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028軒:ラスコヴニクの実とエーテル繊維

――ミナトは、ティルと共に崩落に巻き込まれ怪我を負い、ほぼ不眠不休で地上を目指し左腕を失った。

 自分を庇ってくれたミナトに対しティルは責任を感じ、筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを作る為奮闘をはじめる……


「まずは冒険者ギルドでラスコヴニクの実採取の依頼……

そう言えば、リヴィーナさん冒険者って言ってたよな、一言声掛けてラスコヴニクの実について聞こうかな……」

 冒険者ギルドは中央通りの鍛冶師ギルドとミナトの居る宿屋の中間ぐらいにあったが、通り越し宿屋の扉を開けると1階の酒場ではドワーフが何人か既に飲み始めている。

 周囲を見回すと厨房を覗いているリヴィーナを発見する事ができた。


「リヴィーナさん少しよいですか?」

「何かしら、今ミナトにブラックバイソンのテールスープができるのを待ってるから、出来るまでなら大丈夫かしら」

 ティルはドゥヴィールに言われたラスコヴニクの実の事を相談する。


「ラスコヴニクの実ね……そんなに難易度は高くないし問題んじゃないかしら」

「ちなみにリヴィーナさんに採取依頼をお願いする事は……」

「それはミナトの了承を得ないと無理ね、私はミナトとアーチェの護衛として来ているから……今回ミナトを守れなかった事は本当に無念だけど……」

 リヴィーナは悲痛な表情を浮かべ柱を叩いた。


「そうね……一つ助言をするなら、ラスコヴニクは樹に少し大き目な花を咲かせるのだけど、樹皮を傷つけたり実をもごうとすると蜜を出して魔物を呼ぶの、それが1本の樹だけでなく複数本となると魔物の数も増えるから気を付けた方がいいかしら」

「実の必要数が増えると難易度が上がるのですね……貴重な情報ありがとうございます。」

 そう言ってティルは宿屋から冒険者ギルドに向かう。


◇◆◇◆


――アガルタの街の冒険者ギルド

 ティルはこの街で育ってはいるが、冒険者ギルドにはほとんど来たことが無い。

父に連れられて子供の頃に2、3度来たぐらいだ。


 鍛冶師ギルドよりはかなり狭いがなかなかに活気がある。

入口正面奥にあるカウンターで受付の女性に依頼をしたい事を告げると、カウンター横の応接室に案内された。


「本日はどうのような依頼をなさりたいのでしょうか?」

「えっと、ラスコヴニクの実の採取をお願いしたいと思っているんだよ」

「それでは出来るだけ詳細に内容をお聞かせ下さい」

筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを作る為、肩、肘、手首の関節用に拳サイズの物を3個、指の関節用に爪より少し大きいサイズの物を15個最低欲しいです。

多少多めにサイズを選べるよう持ってきてもらえると助かるんだよ」

「なるほど、ラスコヴニクの実を最低18個で多めに見て30個ぐらいですね……採取依頼には同行されますか?」

「他にしたい事があるので、できれば同行せずお任せしたいと思っています」

「そうしますと、ラスコヴニクの実は1~3個程度でしたらCランクなのですが、30個となると呼び寄せられる魔物も増える為にBランクの依頼となりまして、依頼人が同行されないのでラスコヴニクの実1個で銀貨1枚、30個で銀貨30枚となりますが大丈夫ですか?」


「銀貨30枚と言う事は金貨3枚ですよね? これで」

ティルは父から渡されていた袋から金貨3枚を取り出し渡した。


「確かに承りました。依頼が完了しましたら報告と納品に伺いますが、どちらに伺いましょうか?」

「それでは、ボブ・クルレイマイヤーの工房までお願いするんだよ」

「かしこ参りました。ただいま依頼書と依頼受領書作成しますので少々お待ちください。

依頼受領書をお渡しして本日は終わりになります」


 ラスコヴニクの実の依頼はできた。

次は魔導士ギルドでエーテル繊維の在庫確認だ……


◇◆◇◆


――中央通りから街の外れに向い農場エリアの脇に魔導士ギルドはある。

この街の主な住人であるドワーフは魔力がまったく無く魔導書関係使えない為、オフィールの魔導士ギルドから駐在員が来ており、魔導士ギルドとしては魔導具による実験場を兼ねているので、試作品など含め様々な魔導具が揃っている。


 冒険者ギルドから30分程歩いて魔導士ギルドに着いたティルは扉を開け

カラ~ンと鈴の音が鳴り響く中「いらっしゃ~い」と扉右横奥の作業場にいた魔導具士が作業しながら迎えてくれた。


 ティルが中に入るとそこは魔導具のショップになっており様々な品が並んでいた。

ショップをぐるりと見て回り中々エーテル繊維を見つけられないでいると……


「何かお探しですかぁ?」

「オイラはエーテル繊維を……」

「エーテル繊維は表に出してないんですよぉ、どのくらい必要なんんですかぁ?

今はこのリールに巻かれた状態で10本ぐらい用意できます」

 そう言って作業場から、リールに巻かれた透き通った糸を引出しごと持ってきてくれた。


「えっと、筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルを作ろうとしていて、骨格の中の魔力伝達用と炭素繊維強化形状記憶合金の


人工筋肉を作るのにエーテル繊維が欲しいと思ってるんだよ」

「あぁ、炭素繊維強化形状記憶合金を作るとなると在庫が心許無いですね……エーテル繊維在庫増やしておきますね」

「今日はエーテル繊維の在庫確認をしたかったので、そうしておいて貰えると助かるんだよ」


筋電魔導義肢アーティフィシャルメイルって事は腐食防止不動態化処理とかもされるんですよね?

今後とも宜しくお願いしますね」

 魔導具士はキラキラした眼差しで、まるで玩具を貰った子供のような笑顔を振りまいていた。



 これで、ラスコヴニクの実とエーテル繊維は大丈夫だろう……

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