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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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敵のアジト襲撃②

「リンドさん、いったいどこに…」


リンドさんがいないとこの戦いは圧倒的に不利になる。他の仲間をチラッと見るが、ラップルから応援はまだ来てなさそう。


「もしかしたら逃げたとか?だったら足の速いねずみだよね〜」敵二人は高笑いをする。


「まぁ、俺達からしたらラッキーじゃん。この二人ならなんとか倒せるぜ」



ゴゴゴゴゴ… 


また謎の地鳴りがする。


「まただわ。なんなの」敵味方共に予測不能の出来事に戸惑う。


「まぁ、不気味だしさっさと片付けてここから離れよう。ウィン…」


ガガガガガガドーーーーーーン


「キャーーーーーーー!!」


敵の出方を見ながら身構える。すると突然、敵が立っている地面に大きな穴が空きニ人とも悲鳴と共に大きな穴に落ちていった。


「ウィンド、ウィンド、ウィンド」


男が風魔法を連発する声が聞こえたが姿は見えない。理解出来ない状況に戸惑いながらマキシルさんと一緒に穴を覗く。大きな穴の中に土の手に捕らわれた敵二人とリンドさんがいた。リンドさんは俺がやったと言わんばかりに、こちらに大きく手を振っていた。


「リンドさんがこの穴を?」


「おう!」


会話中、敵は魔法を使って抜け出そうとしたが土の手にあえなく御用となった。


「マキシルさん、捕縛してください」


土の手で敵を穴から持ち上げマキシルさんの前に置く。マキシルさんは魔道具のロープで敵をぐるぐる巻きにして捕縛した。辺りは黒い霧も針も消え外の敵はいなくなった。


「リンドさん、あんなすごい魔法を使えるんですね。さっきいなくなったのって、土の中に隠れていたのですか?」


「まあな。仲間内でも大勢だとあんまり手の内を明かしたくなかったけど。あの女の魔法を防ぐのが面倒臭くなっちゃってさ」


リンドさん、恐るべし。まだまだ余力がありそうだな。


洞窟内は眠りの弾の効果がまだあるか分からないため、眠り耐性のある私とリンドさんで中に入る。外では周りに待機していた仲間を呼び厳戒態勢を敷く。


洞窟の中は多くの敵の仲間と思われる者や他に捕獲された魔物などが全員眠っていた。洞窟の奥には攫われたであろう子供達が檻の中で眠っていた。


「もしかしてこれってサーマンの…」


リンドさんと顔を見合わせた。これは思っていたよりも事態が大きくなった。外に出てマキシルさんに伝える。


「おい!マジかよ。騎士団、誘拐された子供達が洞窟内にいるそうだ。今から急いでラップルに行って報告とテントや毛布、食料を持って来てくれ」


マキシルさんが叫ぶと騎士団員は急いでラップルに向かった。


私達はマキシルさんの魔道具を借りてまずは犯人と思われる者達を捕縛していく。寝ている相手を捕縛するのは結構難しい。リンドさんの土の手の魔法を借りながらなんとか終えた。 外に出るとアジト突入前に呼んだラップルからの応援が到着しており、周りに人が増えていた。


マキシルさんの元に行くと赤色ライトを立てている。


「これはラップルで抱えるには大きすぎる。今サーマンにも応援を出しているよ」


私とリンドさんはとりあえず子供達を洞窟の外に出す。 三十人ぐらいの子供達をそれぞれ抱き抱えて外に出した。みんな見る限り眠っているだけで怪我や餓えとかはなさそう。洞窟の中の魔物も健康状態は良さそうだ。私達は応援を待つことにした。洞窟の中での眠り弾は風魔法が使える人を呼び換気するそうだ。通常の魔法なら時間が経てば大丈夫だが、マジカル弾は未知数なので念の為にとのこと。


気づけばもう日の出前。マキシルさんにリンドさんが日光がダメなことを伝え、リンドさんは洞窟の奥で仮眠を取ることに。


今、ラップルからテントなどの物資や食料が運ばれて来た。子供達用と交代で仮眠がとれるように大人用もテントを設置されている。私は回復魔法の使いすぎでしんどい状態だ。 出来るなら今すぐ眠りたい。


「ミーナさん、よかったらテントで休まれませんか?」


私は騎士団員のお言葉に甘えてテントで仮眠をとろうとした瞬間


「おい!それ魔物じゃないぞ」


マキシルさんの叫び声が聞こえた。振り向くと二人の騎士団員が頭を下げていた。


「ミーナさん、すみません。さっき来た新人の騎士団員がリンドさんを新種の魔物と勘違いをして魔物を入れる檻に入れそうになったんですよ」


確かにリンドさんを知らない人が頭部だけを見れば納得できる。想像するとうっ…っぐぐ笑いが込み上げてきそう。ヤバい…我慢だ。リンドさんを見ると疲れ切って爆睡している。


「っぐ…未遂なので大丈夫ですよ」


このことは無かった事になった。なんとか笑いをこらえ対応出来た。急に一人で笑い出すとか変な人だと思われそう。リンドさんが知ると怒りそうなのでこのことは内緒にしておく事にした。

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