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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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サーマン冒険者ギルドマスター

翌日の夕方にポーリー商会に向かう。リンドさんと話し合って四日後の夕方にサーマンを出ることに決めた。ポーリーさんにはお礼とこの町を出ることを伝える。


「寂しくなりますね 。実は私も一週間後に他の支店に行くことになったのですよ。ポーリー商会は王国のほとんどの領地にあります。またお会いできるといいですね」


ポーリーさんと別れ、今度は冒険者ギルドに向かう。サーマン領主からの報酬を受け取りに行く予定だ。



「あの、ミーナ・ルポルテと申します。孤児院の件で報酬を受け取りに来ました。ギルドマスターはいらっしゃいますか?」


冒険者ギルドの受付の女性に話しかける。


「すみません。ギルドマスターは外出しておりまして」


遠くから馬が駆ける音がする。


「どけどけー!ギルマスが通るぞ」


窓を見ると馬の魔物のポニソンに乗って叫びながら爆走でこちらに向かってくる人が見えた。


「何だあれ?」


「あっ!うちのギルマスです。まったく。平時はあれだけ町で飛ばすなって言ったのに。呼んできます」


受付の女性はあきれながら素早くギルドマスターの所に行った。会話はよく聞こえないが、外でギルドマスターが受付の女性から怒られていた。



「お待たせしてすまないね。私がサーマン兼ラップルのギルドマスターのマキシル・ノリダースだ。よろしく。マキシルって呼んでくれ」


サーマンのギルドマスターが現れた。挨拶で固い握手を交わす。ギルドマスターは筋肉隆々のとてもハツラツとした人だ。


「マキシルさんってラップルのギルドマスターもされているのですね」


「そうなんだよ。サーマンの領主もラップルと兼任でやってるだろ。じゃあ、君もよろしくねって押し付けられちゃってさ。ハハハハハ」


マキシルさんにギルドマスター室に案内されソファーに座る。マキシルさんは隣の部屋からお金が入った袋を持ってきた。


「この度は孤児院の子供達を守ってくれてありがとう。これがその報酬だ。受け取ったらここにサインしてくれ」


私とリンドさんは紙にサインした。


「本当は俺も関わりたかったけど、なんたって魔物の大量発生だの密猟の報告とかあって。さっきまでラップルに調査に行ってポニソンで飛ばして帰ってきたんだぜ」


大魔の渦の影響か魔物の大量発生の報告が多く、冒険者ギルドもとても忙しいらしい。


「そういえば、お前さん達が虫の魔物からポーリー殿を助けたんだよな」


私とリンドさんは返事をしうなずく。


「少し前に騎士団から報告があって、あの湖の近くを騎士団が調べたら虫の魔物の卵がたくさんあってよ。なかなかキツかったらしいぞ。お前さんたちの報告がなかったら被害者が増えていたところだ。ありがとう」


マキシルさんからお礼を言われた。


「次の町はラップルに行くんだろ?ラップルはさ、自然豊かで珍しい生き物が多いんだ。それで最近密猟者が多発しててな。もし怪しい奴がいたら教えてな」


マキシルさんと別れ、ギルドの掲示板を見る。さっきマキシルさんが言っていた通り、“密猟者続出。不審者を見つけ次第、ギルドや騎士団などに報告を”と記載されている。厄介なことに巻き込まれないといいけど。


用事も済み、冒険者ギルドを後にした。


「お腹が空いたな。何か食べに行かないか?」


「前、グルメ本で見たアンガスのステーキを食べに行きましょう」


近くにいた人に道を尋ね、ステーキを食べに行くことにした。お店に到着すると行列ができていた。


「人が多いですね。サーマン滞在も残りわずかだし行っとくか」


一時間半かかり、ようやく店内に入れた。お店に入るとステーキの美味しそうな香りが充満していた。他のお客さんを見ると、熱々の鉄板にステーキが乗って美味しそう。メニュー表を開くと色々な種類のお肉やソース、細かく部位別に分かれたステーキと種類豊富にあった。


「ガウー肉のステーキも気になるな。串もいいけどステーキも美味しそうだな」


「モモモーのお肉も気になりますよ。どんなお肉だろう?」


リンドさんはガウー肉のステーキ。私はモモモーのステーキにした。しばらく待つと熱々のステーキが運ばれてきた。鉄板の上にジュウジュウとしたお肉がおいしそう。モモモーのお肉はガウー肉より白っぽくて豚肉のような色。一口食べるとフォアグラをさっぱりさせたような濃厚な味わい。タレとマッチしてとても満足のお味。レクトさんも幸せそうにお肉を頬張っていた。

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