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025軒:左腕の疼痛とウーツ鉱石の発見

――坑道で床が崩落し地底から上に戻るため、螺旋階段計画をティルにプレゼンした。

 少しの実演も行い計画の概要が受け入れられたところで夕飯の準備である。


「何だかんだ昼を食べてなくて疲れたな……薬草で止血はされてるんだが、さっきからちょっと左腕が痺れて……上手く動かせれないから手伝ってもらってもいいかな?」


「ミナトの左腕大丈夫なのよね?」

「う~ん、今は感覚があまりないから分からないけど大丈夫だよ」

 自分の左腕を診たり治したりする方法が今はないので我慢である……


 魔法の倉庫(マジック・ストレージ)の魔導書を左手で持てずに脇に抱えて手を添える形で起動。

一角猪の肉、塩、黒胡椒、金剛石の粒が混じった包丁、ブラックバイソンの胃袋で出来た水革袋を取り出し、肉はティルに切ってもらって俺は惑わせの森の木を魔導ペンで串にしていく。


「肉が切れたら串に刺して塩、胡椒で味付てもらっていいかな」

「美味しそうなお肉なんだよ」

「できたら一緒に表の焚き火で焼こうか」


 お互いに3本ずつ大き目の肉串を焼き腹を満たし貴重な水を回して飲んだ。


 石造りの拠点に入り、1m x 2mの大きさに膨んでいる固定の魔導書(フィクセーション)を付与して貰った大き目な革袋に寄り掛かりティルと二人で横になる。


「大変な事になってしまったが、明日からも一緒に頑張ろうな……」

「ミナトの左腕心配だけど、お腹が膨れて色々あって疲れて眠くなってきたんだよ……」

 ティルは藍目のまぶたを擦りウツラウツラしている。


「明日もサポート頼むよ……おやすみ」


 俺の方は腹が膨れて眠かったはずなのだが、左肘から先の方はやはり痺れたように感覚が無い……

しかし、肘から肩にかけてズキズキ、チクチクと脂汗が滲み続けるような痛みが襲ってきていた。


……隣で眠りについたティルに感じさせないように悶え苦悶するも

どうにもならないので起きて表で作業する事にした。


 左腕は肩からだらんと垂れ下ったままだだが、魔導ペンを右手に握って作業をはじめると痛みを忘れる事ができた。


「肉体的な疲れも忘れれるし、痛みも忘れる事が出来てドーピングしてるみたいだな」


 興奮が高まり、魔導ペンで削り、必要ない石はそのまま収納し、あとで下にでも捨てればよいので螺旋階段を造る作業が思いの外進んでいく。


 しばらくすると……


≫『周囲に微弱ながら鉱物の反応を感知。ウーツ鉱石が含まれた部分が多数ありそうです。』


 おっと、拠点からは20mぐらいの高さだろうか、周囲からウーツ鉱石が多数感知された。

上に螺旋階段を造るのを一度止め半周程踊り場を作成。

後で造る予定の外周スロープより外側へ掘り進めてみる。


 5m程外側に穴を掘ったところで今まで見なかった黒っぽい赤茶の鉱石を掘り当てた!

魔導ペンで鑑定すると、これがウーツ鉱石なようだ。


「ついにウーツ鉱石があったな……」

 その周囲をよく見渡せばゴツゴツと黒っぽい赤茶の小さな鉱石の層になっている。

層になっている部分をできるだけ崩さないように魔導ペンでブロックにし収納、あとでティルが目覚めたら確認してもらう事にする。

 外周スロープを作る予定より外側へ放射状に何本か掘り進め確認したが、周囲にかなりの量が埋まっているようだ。

俺は螺旋階段踊り場まで戻りウーツ鉱石が掘れたフロアに目印となる板を立て拠点に戻る事にした。


 ティルが眠りについてから4時間ぐらいだろうか、拠点ではまだ気持ちよさそうに寝ているのが、俺は魔導ペンでまとまった時間作業を止めると左腕に痛みがかなりでるので、拠点の中に先程掘れたウール鉱石の層のブロックを1つ置いて再び階段作成を再開する。


 作業に慣れてきて、1フロア5m高さを上げ少し休憩を挟めば魔力は枯渇する事無く続けられるようになった。

かなり俺も魔導ペンと自分の体を熟練してきたようで、まだ20m/243mだが予想の最短で落盤したフロアに辿り着けるかもしれない。


「……左腕の痛みはよくなる気配がないな」

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