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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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42/50

サーマンでお別れを

サーマン出発当日。荷造りを終えた私達はポーリーさん夫妻に挨拶をしに行く。


「短い間でしたがお世話になりました。宿まで貸していただいて、大変ありがとうございました」


「命を助けていただいた大恩人ですもの。これくらい安いものです」


ポーリーさん夫妻にトマットさんちのお茶をプレゼントし、夫妻に大変喜ばれた。


「これうちの新商品の冷蔵ボックスです」


ポーリーさんから氷の魔法が付与された冷蔵ボックスをいただいた。ボックスには長い紐が付いていて肩に掛け運びやすい。さらに軽さの付与がついてとても便利だ。


「これがあれば冷蔵品を持ち運びして旅ができますよ」


ミルクなどを冷蔵して運べると料理のレパートリーも増え、とてもありがたい品物。


「またどこかで会えるといいですね。何かあったらポーリー商会に来てください」


ポーリーさん夫妻にお礼を述べ、涙ながらにお別れをした。ポーリーさんからもらった冷蔵ボックスが気になったので、すぐ食料品店からミルクを購入。旅の休憩中にミルクを使うのが楽しみだ。門の近くにレクトさんたちが見送りに来ていた。


「孤児院襲撃など君達には大変お世話になったよ。ありがとう。僕達はまだ犯罪グループの調査があるからサーマンにいる予定だよ。次はライトネルに行くから会えるといいな。冒険者ギルドに手紙を出していい?」


返事をするとレクトさんは寂しい表情から嬉しそうな表情に変わった。


「あの…もしよかったら僕達と一緒にこ……」「おーい!レクトさん。領主がお呼びです。急いで来てください」


レクトさんは何か言いかけたが騎士団の人に引きずられサーマン領主の所へ行ってしまった。


「今までありがとう。ライトネルで会えるといいな」


固い握手をしてトマットさんとランデルさんと笑顔でお別れをした。サーマンでは色々あったけどまたみんなと会いたいな。


「手紙って冒険者ギルドで出せるのか?」


「そうなんです。冒険者登録があれば、ギルドの場所を指定してお金を払えば手紙を出することが出来ます。でも遠かったりすると日数が結構かかったりします」


町から出て歩き進め、暗い森に入る。リンドさんは杖に明かりを灯しながら歩く。夜道はやっぱりなれない。いつも通り後方の私はガードの魔法をかけ歩く。時よりチョーコスや蛾に似た魔物のガビタンなどと出会い、リンドさんに燃やされていく。しばらく歩き、開けた場所でテントを張る。


「今日はここで休む予定だ」


寝る準備をしテントに入る。横になっていると

“バンバン“

数発の銃声が聞こえた。ギルドマスターから密猟者がいると聞いていたが、普通の冒険者の可能性があるし気にしないように横になった。


日の出前、リンドさんと見張りを交代する。


「ミーナが寝てからも何回か銃声が聞こえてな」


リンドさんも銃声が気になっていたみたい。


「それで俺、魔力を使うからあまり使わないけど。土魔法で意識を巡らせたら魔力探知が出来るんだ。昨日は西に三人が一つの何かを攻撃していて。東は二人いてずっと止まったり気配がなくなったりして不思議だったよ」


リンドさんそんなすごい魔法をまだ隠し持っていたなんて。今は弱い魔物がちらほらいるそうだ。昨日ポーリーさんからもらった冷蔵ボックスを見てみるとミルクは買った時のまま冷えていた。せっかくなのでミルクを料理に使ってみよう。鍋で野菜を炒め、干し肉と少しのお水を入れる。野菜が柔らかくなりある程度の水分が飛んだらミルクを入れる。少し煮立ったら塩コショウで味を整え、ミルクスープの完成。固いパンにスープをつけて旅先では豪華な朝ごはんになった。夕方になりリンドさんが起きてきた。


「美味しそうな香りがする」


リンドさんが起きてくる頃合いを見計らってスープを温めておいた。


「今日はミルクスープを作りました」


夕食は朝と同じ固いパンとミルクスープ。


「旅先でミルクスープとか贅沢だな」


リンドさんは美味しそうにスープを平らげた。食後は食器やテントを片付け、暗い夜道を歩く。休みを取りながら四日間歩き進めた。

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