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Navy Fate  作者: 時間旅行
16/24

出逢い

「出ろ」


牢屋の前に来たオルウェイ兵にそう言われ、僕らは牢屋から出された


幽閉されてから何日も過ぎたように思えたし、一時間も過ぎていない様にも思えた


「あの、僕たちはどこに連れていかれるんですか?」


恐る恐る僕はその兵士に質問をしてみた


よく見るとその兵士は教会にやってきた若い兵士だった


「貴様に質問を許した覚えはないがな」


「す、すみません…」


僕と話すその兵士の姿にランシアは驚き、確認するように恐る恐る尋ねた


「おい、お前…もしかして、ルイか?」


「ルイ?…ああ、お前、ランシアか」


ランシアの驚きに反応し、ルイはそう答えた



「ランシア、この人のこと知っているの?」


僕はきょとんとしながらランシアに問う


「ああ、こいつは俺と同じ学校に通ってたんだけど、成績の良さと剣術の強さが見込まれて、王都の軍学

校へ抜擢されたんだ」



でもまさか本当に兵士になっているとはな、とランシアが最後に付け加えたのを、ルイは鼻で笑って見せた



「ふん、僕はお前のように授業から逃げ、学校から逃げ、世間から逃げたわけじゃないからな」


その挑発に、まだ心が幼いランシアはカッとなってルイの胸元を掴んだ


「てめえ、なに言ってんだ、ああ?」


クリスと僕がそんなランシアをすぐに食い止める


「止めなよランシア!ここでそんなことしたら…」


二人の間に割り込み、ランシアを制止する


ちっとランシアは舌打ちをしてルイから離れた


「まったく、俺たちが必要としているのはティルキスの子息だけだと言うのに、余計なのが二つもついてきたな」


よほど、不満があるのか、ルイと呼ばれた男は愚痴をこぼし続けている


ランシアはともかく、クリスに対して「余計なの」はひどいと思う


人質にして連れてきたのだから、そんな言い方はないと、僕は内心思っていた


しかし、当のクリスは先程から黙ったままだ


僕が目配せしても、口を開く様子はなく、ただじっと立っている


そして、そのうち僕らは連行されていく


何人もの兵に、まるで重罪人かの如く囲まれて、見知らぬ場所へと連れていかれるのであった

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