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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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冒険者パーティーの名前は?

リンドさんと話し合い、今日は冒険者ギルドに行く予定だ。冒険者ギルドでは登録を何らかの理由で本名で登録出来ない人でも働けるように、通称名でも登録出来るようになっている。 ギルドで冒険者登録をするとリンドさんの簡単な身分証になって便利だ。


「リンドさん起きていますか?」


日没前、リンドさんの部屋の前に立つ。返事がない。その後もドアノックするが物音すらしない。昨日、返事が無かったら入っても良いと鍵を渡されていたので、鍵を使い中に入ると薄暗い部屋のベッドの肌掛け布団が膨らんでいる。肌掛け布団をのけると目を見開いたリンドさんが寝袋から顔を出していた。


「キャッ」


驚きのあまり後ろに倒れそうになる。


「何をするんですか!」


「わははは!こんなに驚くなんて思わなかったぜ」


リンドさんは大笑いしながら寝袋から出て、状態を起こす。ねずみの被り物をしてないリンドさんから驚かされると、誰だってびっくりするでしょ!


「もう!そんなことしないで早くギルドに行きますよ!リンドさんの名字は王族の名前なので、通称名を行きながら考えてくださいね」


冒険者ギルドの営業時間が夜の20時まで。登録は混み具合にもよるが、場合によっては時間がかかるのでリンドさんに早くするよう促し、足早にギルドに向かった。


「ハンテさん、こんばんは。この人のギルド登録をお願いします」


「こんばんは。ルポルテさん。もしかして、新しいパーティーの方ですか?」


返事をするとハンテさんの笑顔が輝く。会話を聞いていた周りの人々は興味津々にこちらを見ている。有名なパーティー内でいざこざがあった女とねずみの被り物をかぶった不思議な男。噂の的になりそうだと自分でも思う


「こちらの登録用紙に記入をお願いします。審査が通りましたら、会員証のカードをお渡しします。」


記入専用の机に移動し、リンドさんは登録用紙を書き進めていく。


「本名で登録しないので、この箇所は空欄にしておいてくださいね。偽名は通称名の所に書いてください」


気になるリンドさんの偽名はリンド・ロールと記名している。登録用紙を提出し、手を水晶をかざし青色に光った。


「登録完了しました。リンドさんはFランク冒険者から始まります。ダンジョンや依頼をこなして冒険者レベルを上げてくださいね」


リンドさんの登録もすんなり通り、パーティー登録のため、私のカードを差し出す。


「度々すみませんが、パーティー登録の記入をお願いします」


ハンテさんに再び紙を渡され、机で記入する。


「パーティー名は何にする?全然、話し合ってなかったね」


ギルドの営業時間のこともあるのであまり悠長に考えられない。


「ミーナ・マウスとかどうだ?」


「なんか嫌です」


話し合いは難航し、閉店近くに“針のねずみ”に決まった。リンドさんがねずみの中にも狂気が潜んでいるぞと謎の理由の熱望で決まった。


「ギルド登録って結構審査とか緩いんだな。俺、緊張してたんだけど」


外で食事を済ませ宿への帰り道リンドさんがつぶやいた。


「そうとも言えませんよ。通称名での登録が可能になったのは、訳あって本名で活動できない人や正式な戸籍を持ってない貧困層が働けるように今の国王が打ち出した政策なんです。犯罪など重大な問題を起こすとそのことが記載されますし、一人が何回も登録することは出来ません。通称名は変えられますけど履歴に残ります」


「そっか、悪いことできないな」


リンドさんは、なぜか少し残念そうな表情をした。


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