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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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21/42

ちょっと休憩

しばらく歩いていると川の流れる音がする。現在いる場所と地図を照らし合わせてみると近くに川があるみたい。目的地の方向より東にそれるが水分の確保は大事。今夜は川の近くにテントを張ることになりそちらへ向かう。深い森を抜けると近くに川が流れていた。それほど大きくはないが浅く川の流れは穏やかだ。月の光に照らされキラキラと輝く水は澄んでそう。少し離れた木の下にテントを張り火を起こす。それから使う日用品を取ろうとリュックの中を探っていると、リンドさんは川に行き片手で水をすくい、口に含む。


「川の水、美味しいぞ!」


リンドさん呼ばれ、川の水を一口。確かに少し冷たく美味しい。靴を脱いで川に入るとふくらはぎぐらいまでの高さがある。これなら軽い水浴びができそうだ。竹筒に水を入れ、リンドさんと交代で水浴びをすることになった。先にリンドさんで次に私の順番。リンドさんが水浴びをしている間、テントの中に入り着替えや寝る準備をした。「もういいよ」と声が聞こえたので交代し、着替えとタオルを持って「覗かないでくださいね」と冗談を言いながら川へ。リンドさんを疑っているわけじゃないけど、男の人なので念のため少し奥行き、テントから木で隠れて見えない場所まで行き服を脱ぐ。ネグリジェを身にまとい川に入る。水が深くないのであまり浸かれないが髪を洗い濡れたタオルで体を拭いていく。街から歩きじんわりと汗をかいていたので、さっぱりして気持ちがいい。服に着替えテントに戻る。


日の光に弱いリンドさんは夜の見張りだ。私はこれからテントで睡眠をとり日の出前に交代。日中は私が何らかの作業しながら見張りをする予定だ。寝る前に風魔法の付与がついた魔法石で髪を乾かし顔や体に保湿剤を塗り眠りについた。時計の魔道具が鳴り起き上がる。まだ空は暗いままだった。


「おはようございます。私が寝ている間、大丈夫でしたか?」


「おはようミーナ。特に何もなかったよ」


枯れ草や木を燃やしているリンドさん。少し眠たそうにしていた。川で顔を洗い身なりを整えた。身支度を終えリンドさんと見張りを交代する。少しすると日が昇り徐々に明るくなってきた。見張りをしつつ服やタオルなどを川で洗い、木と木の間にロープを張り洗濯物を干す。朝食の料理を作っていないので持ってきたパンと干し肉と果物を食べた。日中は昨夜と違って唸り声やモンスターの気配はなさそう。たまに物音がして振り返ると野うさぎやリスが動き回ってとっても平和。ただ見張りをするだけでは暇なので料理をすることにした。リュックから調理器具を取り出し、日持ちする野菜をいくつか持ってきたのでそれらを炒め、干し肉、乾燥ハーブ、川で汲んできた水を入れ野菜が柔らかくなるまで蓋をして煮込む。最後に味見をしながら塩コショウを振り完成。干し肉から旨味が効いていて美味しい。リンドさんはテントで寝ているので昼食は1人でパンとさっき作ったスープを平らげる。使用した調理器具や食器を川で洗った。いい天気だったのでよく乾いた洗濯物を取り込み、ある程度片付けていく。あっという間に日が暮れようとしていた。日が落ちてくると魔物の遠吠えやカサカサと物音がし、夜特有の不気味さを感じた。

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