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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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大魔の渦について

「リンドさんの旅の目的って何ですか?」


「そうだな。俺が眠っている間どう歴史が動いたか気になるし、あと大魔の渦が気になるかな。お墓参りもしたいし、なぜ俺は生き返ったのか気になる。目的はたくさんあるな」


大魔の渦。200年おきに大地の揺れが起こり、魔界と繋がる渦が各地に出現し魔物が町に襲いかかる恐ろしい災害だ。


「確かに大魔の渦は恐ろしいですよね。あと5年以内に起こると言われています」


どの過去の大魔の渦も大規模な被害が出て、国は大魔の渦の伝承に基づいて町の整備や対策に取り組んでいる。実際に大魔の渦の影響なのか、魔物が活発している地域があると聞く。


「ミーナは何で一人で冒険しているんだ?」


「私は人助けとお金を稼ぐためです。自分の力で人助けがしたくて親の反対を押し切って家出をしました。教会に入ってしばらく働いていたのですが、大司教に愛人にならないかと迫られ辞め、少し前にいた冒険者パーティーでもリーダーから交際を迫られ辞め、一人になりました。私も大魔の渦の被害をどうやったら最小限に抑えられるか調べたいと思ってます」


「大魔の渦は俺も調べたい。それにしてミーナはモテて大変だな」


「嫌な人ばかりでとっても迷惑です」


リンドさんとの旅は大魔の渦について調べながら世界を廻ることになった。他愛のない話をしながら歩いて行くと町が見えてきた。誰かと一緒に歩くと早く感じる。


「門番がいるが止められたりしないのか?」


「この町は比較的に治安がいいので大丈夫ですよ 。街によっては警備が厳しい所もありますが、その町を治めている領主次第です。この町は冒険者や流れ者が多いですが、基本止められません。大きな事件とかあれば別ですけどね」


門の前には2人の男性の門番が立っていた。リンドさんに大丈夫と言ったものの門に近づくにつれ、緊張で胸がドキドキする。ねずみの被り物といった奇抜な格好をしているので、身分証の確認と言われたらどうしよう。話しかけるなと思いながらなるべく自然を装い歩く。


「そこのお姉さん、無事に戻ったんだね」


「えっ?」


「お姉さんが一人で街を出て行ったから、気になってたんだよ」


門番の男性は私の後ろのリンドさんをチラッと見た。


「そこのイカしたねずみさんと一緒なら大丈夫だな。はっはっは。ねずみの被り物は隣町の祭りで被るのかい?」


「そうなんですよ!連れが気が早いものですから〜」と愛想笑いをしながら、なんとか町に入れた。


「ここがルンポートか」


リンドさんはきょろきょろと町を見回す。


「はい。このルンポートは自然と融合した豊かな街で色々とお店や観光施設があって楽しいですよ」


暗夜にいくつもの魔法石で照らされた町は、多くの人で賑わっている。お酒を酌み交わす人や料理を頬張る人、楽しい音色に合わせて踊る人。見ているだけでも楽しくなってくる。


「まずは宿に荷物を置いて、ご飯を食べますか?」


「ああ、そうだな」


宿に向かう際にもリンドさんは物珍しそうに辺りを見回しながら歩く。すれ違う人たちはねずみの被り物をしているリンドさんを物珍しそうに見てとても目立っていた。


「おかえりなさい。ルポルテさん。あら?こちらの方が予約の連れの方?」


「はい。こちらがリンドさんです」


リンドさんとは別の部屋を取っている。日光に弱いリンドさんは基本日没から行動するので、朝食の食事なし、夕食はいる時だけ宿にお願いしている。

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