知っているのだ?」

「基礎的な事は大体父さんが教えてくれたと思ってるのん」

魔法の倉庫(マジック・ストレージ)も作れるのか?」

「はい……作れるのん」

「なるほど。……それで次に永遠の書庫エターナル・アーカイブか。」


「では白の書が何で作られているかなどは知っているか?」

「えっと……羊皮紙を動物や魔物のカバーで包んだ物?

……術印を書き込む時は、七面鳥の羽根ペンなどを使って、羊や蝙蝠の血のインクで描くのん」

「理解度は60点と言ったところか」


「中級までの生活魔法や魔導術士が使う程度の魔導書ならそれで良い。

……が魔導書にはその上の領域があるぞよ。」

……段々話が難しくなってきた。

アーチェは真剣な眼差しで聞いているが、俺は頭から煙が出そうになる。


「上位の時空間魔法や召喚魔法だ。

……例を挙げるなら『魔法の倉庫(マジック・ストレージ)』は時空間系の中級魔法だが、『永遠の書庫エターナル・アーカイブ』は時空間の中に時空間を入れる事ができる為により上位の時空間魔法になる。

……こう言った上位の魔法を魔導書に描き込むには、通常で使う七面鳥の羽根ペンや蝙蝠の血のインクではダメなのだ。」


「知らなかったのん……。」

「まぁ上位の魔導書を作るには、それなりの危険が伴う。

……だから、アルゲードも幼い娘にそこまでは教えなかったのだろうよ。」


「魔力が少ない状態で無理に上位の魔導書作成を行うと最悪死に至る。

それでも作成方法を求めるか?」

「……ボクは…………まだ未熟で難しくても作れるようになりたいのん」

アーチェはかなり悩んでいるようだったが……


「そうか……」

しばらくグノムは黙って考えて居たが、再び口を開きだした。


「まず上位魔法の術印も基礎の術印を応用発展させた物だ。

……これは基礎の理解を深めて応用して組み立てれば作っていける。

大変なのは自分の魔力量アップと……他に必要な紙、インク、ペンを揃える事だが……まぁ良い教えてやろう!」


「金色の羊から作られた『金の羊皮紙』か、原初の森と呼ばれる場所にあるとされる、世界樹の樹皮を原料に煮熟して漉かれた紙『世界樹の紙』で作られた白の書」

「『金色の羊の血』か『ドラゴンの血』のインク」

「『不死鳥の羽根のペンペン・オブ・フェニックス』か『天使の羽根のペンペン・オブ・エンジェル』」


「どれも所得難易度が高すぎて諦める者がほとんどな物が必要となる。」

「……それらはどれも実在するのん?」


「少なくも(わし)は『ドラゴンの血のインク』と『不死鳥の羽根のペンペン・オブ・フェニックス』は見た事があるぞよ。」

「流石はギルマスですね。……しかし、白の書は目にしてないのですね」

「ボクはどれも知らなかったのん……」

「まぁ……まずは魔力の向上を目指しつつ修練し、必要な物を探すのがよかろうよ」


アーチェは何とも言えず涙目のような顔をしている……。


「さて、他に何かあるかな?無ければ次の約束があるのだが」

……そう言えば、俺の魔導ペンはどう言う扱いになるんだろうか?


「ギルマスに一つ見て頂いても宜しいでしょうか?」

「それは鑑定しろと言う事か?」

「はい。実はよく解らないペンを持っていまして……」


少し慌てて胸のポケットから魔導ペンを取り出しギルマスに見てもらう。


「これは美しい物だが……ペンとは言われたが、単に黒檀の棒としか解らんな!

何に使う物なのだ?」

……横の本棚から鑑定の書を取り出し、魔法で見てくれているが解らないようだ。


「いえ、解らなければ大丈夫です。俺の形見のような物です。」

そう言ってサッと魔導ペンを胸のポケットに戻す。

魔導ペンはこの世界の理から少し離れた所にある物なのだろうか……


「アーチェは他に何かあるかい?」

「あとは……普通の白の書はボクも購入できるかのん?」

「魔導書士登録してれば1階の魔導具の部屋に行けば買えるぞよ。

まだなら1階の受付で登録を済ませればよい。」


「まぁ……何だ……また何かあれば来い、アルゲードとの約束もあるがアーチェは見所があるようだ。できるだけど事はしよう。」

「「ありがとう御座いました。」」


――挨拶をして俺達はギルドマスターであるグノム・ロギの部屋を後にした。


「そんなに沢山は買えないが何冊かの白の書と、他にも何か無いか見て良さそうな魔導具でもあれば購入しようか。」

「魔導書は触れる機会多いけど、魔導具ってあまり自分で持って無いから楽しみだのん♪」

……買い物と聞いてアーチェが少し元気を取り戻した気がする。


グノム・ロギ

45歳 / 身長185cm / 体重90kg

「~あるぞよ」/ 一人称は「(わし)

魔導士ギルドのギルドマスター / 上級魔導書士

アルゲード・ブロンと同年代で親友

ガッシリした体型 / ダンディなプラチナシルバーの短髪 / 髭面



アルゲード・ブロン

没43歳(アーチェ14歳時) / 身長180cm / 体重82kg

アーチェ・ブロンの父親 / 上級魔導書士

坊主に近い短髪赤髪 / 紅眼

旅をしながらアーチェに魔導書の事を教えていたが、2年前に流行の病で幽冥界へ旅旅立つ



魔法は、生活魔法、攻撃魔法、回復魔法、補助魔法、時空間魔法、召喚魔法に分類される。

属性は、火・水・土・風の四大元素と光、闇、無を足した7つに分かれる。

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