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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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密猟者かもしれない

しばらく進むと遠くの方で小さな町が見えてきた。


「あれがラップルか。もうすぐだな」


町に着き、門番の人はリンドさんのねずみの被り物を見るなり驚いていた。私達は道中、男の人達が倒れていたことを話す。門番は慌てて騎士団のところへ呼びに行った。しばらくすると騎士団がやってきた。


「私の名前はタンダ・ケロリーだ。ラップルの騎士団団長だ。君達、今から案内してもらえるかね?」


ケロリーさんを含めた三人の騎士団員と一緒に来た道を引き返し案内した。


「これは密漁者がハッコンに銃を撃って逆に討たれた感じかな?ハッコンは滅多に人に近づくような魔物じゃないし。もしかしてその抱いているハッコンって…」


「そのハッコンの子供です」


「なんと密猟者は非道なことを…」


ケロリーさんは眉間に皺を寄せた。


「このハッコンは私達で引き取っても大丈夫ですか?」


「そういう事情なら大丈夫だ。ハッコンの毛皮は手触りの良さから高級服の毛皮などに使われ商品としての価値が高い」


商品価値の高い魔物や希少な魔物の営利目的での狩りは絶滅したりしないよう王国が管理しているそうだ。厳しい条件で認定された業者のみで、狩りに行く時は書類の提出が必須。今日は業者が来る予定はなく男達は密漁の可能性が高いそうだ。ここ最近、珍しい素材を持つ魔物を討伐したり捕獲する密猟者が多くラップルでは頭が痛いそうだ。騎士団に調査をお願いし、私達はラップルに再び向かった。


町に戻ると日の出前になっていた。町に入るとこじんまりとした建物が少しある程度。日の出前であまり外に人はいなかった。歩いて行くと明かりのついた少し大きな建物があり、近づくとそこは宿だった。


「すみません。宿泊をお願いしたいのですが」


奥から女性の店員さんが出てきた。


「うちは空いてるから泊まって行って。朝ご飯は間に合わないからなしで大丈夫?」


リンドさんとは別々の部屋を取り、私はクウと一緒に部屋に入った。クウを見ると足が泥まみれだった。この宿はお風呂がなく宿でお湯を貰って体を拭くようになっている。宿でお湯をもらい外の洗い場でクウを洗う。クウを石鹸で洗って温かいお湯をかけると、とっても気持ちよさそうだ。部屋に戻り風魔法の付与がついた魔石で乾かす。本当はブラッシングをしてあげたかったがクウの専用のブラシがない。起きたらクウのものを買いに行こう。


昼過ぎに起き、クウと買い物に行く。町を散策すると食料品店、飲食店、道具屋が少しあった。まずはクウのものを買いに道具屋に。道具屋には生活必需品と少し小物が売ってあった。


「何をお探し?」


お店のお婆さんに声をかけられた。


「この子のブラシとかごと木のお皿を探しています」


「そうじゃねえ」と言いながら店頭に並べてあるブラシとかごと木のお皿の置いてある場所を教えてもらい、お婆さんはお店の奥に何かを取りに行った。その間に良さそうなものを手に取る。


「これがあった方が気持ちいいじゃろ?」


お店の奥から戻ってきたお婆さんは、もこもことした生地の布を持ってきた。これをかごに敷けば気持ちよくかごの中で過ごせそう。


「それも一緒にお願いします」


会計を済ませ、手提げのかごにクウを入れる。サイズはすっぽり入って良さそうだ。


「クウ、気持ちいい?」


「クウ」


クウは気持ちよさそうに伏せていた。夕方はリンドさんと宿で食事をとる。メニューはパンと鶏の香味焼き、野菜たっぷりミルクスープだ。クウの分もお願いしていたのでクウは今日買った木のお皿にミルクスープを入れてもらう。少し冷ましてあげると勢いよく食べていた。


「クウはいっぱい食べるな 」


口の周りにミルクスープをつけたクウを私とリンドさんで微笑ましく見つめた。


食後は今後について話し合う。ヤーガンの町に向けて明日準備をし明後日出発することにした。


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