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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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騎士団到着

日が落ちてきた頃。リンドさんは馬車で寝ている為、ポーリーさんとポニソンのお世話をしている。ふと赤色ライトを見ると、まだ強い光を放っていた。


“バサバサバサ”

空から複数の羽音が聞こえてきた。マジカル弾を構え空を警戒していると リンドさんも馬車から急いで降りてきた。


「まあまあの数の羽音がするな。騎士団だったら良いけど、これが魔物だったら大惨事だな」


ポーリーさんには馬車に入ってもらい、背中を合わせて空を警戒する。空をじっと見ていると遠くからペガサスの集団が見えてきた。


「あれは騎士団のようですね 」


「そうだな」


リンドさんが大きく手を振ると、ペガサスに乗って鎧を身に纏った集団が湖の前に到着した。ペガサスから降りた一人のリーダー格の男性がこちらに向かってきた。


「 私はルンポート領所属の騎士団長エルビスと申します。救助の要請をされたポーリーさんですか ?」


「来ていただきありがとうございます。馬車に居ますので呼んできます」


私は急ぎ足で馬車に向かった。馬車に向かっている間リンドさんが団員に状況を説明をしている。


「ポーリーさん、騎士団の方が来られましたよ。騎士団の方がお話を聞きたいそうなので降りて来てください」


ポーリーさんも交え、騎士団の人と虫の魔物について改めて説明をしていた。騎士団の人達に三人の遺体を見せると言葉を失っていた。


「これは想像以上に虫の魔物が発生しているな」


空が完全に暗くなってから頻繁に虫の魔物が襲ってきて、騎士団員が対処していた。ここ最近魔物の凶暴化や数の増加の報告があり、大魔の渦の影響か調査をしているらしい。


「ここでの虫の魔物の大量発生は近くに虫の魔物の巣があるか、ただ増えているのか調べてみるしかないな。サーマン騎士団が到着次第、被害者を町に送り届けるぞ!いいな!」


「「はっ!」」


エルビスさんが掛け声をかけ、他の団員は威勢よく返事をする。私達はとりあえずサーマンの騎士団が到着するまで馬車の中に避難することになった。窓から騎士団の戦いを眺めると剣士や魔法使いの騎士団員たちは淡々と虫の魔物を倒していた。


「ルンポートの騎士団、なかなかやるな!他の町の騎士団でもこんな感じか?」


リンドさんは騎士団の人達の戦いぶりに感心していた。


「そうですね。各町に駐在している騎士団の方たちは元々王国の騎士の方で、派遣されて来ています。そのおかげで町の治安が保たれてる所が多いです」


三人で雑談をしながら食事を取ることに。 ポーリーさんが大量の固いパン、干し肉、珍しい果物のランゴーを用意してくれた。丸くて赤い実をしたランゴー。とっても甘くてジューシーで美味しかった。ポーリーさんは相変わらずよく食べていた。


「良い食べっぷりだな」


「ホホホ!食べても食べても足らなくて横に成長してますぞ!」


騎士団の人たちに何かあってはいけないのでとりあえず夜はリンドさんがいつでも戦えるように待機し、日の出前に私が交代という形をとった。少し経ってから、馬車の扉をノックする音がした。扉を開けると年配の騎士団の人が立ってた。


「初めまして。サーマン領の騎士団長のニコルイと申します。急な話になりますが、今からサーマン領までペガサスに乗って避難してもらいます」


話によると馬車では移動が遅いため一旦、ペガサスに乗ってサーマンの町まで避難。後で大きな荷物を送り届けるそう。私達は辞退をしようとしたが虫の魔物が未知数なので送り届けてもらうことになった。


ニコルイさんにペガサスまで案内してもらうと、そこには立派なペガサスが待機していた。


「それぞれ一人ずつ騎士団員の前に乗ってください。もし、気分が悪くなったら休憩しますから言ってください」


リンドさんが日光がダメな体質のことを伝えると、日中は休憩をすることになった。団員の人の手を借りながらペガサスにそれぞれ乗っていく。ペガサスの背中は筋肉質でゴツゴツして羽がとても大きい。初めてのペガサスと今から空を飛ぶ緊張と高揚感で手綱を持つ手が少し震えている。


「準備はいいか?行くぞ!」


ペガサスが少し走り羽を広げて飛ぶ。私は怖くて思わず目を瞑ったが、目を開けるとみるみる高く昇り木々などが小さく見えた。先頭にニコルイさんとポーリーさん。私とリンドさんでそれぞれ横に並び、後ろに一人の騎士団員で飛んでいる。ポーリーさんは高い所は苦手だろうか?ずっと目を瞑り手綱を持ちしがみついている。


「ポーリーさん、大丈夫ですか?」


「高い所が苦手で。見ないようにしています」

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