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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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リンドさん料理に感動する

部屋に荷物を置き、早速、街に出る。歩いていると色々な所から美味しそうな香りがしてきて、どのお店に行こうか迷う。


「リンドさんは何が食べたいですか?」


「そうだな。肉が食べたい。旧王家の墓にいた時は森に行って狩った動物を火で炙って、味気ない肉ばかり食べてたからな。味付けしている肉が食べたい」


「そこのお店はどうですか?」


レンガ作りのおしゃれなお店には多くのお客さんが入っていた。外の席のお客さんが大きな骨付きの肉を豪快に頬張る姿が何とも羨ましい。


「なかなか美味しそうだな。行ってみるか!」


店内に入り、お店の人に案内された席に着く。店内は多くのお客さんで賑わっていた。メニュー表を見ると、このお店はガッツリとしたお肉の料理が多いようだ。量は多いが他のお客さんが食べている大きな骨付きのガウー肉が気になる。リンドさんもガウー肉が気になったらしく、料理は二人同じ骨付きガウー肉を注文した。


「お待たせいたしました。ガウー肉はとても熱くなってますので気をつけてお召し上がりください」


熱々の鉄板にジュウジュウと音を立てながら、骨付きガウー肉が運ばれてきた。骨付き肉の持ち手には ペーパーが巻いてあり、豪快にかぶりつくかフォークとナイフを使って上品に食べるか好きな食べ方で食べれそうだ。


「リンドさんってお酒は飲めるんですか?」


リンドさんは注文時に水とビールを一緒に注文し、運ばれてきた。


「わからん。昔はお酒が強くてな。水のように飲んでたよ。今回はお試しだ」


リンドさんはねずみの被り物を少し持ち上げて飲食すると思いきや、まさかのねずみの被り物の口が大きく開いた。


「えっ?この被り物って口が開くんですか?」 


「ああ、まさかのな!宿にいた時にねずみの被り物を眺めていたら耳のところにボタンがあってな。 それで気づいたよ」


周りのお客さんもリンドさんのねずみの口が開いたことにびっくりしていた。リンドさんは、早速、ビールを手に取り一口。


「ぷはーっ!これだよこれ!シュワッとした喉越しが最高だな。肉も旨い!」


豪快にかぶり食べ進めていくリンドさん。



「ガウー肉、脂がのって美味しいですね」


私もかぶりついて食べ進めていく。食欲をそそるスパイスで大きなお肉だが全部食べられそう。


美味しそうにビールとガウー肉を食べていたリンドさんの手が止まる。


「どうしました?」


「体が熱くなってきた。やっぱりこの体だと、お酒に弱いのか」


残念そうに項垂れる。


「お酒を少しずつ飲み続けると慣れてくるかもしれません。料理を楽しみましょう!食後は夜風に当たりませんか?」


食事を終え、資料館に向かった。資料館はすでに閉館しているが、魔法石でライトアップされている。建物の周りには整備された芝生があり、資料館前で演奏する音楽を聴きにカップルなどがちらほらいた。


「とても落ち着くな。酒で火照っていた体に夜風が当たって気持ちがいい」


2人で芝生の上に座り、しばらくの間、音楽を聞き入った。


「リンドさんは行ってみたい場所はありますか?」


「そうだな。行動するのが日没間際だから限られるけど、歴史資料館があれば行きたいし、色々お店も回りたいな」


「大きい歴史資料館だと王都にあります。ライトネル、ミトリア、王都には図書館があってたくさんの本が読めて良いですよ。各地の美味しいご飯や楽しいお店を一緒に回りましょう」


夜が更け宿に戻った。自室に入り窓の外を眺める。賑やかだった町も夜が更けると、段々と静かになってきた。昨日リンドさんと一緒に過ごしたが、とても楽しかった。久々に楽しかった夜の悦に入る。まだ過ごした時間が短いので分からないが、こんな日が続けばなと思う。


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