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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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危険の合図

3人で話し合って、旅の危険を知らせる魔道具の赤色ライトを光らせることにした。筒状のライトの蓋を取り、光る方を空に向け立てた。スイッチを押すと強い光を放ち続け近くを通る旅人や商人に危険を知らせ、町にいる騎士団に救助要請をする魔道具である。騎士団は町から光が見えれば駆けつけてくれるが、見えない場所では要請した時の目印になる。


ポーリーさんは赤い手紙を二つ取り出し、それぞれペンで書いていく。馬車から鳥の魔物を出し、手紙を括りつける。そして鳥の魔物を空に放った。


「この手紙はね、サーマンとルンポートのポーリー商会に送ったものだよ。手紙を受け取った商会が騎士団に救助の要請をお願いするんだよ。もし何かあった時の為に馬車で鳥の魔物と行動してるのさ」


ポーリーさんが緊急連絡をしている最中にも虫の魔物が現れ、リンドさんは炎魔法で焼き尽くしていった。馬車に繋がれている馬の魔物のポニソンは虫の魔物を威嚇し抵抗していた。


「ミーナとポーリーさんは馬車の中に避難してくれ。助けが必要になったら呼ぶから」


時折襲ってくるダダンボウを燃やしながらリンドさんが叫んだ。


私とポーリーさんは馬車に乗り込む。馬車は大きく頑丈に出来ている。前方部分には長椅子が対面するように設置され、後方部分はたくさんの荷物が積んであった。


「騎士団がこちらに来るのは早くても、半日から一日半かかるでしょうな」


騎士団に説明するためここに待機することにした。馬車は頑丈なので比較的に安全だ。ただ、大量の虫の魔物が押しかけて来たら分からないが。待っている間、ポーリーさんが転んで出来た擦り傷を回復魔法で治した。


「私は何かお手伝い出来る事はありますか?」

ポーリーさんが聞いてきた。


「とりあえず、まずは仮眠を取ったり食事を取ったりして、自分の体を整えましょう。今、リンドさんが一人で頑張ってますので、万が一何かあったら、いつでも逃げられるようにしましょう」


ポーリーさんは荷物から大量の固いパンを取り出し、パクパク食べていた。


「ミーナさんも食べられますか?」


「私は食べてきたので、遠慮しておきます。疲れが出てきたので、これから少し目を閉じます。何かあったら言って下さいね」


長椅子に座ったまま壁にもたれ目を閉じた。長時間、外では虫の魔物と戦う音が聞こえた。夜明け前には辺りは静まりかえっていた。目を開けるとポーリーさんは大きないびきをかいて寝ていた。


リンドさんが気になり外に出る。ダダンボウの液体まみれのリンドさんが馬車にもたれかかっていた。急いで近づくとリンドさんは大きなため息をついた。


「あいつら次から次へと湧いて出てきやがる。おかげで臭い液体まみれだ」

と自嘲気味に笑うリンドさん。特にダダンボウが次から次と出てきてしばらく戦っていたらしい。


「虫の魔物はもうあまり出ないから、見張りを頼んでも大丈夫?」


リンドさんはふらっとした足取りで湖で汚れを落とし、馬車に入っていった。日がまだ出てない湖周辺は木が生い茂っており、少し不気味に感じる 。


一人で虫の魔物を倒すとなると緊張する。手にマジカル弾を握りしめ、虫の魔物の羽音がしないか耳を研ぎ澄ませる。リンドさんと交代してから三体のダダンボウを退治した。ダダンボウは三体同時に襲ってきたので、眠りのマジカル弾を撃った。眠りの玉で倒れたダダンボウをナイフで仕留めた。


辺りを警戒していると、日が昇り空は明るくなってきた。木が生い茂っており湖周辺は少し暗く感じるが夜よりはマシだ。次から次に虫の魔物が出てこなくて少しほっとしている。お腹が空いてきたのでリュックから固いパンを食べ空腹を満たした。

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