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魔族の戦い方

殺す決心はついたでも、どうすればいいのか……

殺しなんてめったに見るもんじゃないしなぁ。

チラッとエナの方を見てみる。

あぁ、すごく睨んでる。とりあえず、どうしたらいいか聞いてみるとかそんなことしたら殴られる気がする。

というか、絶対殴るぞあいつ。

と思っていたら、意外にもエマの方から声をかけてきた。

「仕方がありません。初めてのお手本ということで大目に見ましょう」

「そうしてくれるとありがたい。次から頑張るよ」

「そうですね。向上心があるのはいいことです。まずは敵の数を確認します……5人ですね」

「いやいや待て待て」

少し天井を眺めて何が分かった?足音か?声の数か?

まず、そこで意味が分かんねぇよ。

「あれ?見えませんか?うーん馴染んでいないのか?それか適合しなかったか?」

「いや、何言ってんだ?」

「あぁ、そもそも体に魔力を流せていないないのですね」

「どういうことだ?」

「講義をしてあげたいところですが……お客様が来れられたようです」

地下室につながったている蓋が蹴飛ばされる。

「客にしてはマナーがなってないけどな」

「別にかまいませんよ。しっかりもてなしてあげますから、代金は高くつきますがね」

とは言っても私殴る蹴るは得意じゃないんですけどね、とニコリと笑っているが。

絶対にそんなことない、殺す気満々じゃねぇか。非戦闘員はそんな目で人間のこと見ねぇよ。

「お前は悪魔召喚の疑いが持たれおり、そして、

召喚した証拠がそこに立っている。よって、おとなしく連行されるか略式の処刑にかかるか。

好きなほうを選べ」

銃を構えトリガーをいつでも引ける態勢になっており、すぐにでも殺されてしまいそうだ。

「おや、今の人間は中々いいものを支給されているのですね。ライフルですか。いいですね私好みですよ。しかし……」

バンッ!!と銃声が地下室に響き渡った後パラパラと天井にあけられた穴から粉が降って来る。

「魔族は口を開くな!手を後ろに組め!口は一切開くな!次口を開いたら魔界じゃなく地獄に突き返してやる」

「いやだかっ――パァンッ――せっかちですか」

エマには一切怪我はなく。全く関係ないところに弾がぶつかる。

「イタさん。これが魔法障壁という概念ですね。まぁ、魔力を通したものに対しほとんど無力ですけど、ただの鉛玉くらいなら問題ないですね。壁にぶつかったかのように跳ね返るんで」

イタさんて俺か、慣れないとな。でも、魔法障壁ってすごいな。普通に俺なら死んでたな。

「ば、馬鹿な!!」

「馬鹿はあなたでしょう。魔力弾を横流しし、肝心な時にないだなんてよっぽどその鉛玉に頼っていたようですね。

いや、それで十分だったんですね。訓練しないと使えませんし」

「うっ、撃てぇぇぇぇぇぇぇ」

「はぁ、税金の無駄ですね。私には関係ないですが。あ、さっき言ってた身体に魔力を通すことを覚えてもらいましょぅか」

「え、あ、この状況でか?」

急に話を振られてどもる。エマの前には数発の銃弾が撃たれこまれ続けている。響き渡る銃声で耳がいかれそうだ。

「えぇ、よく聞いていなさい。3回までなら同じことを聞いていいですよ」

一応聞こえるように声を張り上げてくれてはいるが聞こえにくいのことは間違いない。

「まずは、魔力を動かす練習ですね。一応魔法は使えるみたいですが、どこまでできますか?」

「やったことないけど、人並みには出来ると思う」

あまり魔力を動かすというのは、やる機会がほぼない。そもそも魔法というのは魔法陣さえ描いておけば発動したら後は自動処理してくれる。

第一魔法陣自体自動で魔力を使用してもらうために書くのだ。自分で動かす時なんて魔道陣書き間違えて暴走したとき無理やりコントロールする程度だろうから、練習自体したことがない。

「じゃあ、何もできないということですね。一から教えましょう」

「だから、人並みにはできるって……」

「人並みでは意味がないのです。まぁ、見ててください魔力を通さない場合と通した場合を」

衛兵に向かってずかずかと歩き出していく。それも、やはり銃弾をモノともせずに。

「うっ、うわぁぁぁぁ」

銃で撃つのを止め、銃振りかぶり鈍器のようにエマに叩きつけようとする。が、それも障壁によって阻まれる。エマの顔の前で見えない壁に遮られたかのように跳ね返される

跳ね返された勢いで無防備になった男に対して

「はぁぁぁぁぁぁっ」

パシンッ。

乾いた音が木霊している。ドスンとしりもちをつく音は少し間抜けにも感じたが。正直そんな凄い攻撃には見えなかった。

しいて言うなら、癇癪持ちの彼女になぜかわからないがとりあえず平手打ちを食らい呆然と何が起こったかわからない彼氏の二人を見てるようだった。

むしろ少し殴ったほうのエマのほうが痛そうにしている。

「平手打ちでも少し痛いものですね……もう二度とすることはないと思いますけど……大事なのは次です」

次の相手に目をつけたと思うと――男のもとに一瞬で詰め寄り注射を打ち込んでいる。

(って……っみえねぇ……て見とけよって言うけど見えるかよ。魔力操作自体ほとんど初めてでそんなことできるか!)

この心の声も筒抜けなんだろうなと思いながらも、悪態を心の中でつく

「ん、どうですか?できそうですか?」

「無理。せめてゆっくりやってくれ」

「いや、それこそ無理を言いますね。加減するのって難しいんですよ。まぁ、せめて、魔力の流れを感じて動かせる位にはなって下さい」

体を駆け巡る魔力を操作するのは、体の中心部にある魔力庫から流れる魔力の流れを自分で動かすことと等しい。

「今すぐ出来るようになる必要はありませんが出来るだけ早く身に着けて下さい」

最後の一人が注射を打たれ床に伏せる。

「もう、終わりかよ……」

「注射一本で死ねるなんてほんと脆い命ですね」

「そりゃ刺される物によっちゃ死ぬだろ。で、その注射の中身何?」

「これはただの毒です。即効性があり、大量生産できるので便利ですから」

うへぇ、俺身体に毒打たれてたのか……てか、やっぱり死んでたのか。

「いや、貴方には別に私の魔力を打ち込んだだけですよ。液化させた魔力を打ち込むと身体の中で競合を起こして熱を持ちいずれ死に至りますからね。毒のようなものです」

魔力にはそういう性質があることは聞いたことがある。が、しかし。

「なんで、魔力なんだ?それこそ生産性も悪いし何より即効性がない」

「そんなの、あなたに魔力の耐性を付けてもらうためですよ」

「??いや、それよりやっぱり死んだんだよな?なんでいま生きているんだ?」

「それこそ馬鹿な質問ですね。死んで生きているなら生き返ったに決まっているでしょう」

と言いながら。一本の金色光る液体の入った試験管を見せる。

「人工的エリクサーです。まだ、未完成の薬品ですが、死後10分程度で肉体がきれいに残っているなら問題ありません」

言葉が出ない……エリクサーなんて完全に過去の遺物じゃないか。それこそ、売れば城が建つぞ。

「本物を知らない世代ですものね。こんな未完成品(出来損ない)大したものでもないですよ」

まるで自分は知ってるみたいな言い方だなと言いそうだったが、実際知ってもおかしくないのか。

「さぁ、どうでしょうね?……それでは、私は食事に入りますのでこの家を出る準備でもしといてください」

エマは死体の身体から見えない何かを取りだしそれを自分の何かにしていく。それは、見えないが圧倒的な存在感を感じる何かで消えた瞬間空気が変わるそんな物だった。

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