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029軒:新たな決意

――ティルが冒険者ギルドや魔導士ギルドに行っている頃。


 俺は食料と水が厳しくなりながら無我夢中で螺旋階段を造った。

魔導ペンさえ握っていれば空腹も痛みも忘れられたので、それほど辛いと思わずいたが、それで怪我が治る事はなく悪化し取り返すがつかない状態になってしまった。


 アガルタの街の宿屋で5日間眠ったままだったそうだ……

腹筋に力を入れ起き上がろうとするが力が入らず、腕をつこうとしたところでリヴィーナが背中を支えてくれた。


 右手で左肩から下を触ろうとしても、そこにあるはずの物は無く……


 ティルは部屋に入ってきてすぐに泣き崩れてしまった。

あの崩落した時、ティルが先頭で次に俺だった。

そして、ティルを庇って負傷したのだがティルが悪いわけでは無い。

それでも左腕の事に責任を感じて筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルと言う物を作ってくれるそうだ。


 アーチェ、リヴィーナ、ティルが心配してくれる中、俺は少し1人にしてもらい、起こった事、これからの事を自分の頭の中でまとめ、どう行動すればよいか考えた……


 坑道の下層ではウーツ鉱石が見つかり、これからアガルタの街は再び活気がでるだろう。

そして、俺のような者が生まれないように、坑道のウーツ鉱石の採掘場所までの道を整備するべきだと考える。

 崩落し上に戻る為にやっつけではあるが螺旋階段エリアは作った。

坑道内の地盤補強と螺旋階段外側にトロッコを通せるスロープエリア、螺旋階段内側吹き抜けの補強と装飾をしたい。

 この左腕を失ったままの体では、魔導ぺンでの作業と指示ぐらいしかできないので、作業を手伝ってくれる人員が欲しいところだが……


 この街で知っている一番偉そうな人物は鍛冶師ギルド長のドゥヴィール・アルドヘルなので、まずはドゥヴィールに相談すべきだろうか?

 その際に、鍛冶師ギルドや冒険者ギルドで採掘場所までの整備を手伝ってくれるよう依頼をしてみよう。



 そんな事を考えていると部屋をノックする音が

「リヴィーナです。スープを持ってきたのだけど、入ってもいいかしら?」

「あぁ入ってくれ」


「寝ている間は水を口に含ませてあげるぐらいしかできなかったから、固形物はまだ辛いと思ってブラックバイソンのテールスープを持ってきたわ」


「まだ思うように動けないでしょう、特別に食べさせてあげようかしら」

 リヴィーナが木の匙でスープを口に運んでくれる。

透き通ったスープなのだが深いコクがあり、シンプルな塩味が体に染み渡って体の細胞が生き返るようだ。


「あぁ……美味いな……」

数日ぶりの食事に思わず涙が出そうになりながら、続けてスープを飲ませてもらう。


「ありがとう。本当に美味しかった……早く自分でも食べれるようにならないとな」

「少し元気が出てきたようね。安心したわ」

「クヨクヨしてても始まらないからな、明日にでも鍛冶師ギルドに行こうかと思ってる」

「もう少し安静にして横になってたら……?」

「俺とティルが居た坑道の下層フロアからウーツ鉱石が出たのは知ってると思うが、あそこまでの道を安全な物にしておきたいと思ってな」

「止めても無駄そうな顔してるわね……なら私が鍛冶師ギルドでアポでもとってきた方がいいかしら?」

「そうだな……頼めるか? それとアーチェを呼んで欲しい」

「了解よ」



「ボクを呼んだのん?」

「アーチェにお願いがあるんだが、羊皮紙とか木の板とかあるか? なるべく大きいのが何枚か欲しいんだ」

「ちょっと待ってね……」

 アーチェは魔法の倉庫(マジック・ストレージ)の中から1m四方の木の板を3枚出してくれた。


「出したけど、これで何するのん?」

「それを壁に立てかけてもらえるかな、魔導ペンでそこに描いていこうと思ってる」

「わかったけど無理はしないでなのん」


 俺は鍛冶師ギルド長に説明する為にTRF-CADと魔導ペンで坑道整備計画のプレゼン資料を作っていく。


 中心に約直径52mの吹き抜け、その周囲にレガレイラ庭園イニシエーションの井戸を思わせるような螺旋階段エリア。

2m厚の壁を挟み外側に内側曲線半径が30mで幅3m縦断勾配を8%(5度)程度のスロープエリアで取り囲む。

三次元で立体的に何か所かパースを描いて、スロープエリアに通すトロッコの説明も描いて完成だ。


 大体の構想は坑道下層に落された際に作った物がメモリに保存されていて、あとは木の板に出力し分かりやすく注釈をつけていくだけだったので結構早く終わった。


 出来上がったプレゼン資料をアーチェが見ている。

「ボクはミナトが落ちた場所に行ってないけど、これを見ると深さとか状況がよく分かるのん」

「それはよかった、俺は疲れたので少し眠るよ…………」


俺は久しぶりに頭をフルに使ったので疲れてしまった。



「あら、ミナトは寝てるのね」

リヴィーナが鍛冶師ギルドから戻ってきた。


「うん、そこにあるのを描きあげて疲れて寝ちゃったのん」

「これはまた凄いわね、私はクラフト系には詳しくないけど、こうやって描けるのが凄いと言う事は分かるわ……でもこれからどうなるのかしらね」

「う~ん……ミナトが元気を取り戻せば、今までとそんなに変わらないと思うのん」

「そうね、そうなる事を祈りましょう」

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