1/24
苦痛の目覚め
身体の軋む音がした
酷く、痛くて、その痛みの酷さは吐き気を催すほどだ
しかもその上、揺れていると来た
一体何が起きたのか全然覚えていない
いや、薄れゆく意識の中、僕は少しずつわかってきていることがある
ここは、船の上の倉庫の中
街が炎に包まれ、逃げるようにして船に乗り込んだんだった
でも、どうして街は炎に包まれたんだっけ?
そうだ、今の王政に不服を漏らした反乱軍が昨夜から謀反を起こしたんだった
それで、僕は…母さんと父さんがこの船に逃がしてくれて命からがら助かったんだった
父さん、母さん、無事かな…
そんな心配も束の間、反乱軍か、王国の軍かもわからない人々につけられた体中の傷が疼く
綺麗に仕立てられていたシルクの服も血と泥でに塗れ、何色かわからないくらいに変色している
とにかく、この船が、どこか別の国に無事につきますように
そんな儚い願いだけが、僕を包み込むのだった