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001軒:魔導建築士と魔導書士の出会い

 文法とかよく解ってませんが挑戦してみようと思います。

どうぞ宜しくお願いします。

 俺の名前は一ノ瀬 湊(いちのせ みなと)

都内で昼間は建築やインテリアなどの勉強をし、夜は課題製作の材料費を稼ぐためにレストランのホールでバイトに励む20歳ハタチの専門学校生だ。


 学校の課外実習で地下施設の建築現場を見学中、地震により現場が崩落その穴へと落ちてしまった。

某ゲームにログインするような時間を飛び越える感覚の中、次に目覚めた時には傍に川が流れる谷間の底に居た。


◇◆◇◆


「痛てぇぇ……

 たしか地面に開いた穴に落ちて……ここは?」


 あたりを見回すも、周囲には草木の生えない見覚えの無い崖の底のようで

上を見上げて30m~40mは岩肌がそびえ立っているが、傍を流れる川には魚影が見えたので少しホッとする。



「何が起きたんだ……」


――自分の体を触り何か問題ないか確認をする

問題は無いようだが……

持ち物が胸に挿していた製図ペンしかない!?


「鞄とか財布とかスマホとか何も無いんだがマジか……」


 しかも製図ペンをよく見ると何か違う?

今まではアルミと樹脂で出来ていたシャープペンシルを使っていたのだが、これは黒褐色で光沢があり木製の黒檀だろうか?

それに芯には見慣れない物が使われているようだ。


 黒檀で出来た美しい製図ペンを持ってみると何か記憶が流れ込んで来る。

翼の生えた白いトカゲのようなまるでドラゴン!?

――芯にはその聖なる心臓の琴線が使われていたのである。


そして頭の中に別の何かが……


≫『魔導建築士のスキル獲得』


「えっ!?……スキル?」


 この感じアニメやラノベで見た気がするが、異世界に来てしまったと言うヤツなんだろうか...

頭に意識を集中させると、頭の中に専門学校でお世話になったPCに似たインターフェイスが浮かび上がっているが、アプリは図面を描くCADが1つあるだけだ。


「う~んよく解らないが意識を集中すれば図面が描けるって事?

……試しにこのCAD起動してみるか」


――見覚えがあるウィンドウが開かれたが少し違うようだ。


「……ヘルプがあるな!」


 『TRF-CAD』

 To Reality Fantasy Computer-Assisted Drafting。

 空想を現実にする製図システム。

 作図した物を魔導ペンに魔力を込める事で材料の高速精密切断等の加工可能。

 レベルが上がる毎に脳内メモリがアップし作図できる容量が上がっていく。

 ――プラグインを追加する事によってCADの能力拡張可能。


えっと……レベルとかRPGかよ!

人間3Dプロッターと言ったところか?

切断加工可能とか武器にもなりそうな……


 とりあえず、立方体をイメージして魔導ペンに意識を集中すると先端が光り出した。

それを崖の岩肌に向けてみると腕が勝手に動き出し、細いレーザーのような熱線で45cm四方の立方体を切りだして行く


「おぉぉぉ!

……何か某ビルドゲーム?ロードラ○ナー?のような感じだな!(笑」


切り出した岩を持ってみようとしたが


「うっ重たいな……筋力とかは特に強くなったりはしてないんだな」


≫『周囲に微弱ながら鉱物反応を感知。

  金剛石が含まれた部分がありそうです。』


「おっ?」


 岩に触った事で何か反応した。

どうも切り出して触ると鑑定的な事ができるようだ。


「金剛石って事はダイヤモンドか!?

この世界でどう言う扱いか解らないけど後で探してみよう!」


でもその前に……


「腹減ったなぁ……川の魚獲れないかなぁ……」


 頭の中のTRF-CADに意識を集中すると岩肌から長方形に切り出し、そこから銛と包丁をイメージし削りだしてみた。

なかなか良い感じに石製の銛と包丁が出来上がり、金剛石の粒が混じっているのかところどころ光っている部分もあるようだ。


「銛で魚獲った事ないが何事も挑戦!」


――川で格闘する事一時間


「獲れたどぉ!!」

……某無人島番組のように歓喜してしまった。


「やれば出来るもんだな苦戦したが、あとは魚を焼くことが出来れば……」


 小ぶりな(マス)が獲れたので、TRF-CADにあるブラシの項目を調整、フリー描画機能で魔導ペンの熱源を弱めにして、岩の包丁で鱗を落し銛で刺した鱒を炙ってみた。


「いい感じじゃないかな?

 塩とか調味料は無いしこれで我慢しよう」


――(みなと)はどのくらいぶりになるか解らないが、どうにか自分で食料を調達して食事する事ができたのだった。


「日も暮れてきたし、今日はここで野宿して明日本格的に上を目指そう」


さっき削り出した岩肌部分を新たに削り広げ、そこをベット代わりに横になってみた


「固くてちょっと痛いが我慢我慢」


◇◆◇◆


 早朝寒くて日の登る前に起きてしまったが、少しは横になれたので行動開始だ。

30m~40mある崖を岩肌に階段を造り上を目指す。

 硬い崖でも魔導ペンの火力は凄くサクサク削りだし階段を造り上げて行けるが、魔導ペンには魔力を必要とする為休憩が必要だ。

大体10段2.5m高さを進めて一時間休憩。


 4回目の休憩で10m登って来た時の事すっかり忘れていたが

――何となく一部輝いて見えなくもない金剛石の反応が強くなった!?


 休憩を挟んでから内側をエグルように30cmの立方体を切りだして行く。

動かせるギリギリの大きさだ。

20個程のブロック状になった物の中から特に強い反応を示している2つ


「普通の岩にしか見えないが魔導ペンで優しく削ってみるか」


すると中から片方は小粒な200カラット(40g)の金剛石が、もう片方からは何と3000カラット(600g)はあろうかと言う金剛石の塊が出たのである。


「宝石には詳しくないけど、これってこの世界でも凄いんじゃね!?

 これが売れればしばらく楽ができるはず……」


これからの資金になるかもしれない物なので無くさないように大事にポケットへ


「さぁ続きを頑張ろう!でも一度下に戻って飯にしたいな」


 昨夜に続いて鱒を食し午後の部再開である。

最初に比べ魔導ペンを使える時間も少しずつではあるが伸びてきた気がする。

最大魔力量も魔力回復量も増えてきたのだろう、これならギリギリ今日中に登り着れるかもしれない。


――すっかり日は落ちてしまっているが、崖の上が見えてきていた。


「もう少しで上だ!」


疲れてしまってガス欠寸前……

食欲が無くなりそうなほどに疲れだが、残りの魔力と気力でどうにか登りつけた。


◇◆◇◆


――少し手前から見えてはいたが、崖の上には森が広がっていた。

近くの木に寄り掛かって座り、へたばってしばらく息を整えていると怪しい気配を感じはじめた。


……ドドドドドドド


と言う足音と共に現れたのは猪だろうか?

よく知る猪より二回り程大きく額に角のある獣が突っ込んできた!


「グヴォォォォォォォォォ!」


咄嗟に横に跳び突撃は避けたが、自分がさっきまで寄り掛かっていた大木に角が刺さり、そのまま勢いに任せて突き倒した……


「危ねぇ……あんなのに刺されたら1発で逝くだろう……」


 少し休憩できたとは言え、魔力も気力もあまりあるとは言えない。

だが何もしなければ殺される……


 黒褐色の光沢がある黒檀でできた魔導ペンを握りしめ、回復した魔力を細く鋭く意識し収束させていく。

――先端から出た光はまるで光のワイヤーのような物へと姿を変えた。

一角猪が再度こちらを狙い突進して来るが、どうにか躱し木の陰に隠れる。


「この光のワイヤーでトラップを――」


 隠れた木に先端を巻きつけ、少し離れた横の木に走りそこに伸ばした部分を巻きつける。

木と木の間へワイヤーを張ると、自らを囮に一角猪を誘う、後ろは先程登って来た崖だ。


「ブルゥオオォォォ!」


 どうやら一角猪は怒っているらしい……

何も考えないかの如く一角猪は一直線に俺へと襲い掛かる!


 光のワイヤーと一角猪の角が衝突する


「ビキィィィィン!」


一角猪の勢いは弱まるも光のワイヤーが木に食い込んでいく。

先端ではない方の木は光のワイヤーによって切断されてしまった。


勢いの収まった一角猪が崖の淵で方向転換しようとした時――


「ウォリャァァァ!」


俺による必殺の蹴りで崖の下に叩き落としてやった!


「殺ったよな……」


崖を覗きこむと谷底でまだピクピクしてるように見える。

どうにか難は逃れたようだ。


「待てよ、今仕留めた猪が捌けれれば肉が喰えるのではないか!」


 思わず肉の事を考え食欲が漲って来た。

周囲になる薪に使えそうな木を拾い谷底へと戻って行く。


◇◆◇◆


 一角猪は良く見るとやはり大きい

体長約2mで体重200kgぐらいあるのではなかろうか……


「さてこのデカイのどうしよう……

解体なんてした事ないが、内蔵出して血抜きして、皮剥げばよいのかな?」


 金剛石の粒入り包丁と魔導ペンを並べて一角猪と対峙してみる。

魔力が心もとないのでまずは包丁を握り、下腹部をサッと切り裂き胃や腸を傷つけないように内蔵を取り出し、動脈(?)部分を切ると少し黒めな鮮血が噴き出してきた。


「血抜きを終わらせ、次は硬い皮を剥ぐ作業だが、この巨体どう手を付けた物か……」


足首にグルッと切込みを入れ四肢から腹に向かって包丁を入れて行く、そこに手を突っ込みベリベリと力いっぱい剥がすが慣れないとなかなかグロいし重労働、そして、包丁も自分もすっかり血と脂でベトベトになり独特な獣臭が染みついている。


一度川に入って落ち着いてから、魔力も回復したので魔導ペンに持ち替えレーザーメスのように解体、背中のロース、肋骨のバラ、お尻のモモとどの部位も旨そうだ!


――夢中になって忘れていたが日が射してきて朝になっていた。


 肉の大まかな切り分けが出来たところで、崖の階段を造った時の残骸で炉を組み、その上に石板をのせて火をくべ準備をする。


「相変わらず塩とか無いが……」

「少し脂を石板に馴染ました方がよいのかな、まずバラ肉を薄めにスライスして焼いてみよう。」


金剛石の粒入り包丁でバラをスライスしていき、熱せられた石板で1枚試しに焼くと少し獣臭いがお腹がすく香ばしい匂いが漂ってきた。

試しの1枚を口に運ぶと――


「あぁこれは美味いな、塩とか胡椒が無いのが残念だが美味い」


続けて肉を焼こうと乗せた時の事である――上の方で何やら音が聞こえてくる。


「そんな所で何をしてるの~ん?」


この世界に来て自分以外のはじめての理解できる言葉


「あ?朝飯に肉を焼いてるところだが?」

「やっぱこの美味しそうな匂いはお肉なのんね!」


俺が造った崖の階段を赤髪ショートの小柄な子が勢いよく降りてくる



「ボッ……ボクにもそれをわけて欲しいのん――ぎゅるるる」


 小柄だが胸はそれなりにあるようだ――ボクとは言ってるが女の子なのだろう

濃い赤に白いレースの付いたミニスカートと、黒いロングブーツの間から覗く絶対領域は何とも神聖な領域だ。

そして、漫画のようにお腹を鳴らしている


「沢山あるからそれは構わないが、お前何か塩とか持ってたりするか?」

「塩ならあるよ!ハイこれどうぞなのん」

「おお、味付けが出来なくて困ってたんだ助かるよ」

「そっそれでボクにも……ジュリュリ……」

「すぐ焼けるから少し待てっ」


そう言って、そこからは怒涛の如く肉を焼きまくった、隣にいる小柄な子はどこに入って行くのかと思うほど食べて行く。

もちろん俺も徹夜で肉の解体をしてただけあって喰いまくりだ。


「ふぅ大分お腹もいっぱいになったな」

「ありがとう、ボクも三日ぶりの食事で助かったのん」


「ところでお前誰だ?」


「紹介が遅くなったのん、ボクの名前はアーチェ・ブロン。アーチェって呼んで欲しいのん」

「……でアーチェは何をしてたんだ?」

「ボクはオフィールって街まで行くところだったんだけど、気が付いたらちょっとだけ森の中でグルグルしちゃって……」


どうやら森で迷子だったらしい、ボクっ子で迷子属性か


「あなたは――?」


「俺の紹介もまだだったな、俺は一ノ瀬湊(いちのせみなと)。ミナトと呼んでくれ、」

「俺は気が付いたらこの谷底に居てな、それまでの記憶が無いんだ……」


「そうなのんね、ある意味似た者同士?……でも崖の階段を造ったのはミナト?」

「ああ俺だ、いろいろ作るのが得意らしいんだ。」

「へぇそうなのんね!ここの岩は、ボクの魔導書の攻撃魔法でもなかなか破壊できないくらい、とても硬いはすなのに凄いのん――」


「……魔導書?」


「ボクは生活魔法とかを使う魔導書を作ってるのん!魔導書士って呼ばれてるのん」

「ほほぉ頭良さそうだな――迷子だけど」

「迷子は余計なのん……本当の事だけど」


「まぁ迷子は置いて置いて、オフィールって街までの地図とか持ってるのか?」

「あるのん!」


そう言うと、アーチェは魔導書に手を突っ込んでゴソゴソしている――


「これなのん!」

「ふむふむ、俺も行くところ無いしオフィールまで一緒に行っていいか?」

「いいのん!むしろ助かるのん!」



こうしてミナトとアーチェはオフィールの街まで一緒に向かう事になったのである。

ミナト:一ノ瀬湊(いちのせみなと)

20歳 / 身長175cm / 体重65kg

主人公 / 魔導建築士。

口調は丁寧 / 一人称は「俺」

濃紺眼 / 黒髪 / 前下がりショートボブで前髪左は顎まで、右が左より少し長い

[服装]デニムパンツ、作業着、革のブーツ

現世では軽めなオタク / 建築系専門学校生 / レストランのホールでバイト



アーチェ・ブロン

16歳 / 身長152cm / 体重42kg

ヒロイン(?) / 魔導書士

「~なのん」 / 一人称は「ボク」

紅眼 / 赤髪 / ショートカット・ミナトよりは長めの外ハネボブ / 胸はそれなりにある

[服装]濃い赤に白いレースの付いたミニスカート、魔導士の赤いコート、黒いロングブーツ


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