表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Navy Fate  作者: 時間旅行
13/24

開拓村

「ここがノウゼンだ」


ランシアに連れて来られた場所は、まさに山を切り開いて作られた街だった


まだ開拓途中の部分もあり、馬車や人々が激しく往来し、何人かの人は手に工具を持ち、新たな物件を建造する


「俺も来るの初めてだけどよ、なんか栄えそうな感じがするだろ?」


そう言ってランシアは二カッと笑った


「うん、すごいね。こんな街、見たことないや」


僕は目を輝かせ、開拓されてゆく街並みに目を配った


生まれた時からオルウェイの街は変わらなかった


だから街が変わる様子を見ることに僕の胸は高鳴る


「ねえねえ、ランシア!あそこに面白そうな店があるよ!」


僕は、無意識のうちに幼い部分を露呈してしまい、ランシアをまるで友達か兄のように、腕を引き、つれてゆく


「おう、ボウズ!ゆっくり見てけよ!」


僕はノウゼン周辺でしか採れない鉱石や樹木を使った工芸品の店に入った


「たくさん稼がなきゃならないからな!」


店の主人は、冗談交じりに本音も漏らした


「あ、これすごいよ!ランシア!…ランシア?」


とても珍しい鉱石の置物を見つけ、ランシアに声をかけるも返事がなく、恐る恐る何をしているのかを覗き込んだ


「ランシア…」


彼は壁に掛けられ、飾られている槍をじっと眺めていた


僕の声に気づいていないみたいなので、店の主人に槍のことを聞いてみた


「あの槍って、特別なものなんですか?」


「ああ、あれは売り物にはしていないんだけどね、この辺りで昔起きた戦争で英雄と呼ばれた男の槍でさ、最近山の開拓と共に見つかったんだ」


その解説を聞き、もう一度ランシアを見つめた


あまりにも見入っている


まるでそこには自分しかいないかのように…



「ランシア!そろそろ行こうよ」


仕方ないけれど、少し声を荒げて彼を呼び止めた


「あ、ああ、悪ぃ…」


まだ少しぼうっとしているみたいだった


「ランシア疲れた?僕も疲れたから、そろそろ宿に行こうか?」


「あ、ああ」


これからのことも考えなければいけない…


この街でどうするのか、いつになったらオルウェイへ戻るのか


クリスの安否も気になる


ぼうっとしているランシアの横で、僕は一人考えに耽る


だけど、そんなことを考える必要もないくらい、事態はすぐそばまでやってきていた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ