表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/49

健康茶・薬草のお店

朝になり、旅の必需品を買いに出かける。明後日にはもうこの町に出るのと、ラップルではあまりお店がないみたいなのでいつもより多めに購入予定だ。薬草と保存食、包帯などを買っていく。あと、無料で宿泊させてもらっているポーリーさん夫妻にもお礼の品を買いたい。何がいいだろうか?ふと歩いていると健康茶や薬草を調合するお店を発見した。


中に入ると暇そうに立っているトマットさんを見つけた。


「トマットさん、おはようございます。もしかして副業ですか ?」


トマットさんは急に現れた私を見て「うわぁ」と、飛び跳ねて驚いていた。


「ふっ…副業じゃないし。ここは僕の実家なんだ。今日は仕事が休みで親父が用事があるから、代わって店番をしているんだ」


トマットさんも珍しい薬師なのでご実家が薬草を販売するお店に納得した。


「どういう品を探してるの?」


「ポーリーさんと奥様にお礼の品をと思いまして」


「ポーリーさん夫妻か」トマットさんはつぶやきながら棚から商品を取っていく。


「このお茶はどうかな?ポーリーさんは大食いだから胃を保護する成分が入っているお茶で、奥さんの方はお肌にいい成分が入っているお茶なんだよ。味は美味しく調合しているから大丈夫だよ」


「じゃあ、それでお願いします」


トマットさんはそれぞれのお茶を袋に入れ、プレゼント用に包装してくれた。その間に色々な店内に置いてある調合した薬草を見る。胃もたれ、風邪症状に効くものなど色々な調合をした薬草が置いてあった。解毒薬を見ると“店員に相談を“と書いてあった。


「トマットさん、この解毒薬は店員に相談って何ですか?」


「ミーナさんは回復師だから解毒の魔法を使えるでしょ?でも魔法が効かない毒もあるんだよ。毒の種類によって違う薬草を使ってるんだ」


もしかすると、私が旅先で毒を食らってしまうこともあるかもしれない。トマットさんと相談して解毒薬とちょっと気になっていた美肌に良いお茶も購入した。


「トマット!えらいべっぴんさんと仲良さそうじゃねえか。彼女さんか?」


「そんなんじゃないよ!」


トマットさんはお店に入ってきた男性に顔を赤くしながら怒った。


「ミーナさん、ごめん。これうちの親父なんだ。まったく恥ずかしいこと言って。親父、お客さんになに変なこと言ってんだよ」


「わりぃ。凄くべっぴんさんと仲良く話していたからさ」


ひょうきんなトマットのお父さんは店の奥に入って行った。トマットさんは「まったく。もう!」とブツブツつぶやきながらお茶と薬の会計をし、私はお店を出た。


その後はお菓子を買い、領主の屋敷に行った。広い庭に遊ぶ子供達が元気いっぱい遊んでいた。近くにルールーさんがいたので声をかける。


「先日は可愛い折り紙やお手紙ありがとうございました。嬉しかったです」


「こちらこそ、ミーナさん達には感謝をしてもしきれません」


まだ孤児院は修理に時間がかかるので、しばらくここに滞在するそうだ。「これ、皆さんでどうぞ」と、お菓子を渡す。すると、走っていた子供達がこちらに駆け寄ってきた。


「お姉ちゃん、ありがとう」


明後日、この町を出ることを伝えるとみんな寂しそうな表情になった。別れは辛いよね。「また来るからね」と伝えると元気いっぱいの子供達に戻り、笑顔でさよならをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ