短詩〔灯火の花〕〔空花火〕
〔灯火の花〕
火として
ただただ燃え続け
風に消えるを
待つ定め
花として
ただただ日を浴び
風に散るを
待つ定め
定めであって
逃げられず
思いを持って
耐えるだけ
不意に雨を浴び
似た二つは異なった
火は消え失せて
花は生き延びた
無情無情
盛者必衰の
その中で
消えぬ我らの
灯火の花
〔空花火〕
あの空にどれほど憧れただろう
あの雲にどれほど憧れただろう
青く青く澄み渡る空と
大きな大きな白い雲よ
自由にどれほど夢を見ただろう
希望にどれほど夢を見ただろう
縛りなきおおらかな自由
止めどなきはるかな希望
あの空浮かぶは空花火
散った散ったその命
飛んだ飛んだその翼
鉄の音が響きゆく
忘れてはいけない
空花火は花火のように
命を燃やし夢を乗せ
そうして輝かしく散った
遥か彼方の空
どこか遠くの場所
空花火は美しく
輝いていた