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ゾンビ化した君と夜の世界を廻る  作者: 中川謳歌
第1章

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ねずみの被り物

リンドさんから頼まれたものは残りは仮面のみ。仮面は買ったことがないので、どこで買おうかと悩む。とりあえず、装飾品になるので宝石店に行くことにした。店内は高級感が漂い、冒険者の私には場違いな場所だった。


「いらっしゃいませ。何をお探しでしょうか?」


にこやかな美人の店員さんが近づいてきた。店内をちらっと見てすぐに出ようと思ったのにつかまってしまった。


「男性用の仮面を探しに来たのですが」


「只今持って参ります。少々お待ちくださいませ」


美人な店員さんは店内にずらりとあるショーケースからいくつか取り出していた。 私はその間、ショーケースを見て回った。ジュエリーなんて今の私にはかけ離れた存在だ。


「お待たせいたしました」


革で出来たトレーの上に3つの仮面が乗せて運ばれてきた。どれもきらびやかな宝石がちりばめてあった。きっと貴族の夜会で使われるものなのだろう。冒険者でこんなきらびやかな仮面をつけていたら悪目立ちするし、金に困っている輩に目をつけられるだろう。魔法ローブに貴族用の仮面をつけて冒険をするリンドさんを想像すると怪しくて…


「ぶっ…」


我慢していたが、吹き出してしまった。美人な店員さんに怪訝そうなをされ、とっても恥ずかしい。きっと変な客と思われただろう。


お目当てのものがなかったので店の外に出ると、夕方になっていた。今日のところは仮面は諦めて明日にしよう。足早に宿屋へと向かった。


「おかえりなさい」


宿屋の奥さんが笑顔で出迎えてくれた。


「只今戻りました。 あの…冒険者用の仮面を取り扱っているお店って知っていますか?」


「仮面ね…。ちょっと、あんた!こっちに来て」


宿屋の奥さんは、作業中の旦那さんを呼びつけた。


「仮面かぁ。それならガラクタ堂にあるかもな」


宿の店主は町の大きな地図を取り出した。


「ガラクタ堂は珍しいものや他と変わった商品を置いている。ここからだと一本向こうの道を抜けて 、右に曲がってずっと歩いて行くと変わった外観のお店があるからそこだよ」


ーーーーーーー

ーーーーー

ーーーー


朝になり早速ガラクタ堂に向かった。お店は言われた通り変わった外観ですぐわかった。 中に入るとレトロな雰囲気で見たことのないものがたくさん並べてあった。商品を手に取り眺めていると


「いらっしゃいませ〜」


頭にバンダナを巻いた、いかにも怪しそうな店主がカウンターに立っていた。


「冒険者用の仮面を探しているのですが 、取り扱ってますか?」


「ほぉほぉ」


店主は頷きながら、棚に手を伸ばす。


「来月、隣町で仮装のお祭りがあるから今は品薄でこれしかないね〜」


カウンターの上に置いてあったのは、不気味な白い仮面とねずみの被り物。不気味な白い仮面は真っ白で不気味な笑みを浮かべたような仮面。ローブにこの仮面をつけたら怖くてリンドさんを見れないだろう。ねずみの被り物は実物に近づけて作ってあって可愛い。撫でてみると少しもふもふして気持ちがいい。


「この被り物かわいいでしょ?軽いし、風の魔法の付与がついてるから暑い日に被っても蒸れないよ。雨に濡れてもすぐ乾くよ〜」


ねずみの被り物を持ってみると、とても軽く手を入れてみると微弱な風を感じる。リンドさんはきっと嫌がるだろうけど 、一時的なものだと思って我慢してもらうしかない。


「このねずみの被り物はおいくらですか?」


「銅貨30枚だよ〜」


持ち帰る際、折りジワができないように店主さんが梱包をしている間、店の中の商品を見て回ることにした。


面白い商品がたくさんありとても楽しい。その中で一つ気になる商品を見つけた。遮光の寝袋。リンドさんは日光に弱い。旅だと就寝中、日光に当たる場面もあると思う。寝袋も追加で購入した。


これでリンドさんに頼まれたものは全て購入した。後は私のマジカル弾の補充、保存食の買い出しだ。お昼に出発するので、足早に買い物を済ませた。


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