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「はい、これで登録は完了です。冒険者の説明は受けられますか?」



 突然の出来事にプレートをまじまじと見ていると、受付嬢が何かを話している。



「ユウヤさんどうしますか?冒険者の説明は聞かれますか?」



 冒険者の説明?

 そうか説明を聞くか聞いていたのか。



「聞いておこう。知らなくて後で困ることがあるかもしれない」


「説明は直ぐに済みますのでこのまま説明しますね」


「先ず冒険者にはランクがあります。

 基本となるランクはSランクが最高で、その下にはAランクからGランクまであります。

 最低がGランクになり、冒険者に登録後は全員Gランクから登録されます。

 その他にもSSランク、SSSランクがありますが、これは多大な功績を残した冒険者に与えられる称号のようなものです。

 なろうと思ってなれるものではありません。最高はSランクと思ってください。」


「次に依頼です。

 受けられる依頼は自分のランクの1つ上までになります。

 依頼を受ける際には保証金として、依頼報酬の2割を受付で支払ってもらいます。

 もし、依頼に失敗した場合には支払った保証金は戻ってきません。

 依頼を成功すると、依頼報酬と事前に支払った保証金が支払われます。」


「ここまではよろしいですか?」



 依頼は何でも受けられないのか。

 俺はいまGランクだから、受けられる依頼はFランクとGランクだけ。

 依頼を受ける際に保証金として2割支払うのは、依頼を失敗した時のためか。

 違約金みたいなものなんだろうな。



「ああ、続けてくれ」


「では次ですが、冒険者はチームを組むことが出来ます。

 チームで依頼を受けることでチームメンバー全員に依頼の成否が反映されます。

 また、自分のランク以上の依頼を30回成功させるとランクが上がります。

 逆に依頼を5回失敗しますとランクが下がりますのでご注意ください。

 そして、ここからが重要です。

 ランクD以下の冒険者は毎月1回必ず依頼を受ける必要があります。

 これは義務ですので依頼を受けなければ罰則としてランクが下がります。

 Gランクの方が依頼を受けなければ、やる気がないとみなされ冒険者の資格を失うことになります。

 貴方たちは冒険者になったばかりです。

 今月は依頼を受けなくても冒険者の資格を失いません。

 ですが、来月からは依頼を受けなければ資格を失うことになります」


「冒険者の説明は以上です。質問がなければ先ほど渡したプレートについて説明します」



 なるほど、ランクを上げるのは大変そうだな……

 あと毎月1回は依頼を受けなければいけないのか。

 でも、依頼は失敗してもいいんだよな?



「質問だが毎月1回依頼を受けるだけで罰則はないんだな。

 つまり、依頼を受けて失敗しても、月1回の義務を果たしているわけだから罰則はないわけだ?」


「そうですね……わざと依頼を失敗するのは感心しませんが、依頼さえ受けていれば罰則はありません」


「分かった、他に質問はない」



 受付嬢は頷くと先ほどのプレートを出すように促した。



「では次に先ほど渡したプレートの説明を行います。

 これは冒険者の認識票になります。

 触れて魔力を込めることで今の自分のランクや能力が表示されます」



 優也は眉を顰めた。

 昨日この世界に来たばかり、魔力を込めるなどやったこともないからだ。



「魔力を込めるだと?」


「魔力を込めるといっても、僅かな魔力にも反応しますので、手で持って集中するだけでいいはずです。

 これは、登録者の魔力にしか反応しませんのでご注意ください」



 言われるまま手で持つと、持ったプレートに集中する。

 すると文字が浮かび上がってきた。




 ランクG

 種族 人間

 名前 ユウヤ・スメラギ

 年齢 22歳


 Lv  1

 HP 21

 MP  7

 攻撃 13

 防御 10

 魔力  2

 抗魔  6

 敏捷 11

 耐性 14





 おお、まるでゲームだ。

 名前はカタカナで表記されるのか。

 何でこれだけ日本語で表記されているんだ?

 漢字も使われているし……

 でも、俺ってレベル1なんだな……

 しかも魔力2って絶望的じゃないか?

 もしかして俺は弱いのか?



「浮かび上がったようですね。それが今のあなたの強さです。

 もし、スキルや魔法を覚えていれば、そちらも同時に表示されます」



 スキルなし、魔法なしか……

 まぁ異世界に来たばかりだし仕方ないか。



「では認識票を見せていただけますか?

 一緒に見ながら説明した方が分かり易いと思いますので」



 そう言って認識票を覗き込むと、受付嬢は苦笑いをした。

 シエラが慰めるように背中を摩る。



 どうやら数値が低いらしい………



「それでは説明を始めます。

 認識票に現れた数字はステータスと呼ばれていて自分の強さを現します。」


「一番上が冒険者ランクです。次に登録者の名前と種族になります。

 Lvとはレベルと言います。これが高ければ高いほど全体の能力が上がります。自分の強さの基本ですので忘れないでください」


「HPとは自分の残りの生命力のことです。これが0になると死んでしまいます。当然ですが攻撃を受けたり、怪我をすると減少します」


「MPとは自分の残りの精神力のことです。これが0になると気を失います。また、魔法を使う時に必要になります」


「攻撃は攻撃力です。主に武器を装備することで上昇します」


「防御は防御力です。主に防具を装備することで上昇します」


「魔力は魔法の威力に直結します。主に武器や装飾品の魔道具マジックアイテムを装備することで上昇します」


「抗魔は魔法に対する抵抗力です。主に防具や装飾品の魔道具マジックアイテムを装備することで上昇します」


「敏捷は素早さです。主にブーツを装備することで上昇します」


「耐性は状態異常に対する抵抗力です。主に装飾品の魔道具マジックアイテムを装備することで上昇します」


「これで全ての説明が終わりました。何か質問はありますか?」



 これを考えた奴は絶対に異世界人だろ……

 まんま、ゲームじゃないか。



「もしかして、これを考えたのは異世界人じゃないのか?」


「よく知っていますね。その通りです」



 だから日本語が使われているのか。

 どこの誰かは知らないが良くやった。

 これこそ異世界だ。



「ありがとう。今日はもう帰るよ」


「またのお越しをお待ちしております」



 ユウヤはシエラを引き連れ意気揚々と冒険者ギルドを後にした。

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