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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第2章

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不穏な冒険者

「レクトさんからお手紙が来ています」


私達はレクトさんからの手紙の確認のため冒険者ギルドをたまに訪れている。早速、手紙を開封するとリトリアでの仕事が片付き、ライトネルに六日後ぐらいに到着するそうだ。一緒にご飯のお誘いが書かれていたのでレクトさんに返信の手紙を書きギルドで送付した。


レクトさん達が来るまで依頼をこなしていこうという事になり冒険者ギルドの掲示板を確認。見てみると海関連の依頼が多い。


「俺、魔法が水に弱いからさ海は苦手だな」


なるべく海関連でないものを探す。


「これなんてどうですか?」


“ランゴーの実を食い荒らすタピバラの捕獲。手伝ってくださった方は報酬とは別にランゴーの手土産付き。“


タピバラは小型犬ぐらいの大きさの可愛いネズミの魔物。夜な夜な山から下りてきてランゴーを食い荒らすとか。


「前、ポーリーさんに貰ったあの美味しい果物か。何で捕獲なんだ?」


「タピバラはペットとして人気なのできっと捕獲して売るんじゃないですか ?」


私達は依頼書をギルドで受理してもらい明日行くことにした 。


ーーーーーーー

ーーーーー

ーーーー


「遅い時間に来てもらってありがとう。オラはランゴー農園をやっとるプルスじゃ。タピバラはオラたちが就寝している間に農園を荒らすんじゃ。タピバラは捕獲してペットとして売るからなるべく傷つけないように」


私達以外にも冒険者が五組いた。プルスさんの後にそっとついていくと農園にたくさんのタピバラがいた。


「網とか用意しておるから、あとはみなさんでお願いします 」


他の冒険者は網を持ってタピバラを追いかける。


「開けた場所に少しの間、土の壁で箱状のものを作っても大丈夫ですか?」


「ん?別に構わんけど」


土の壁を四方に作り箱状にする。そして土の手で次々とタピバラを土の箱にどんどん入れていく。他の冒険者はリンドさんの活躍に呆気に取られていた。リンドさんの魔力探知でタピバラを探す。


「何匹かのタピバラが山に登っちまったな。ミーナ、ここを登ってすぐの所って何か施設でもある?結構な人数がいるが」


「私はここは詳しくないので分からないです」


プルスさんに聞くと、ここ最近大きな建物が出来て何の建物か分からないらしい。リンドさんの活躍で依頼はだいぶ早く終わった。


「リンドさんすごいな。ほぼ一人でこなしたもんだ」


他の冒険者の出番があまりなく苦笑いをしていた。


「早く終わったことだし、オラんちで飲んだりしていかんかね?」


プルスさんの家に行くと広めのリビングに通されプルスさんと奥様がランゴーのお酒やジュース、そしてチーズやランコー、お肉の燻製など軽食やおつまみが用意されていた。私達は早速ランゴーのジュースをいただく。


「これは甘くて濃厚。うまいな」


おかわり自由だったのでおつまみをつまみながら他の冒険者達と会話。クウもランゴーをお気に召したらしくパクパク食べていた。


「そこのねずみの方、すごい活躍でしたね」


とある冒険者パーティーが話しかけてきた。


「僕達は氷のブレスっていうパーティーで活動しています」


四人組のC級冒険者パーティーで、王国全土ではあまり流通していないランゴーのお土産目当てで依頼を受けたとか。話は依頼の話になり、氷のブレスは海の依頼をよく受けているそうだ。海上では陸よりリスクが高いので報酬が高いだとか。前、大魔イカと戦って船全体に墨をかけられうまくいかなかったことなど聞かせてもらった。


夜も更け、周りの冒険者がお酒で出来上がっている人が多かった。私達はランゴーの手土産と依頼書にサインをもらいプルスさんの家を出る。報酬は人数が多いため、後日振り込むそうだ。


「ランゴーのお酒を少し口にしたけど、まるでジュースみたいに甘くて濃厚でとっても美味しかったよ。あれなら何杯でもいけそうだったよ」


ランゴーのお酒はラップルの特産品で人気が高いらしい。手土産にランゴーを五個もらったので食後のデザートにでも食べよう。私達は帰路についた。


翌日、冒険者ギルドにサインを貰ったの依頼書を提出する。ギルドから出ようとすると昨日タピバラの捕獲で出会った氷のブレスの女の子が深刻そうな顔でギルドのソファに座っている。


「こんばんは。今日は一人で?」


「はい。昨日からみんな変で…」


長い話になりそうだったので、場所を変えてカフェに行く。コーヒーを注文し女の子の話の続きを聞く。


「すみません。お時間を取っていただいて。私はマルンと申します。氷のブレスで魔法使いをしています」


マルンさんの話によると昨日私達が帰った後、ランゴーのお酒で他のメンバーが酔いつぶれたそうだ。プルスさんと奥さんと他の冒険者で酔いつぶれたメンバーを介抱してもらいマルンさんは別室に案内されたそうだ。翌朝起きると他のメンバーの目が虚ろで覇気がない。マルンさんは困って他の冒険者に相談したそうだが解決に至らず困っているそうだ。


「もしかしたらそれは教会案件かもな」


「教会?」


私とマリンさんは意外な回答に驚いた。


「目が虚ろで覇気がなく、そっけない感じだったら誰かに操られている可能性がある。例えば魔術や魔法で」


リンドさんの見解だと酔って寝ている間に何者かがかけた可能性があるとか。教会はもう夜で閉まっているので、私達は氷のブレスのメンバーが泊まっている宿に行くことにした。


“コンコン“


「マルンです。昨日会ったリンドさんとミーナさんとお会いしたのでよかったらお話しをしませんか?」


返事がない。強引にマルンさんが中を開けるとぼーっと覇気のない三人が何もない方向を見て座っていた。昨日とはまるで別人だ。


「俺らさぁ、他の人と話す気分じゃないから帰って」


目の虚ろな男の一人がこちらを向き嫌な顔をする。私達は言われるがまま部屋を出た。


「昨日とはまるで別人だな。操られている可能性はある。何をするか分からないからあまり接触はしない方がいい」


私達はマリーさんと別れ宿に戻った。


「魔術といえばエメレンドさんですか?」


「エメからよく聞かされたよ。魔術を打ち消すには、刻み込まれた魔法陣を消すか光魔法で打ち消すとな」


「光魔法って珍しいですよね?」


「そうだな。使える人がいるのは王族か教会関係者だな。光魔法を持っているだけで、すぐ教会の幹部になれるぞ」


そして夜が明けた。

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