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015軒:魔導ペン性能試験

――崖の下で一角猪の肉パーティがはじまっていた。

 俺、アーチェ、リヴィーナの三人でお酒は無しではあるが肉を堪能する。


 先日は塩でしか味付けできなかったので、今日は塩胡椒は基本として、ローズマリー、ターメリック&パプリカパウダーで味を付けてみた。


「ローズマリーは、スキッと爽やかな香りで一角猪の肉がドンドン食べれてしまうのん」

ラムチョップの定番的スパイスに近い風味で脂の部分も美味しく食べれるローズマリー


「私は、ターメリック&パプリカパウダーの鮮やかな黄色いと香りに食欲をそそられてしまいますわ」

インドのタンドリーチキン的な味であろうターメリック


「どちらも塩と胡椒だけどと違った味わいで食べれるね」


「そう言えば、このお肉って何の肉なのかしら?」

「あれ、言ってなかったっけ?一角猪の肉だけど」

「ブフォ……ッ」


……リヴィーナが噴出した。


「また珍しい肉を……」

「これ、この崖で過ごしてた時に狩れたんだよ」

「私はまだ一角猪をよく知らずに、返り討ちに合いそうになった事ならあるわ……」

「リヴィーナが返り討ち……」


「装備が整ってなかったからなのが敗因かしらね……

それにしても一角猪を二人で狩るなんて凄いわね」


「ボクは手伝ってないからミナトが一人で狩ったのん」

「まぁ偶然な」

「…………」


「私よりミナトの方が強いのではないかしら?」

「俺は基本的に戦い方とか訓練してないしよく分からないから……」


少し変な空気になってしまった……


「まぁその話は横に置いて次の肉焼くのん♪」


……がアーチェが戻してくれたようだ。

 リヴィーナから一角猪を狩った時の事を詳しく聞かれ、話の肴に大きくなり過ぎないよう謙虚に語って聞かせた……

崖の上から落としたと言う事でどうにか納得してくれたようだ。


 ……本当に落しただけだしな



――お酒は無いが肉をかなり堪能したので本来の目的に移る。

 清潔の魔導書(クリーン)は試したので、灯りの魔導書(ライト)魔物避けアヴォイド・モンスター火の弾(ファイアー・ボール)水の弾(ウォーター・ボール)の使用試験なのだが、魔物避けアヴォイド・モンスターの効果はここでは解りにくいので他の3つのみである。


 まずは灯りの魔導書(ライト)から、光るように魔導ペンに魔力を注ぐ。

メッチャ光った……


「眩しいの~ん」

「凄い光ね、目がどうかなるかと思ったわ」


 そこから魔力を弱めていく……

 とても弱めていく…………


魔導ペンを握って灯りの魔導書(ライト)と思っただけで、一般的な懐中電灯の灯り80ルーメンぐらいになった。


「最初は相当に明るすぎたな、街全体を照らせるぐらいに光るとは……」

「次は崖に向かって火の弾(ファイアー・ボール)水の弾(ウォーター・ボール)を試してみるよ」

「怖いから離れてるのん」

「攻撃系だから気を付けなさい」


 灯りの魔導書(ライト)の教訓を生かして魔導ペンを握って火の弾(ファイアー・ボール)と思ってみた。


「何か出たのん」

「可愛いのが出たのかしら?」


とても可愛い火の弾(ファイアー・ボール)が出た。

……線香花火の先端が1メートル先に飛んだ感じだ。


「これぐらいなら火を点ける時に使えそうだな。次は魔力を込めてみよう」


 優しく徐々に込めて行く……

魔力のビー玉やバスケットボールをイメージすると、それと同じように魔導ペンの先の火の弾が大きさを変える。

バスケットボールをイメージするサイズでも魔力は込めている意識が薄い。


……腕を斜めに上げ、少し魔力を込めて運動会の玉送りの玉をイメージする。

イメージ通り直径1.5メートルぐらいの火の弾になり、そこから一瞬意識を2人に向けて顔を見ようとしてしまった……


……魔導ペンから意識と共に火の弾(ファイアー・ボール)が離れてしまう。

……火の弾(ファイアー・ボール)は魔導ペンの指す崖肌へと


 スピードはそこまで出ていないが、魔導ペンから意識を離しただけで飛び

 その弾は崖肌にぶつかり「ボファッ」と凄い音を立てて爆散した……

 崖肌は黒く焦げているようだ。


「「…………」」

「えぇっと……」

俺も何とも言えなかった。


「最初のが可愛かったから少し馬鹿にしてたのん……」

「私もまさかあの大きさになるとは思ってなく……」


「ちなみにアーチェの火の弾(ファイアー・ボール)はどのくらいの大きさなんだ?」

「ボクのはたぶん魔力を込めまくって、さっきの半分より小さいぐらいだと思うのん」

「おぅ……」


「魔力操作と意識の集中に気を付けよう」と心に誓う。

 続いて水の弾(ウォーター・ボール)も試したが火の弾(ファイアー・ボール)の扱いと大体同じ感じで、水の弾(ウォーター・ボール)と思っただけの時は少し大きい水滴がたれる程度だった。


「それにしても、さっきの大きい火の弾(ファイアー・ボール)でも崖が粉砕したりしないんだな」

「ボクの火の弾(ファイアー・ボール)じゃ壊れないって前に言ったけど、あの大きさでも壊れなかったのん」

「ミナトはどうやって階段を作ったのかしらね」


「さっきの使用試験で見てもらったは、アーチェに作ってもらった魔導書の魔法だけだったけど、実は俺には最初から使える系統があって、それもイメージ形を変える事ができるんだ。」

「あの肉焼く時のヤツなのん?」

「ああ、あれを細い光の線にして照射するとサクッとね」

「サクッと削れるとか怖いわね」


「まぁ石材の採取も今回の目的だからね今から見せるけど、ここで見た事はオフレコでお願いするね」


 そう言って、ミナトは左手に『力が強くなるグローブ』をはめ、あの時には無かった素材を収納可能と言う機能が追加された魔導ペンを右手に持ち崖に構える。

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