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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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ウッキッキー

「ミーナ大丈夫だった?」


テントからリンドさんが目をこすなりながら出てきた。


「はい。日中は平和でしたよ。お昼にスープを作ったので一緒に食べませんか?」


「ありがとう。いただこう」


スープの入った鍋を温め、お皿に盛る。お昼と同じパンとスープ。リンドさんに初めて料理を作ったので、お口に合うかどうか気になる。


「とってもいい香りだ。おいしそう」


リンドさんは一口スープを飲み、具材を食べていく。


「ミーナは料理上手だな。スープはとても美味しいよ。 干し肉の旨みとハーブの爽やかさがあって、野菜もほくほくして何杯でもいけるよ」


リンドさんに料理を褒めてもらい安堵した。正直言うとリンドさんは王族ということで、私みたいな素人の料理も大丈夫かと不安だった。これからは食材がある時は色々作ってみよう!食事を終え、私は川で鍋や食器を洗い、リンドさんはテントなどを片付けた。


「忘れ物はないかな?出発だ!」


夜道は暗くて分からないので、方位磁石と地図を頼りに進んでいく。相変わらず魔物の鳴き声が聞こえる。


「ウッキッキー、ウッキッキー」


暗くてよく見えないが、木を揺らす音と猿のような鳴き声が聞こえてくる。


「あいつが来たのか!ミーナ俺と背中合わせの体制をとって、物を奪われないようにしっかり手に持っておくんだぞ!」


「あれは何の魔物ですか?」


「まだ姿を見てないから断定はできないが、多分猿の魔物のノペリモンキーだと思う。昼夜を問わず現れて、いたずらしたり物を取ったり。騎士団にいた頃に手こずってな。のっぺりした顔でちょっかいをかけてきてはニヤニヤして腹立つヤツなんだよ」


リンドさんの忠告を聞き、方位磁石をポケット。地図は上着の懐に入れ込み、マジカル弾を取り出す 。ノペリモンキーと思われるものは木々を転々と移動し、私たちは揺れる木を警戒しながら構える状況がしばらく続いた。一向に姿を現さないのでリンドさんは呪文を唱え、土魔法を木に向けて放つ。猿の魔物は素早く避けた。


「あのサル、すばしっこいな」


今度は範囲の広い土魔法を唱えた。さすがにサルの魔物も焦ったらしく、地面に降りた。ようやく姿を現したものは猿を少し大きくして、まさにのっぺりとした顔立ちのノペリモンキー。余裕がない困った顔していた。再びのノペリモンキーは木に戻り転々と移動している。リンドさんは何発か土魔法放ったが避けられる。


「ノペリモンキーに付き合っていると埒が明かない。逃げるから警戒したまま少しずつ移動するぞ


背中合わせになったままゆっくり歩き始める。相変わらず木々の揺れる音がする。ゆっくり進んでいると急に私の目の前に向かって襲いかかってきた。驚きと同時に反射的にマジカル弾の引き金を引き、ノペリモンキーに直撃。炎の玉をセットしていたので前髪が少し焦げ、ノペリモンキーは燃えてピクピク動いてまだ息はありそうだ。


「ミーナよくやった!後は俺に任せろ」


リンドさんはナイフでとどめを刺した。

ギルドで買い取ってもらえるか分からないが、魔石を取り出し回収し、血抜きをして魔道具のシートに包みバッグに入れた。

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