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032軒:筋電魔導義肢の仮合せ

――ティルは冒険者ギルドでラスコヴニクの実を30個、魔導士ギルドにエーテル繊維の在庫を増やしておいて欲しいと依頼を出し、鍛冶師ギルド長で筋電魔導義肢アーティフィシャルメイル伝説の親方レジェンド・マイスターたるドゥヴィール・アルドヘルから教えを受けていた。


 筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを作る為にまずは、筋電魔導義肢アーティフィシャルメイル全体の形を決める。

 ミナトの患部や健全側の確認及び採寸はドゥヴィールが計測してくれていたので、それを元にティルは全ての基本となる仮義肢の骨格を苦労しながらも丁寧に作成して行く。

この作業でドゥヴィールに確認してもらいokを貰うまでに気が付けば5日間が過ぎた……


 そうこうしていると冒険者ギルドからティルに連絡があり、依頼のラスコヴニクの実が納品されたのだ。

早速、冒険者ギルドに受け取りに行き持ち帰ると、採寸しドゥヴィールに問題ないか確認をお願いする。


「うむ、なかなか質の良いラスコヴニクの実だな、採寸した大きさで仮義肢用の物は作れるだろう。

魔導士ギルドに持って行き、エセリアル溶液での腐食防止不動態化処理を依頼してくるとよい」

「分かりました。 ドゥヴィール師匠!」


◇◆◇◆


――ドゥヴィールの指示を受けてティルは魔導士ギルドに来ていた。

 前回来た時と同じく「いらっしゃ~い」と扉右横奥の作業場にいた魔導具士が声を掛けてくれる。


筋電魔導義肢アーティフィシャルメイル用のラスコヴニクの実に腐食防止不動態化処理をお願いしたいんだよ」

「腐食防止不動態化処理ですね。 実を拝見させて頂けますか?」

「これなんだよ」


 そう言ってティルは30個のラスコヴニクの実を渡し、魔導具士はその場で魔力を実に注いで確認していく。

ラスコヴニクの実は魔力を通すとオレンジ色に発光し、実の善し悪しでも魔力の入れ具合でも発光具合が変わる。


「小粒な物の中にいくつか魔力の通りが悪い物がありますがどうしますか?」

「いくつぐらい悪い物が混じってますか?」

「そうですね……これと、これと、これ……小粒の5つが魔力通りが悪いようですね」

「それではそれ以外でお願いするんだよ」


「承りました。少々お時間が掛かりますので3日後に受け渡しとなりまして、腐食防止不動態化処理の代金が大粒が6つと小粒が19ですので銀貨31枚になります」

「結構するんだね……分かったんだよ宜しくお願いするんだよ」

 そう言ってティルは魔導士ギルドを後にする。


「鉱石を掘るか何かしないと少し厳しいかもなんだよ……」


 思わずティルは独り言がこぼれてしまったが、ティルのお財布事情は、父であるボブ・クルレイマイヤーから借りた分と、ウーツ鉱石を見つけた分で少し余裕があように思っていたが、今回の腐食防止不動態化処理の代金でギリギリな感じだ。


◇◆◇◆


――ティルが魔導士ギルドで腐食防止不動態化処理の依頼をしてから2日が過ぎた。

 先日、螺旋階段エリア補強計画工事の現場視察を終えた俺は、今日は筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルの仮合わせで装着感・全体のバランスを確認するの為に鍛冶師ギルドまで来ている。

アーチェとリヴィーナも一緒だ。


「これは筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルの仮義肢骨格で、素材を変えて本格的に作る前に合せて具合を確かめて欲しいんだよ」

 仮義肢とは言え、鉄で作られたであろうそれはガッシリとしていて、骨を再現したようにしっかりした作りになっているが、ダランと肩からぶら下がった状態だ。

「関節と魔力伝達のエーテル繊維が入ってないので動かす事はまだできないんだよ……」


 鏡も用意されていたので鏡の前に立ってみる。


「こうやって自分の姿を見ると、あの底で遇った事を思い出すな……

だが、これはこれで良い感じだと思う」

 自分が左腕を失った事を再認識し深い喪失感と、厨二心くすぐる新しい左腕に対する男のロマンが入交り複雑な気分だ。


「…………」

 ティルの表情は硬く顔色が青白い


「ミナトの新しい腕カッコイイのん!」

「腕などを失って筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを手にできる者は少ないので目立ちそうかしら」

 リヴィーナの発言は素材が希少なのか……金額がかなり掛かるのか……


「ティルは無理してないか? 腕を作ってくれるのは嬉しいが無理はし過ぎるなよ」

「……大丈夫なのですよ! ミナトは心配しないで完成を待って欲しいのですよ。

腕の左右のバランス診ちゃいますね」

 そう言ってティルは、先程の少し青白い顔から色を取り戻し作業に戻った。


「ミナト左腕を振ったりして肩の違和感はどう?」

「左胸が引っ張られる感じで、少し痛みがあるが今はそこまででは無いかな?」


「少し調節してみるね……これでどうかな?」

「さっきより引っ張られる感じは軽減されたかな」

 少し肩との接合部分を緩めてくれたのか楽になった。


「バランス的に良さそうに見えるけど……ドゥヴィール師匠どうでしょうか?」

「うむ、仮の段階ではこんな物だろう」

 ティルがホッとした表情になった。


「では仮義肢骨格は外すんだよ」

「ああ頼むよ」


「これから本番の素材で骨格と関節の筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを作って、もう一度仮合せしてから人工筋肉と外装を纏わせて完成になるんだよ」


 ティルが仮義肢を外しながらこれからについて説明してくれたが、完全な完成形までは4週間程掛かるようだ。

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