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Navy Fate  作者: 時間旅行
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セルカディアの由来

「教会の支給服に着替えて。いつまでもそんな格好じゃいられないでしょう?」


教会に帰ってくるなり、僕はそう、クリスに切り出された


逃げてきたままの服は、洗濯はしてもらったものの、やはりボロボロで、これ以上着続けるわけにはいかなかった


「それに、着替えた方が街に出かける時も軍の人間に怪しまれずに済むでしょう?」


たしかに、最初から教会の人間だと知られれば、疑われる余地も無くなる


とにかく、今の僕はこの教会とクリスに頼らなければ生きていけない


来た街がサンダリアで、出会ったのがクリスで本当によかったと感謝している


与えられた教会の支給服は純白に青のラインに幾何学模様があしらわれたローブだった


少し動きづらいけれど、ボロボロの服を着続けるよりも遥かにマシだった



************************



「え、ここで働く?」


僕の申し出に、クリスは驚きの表情を見せた


「助けてもらって恩返しがしたいし、教会の服を着て、なにもしないのも変かなって」


それに、クリスにもすべき仕事はあるだろうに、いつまでも僕に付き合わせるのは申し訳ない


「だけど、まだ身体も万全ではないでしょう?無理しなくていいのよ?」


「無理はしていないよ。僕は大丈夫だから」



それなら…と僕は大聖堂の床掃除を頼まれた


私は外で畑仕事の手伝いをしてくるから…とクリスは僕にモップと水の入ったバケツを渡して出て行った


大聖堂にある明かりは一番奥の聖壇の左右に掲げられた松明のみで、昼間はステンドグラスから入り込む日差しに照らされている


立派なステンドグラスと、聖女・セルカディアの立派な像がこの教会の自慢だとクリスに教えられた


セルカディアは、神ではない


無償で人々の治療をし、無償で畑で作った作物を街の人に配り、慈善の限りを尽くした実在した女性である


この教会でもセルカディアが実践したことを今でも実践している


だから街の人は教会を信じ、反乱など起こさないのだと僕は知った


少しひんやりした大聖堂の中をゆっくりと、水拭きしながら

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