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ソフィア、失態を犯す

ウィルは一瞬目を見開いたかと思うと、私から目を逸らし、冷たい声で


「ただのメイドごときが、出会って早々勤め先の公爵家の次期当主の名前を愛称で呼ぶとはいい度胸だな。切り落とされたいか?」


そうだ、この方の名前はウィリアム様。そして、私はその人のことを愛称で呼ぶというとても失礼なことをしている。


というか、ウィリアム様は次期当主だったのか…。


でも、左目の下の泣きぼくろ。少し癖っ毛で藍色の髪。瞳は髪よりも少し暗めで夜空を思わせる色で、少し猫目。


嘘をつく時には絶対に人と目を合わせられない…可愛くてかっこよくて正義感の強い私の初恋のひと。


そっくりという言葉では説明ができないほど同じだった。ウィルとウィリアム様は。


でも、ここで騒ぎ立ててると、クビになる。クビになったら家族に仕送りを送れない。それは…だいぶまずい。


「申し訳ありません。以後このようなことはないようにしますのでどうか、どうか、引き続き雇っていただけないでしょうか…?ご不快に感じるようでしたらルーカス様のお目に入らないよう全力を尽くしますので…どうか…」


そう言って私は、綺麗な土下座をした。家族のためならば、私のプライドなんか必要ない。


無言の間が長い…。、どうしよう…。どうしよう…。もしかして殺される…?


「ふ、無様だな。まぁ、その不様な謝罪に免じて許してやろう。この屋敷で働くことは。ただ、2度と俺の前に現れるな.、それが条件だ。次俺の前に現れたらら、その時はクビだ。俺の機嫌によってはお前の本物の首が飛ぶから気をつけろよ」


くっくっくっ。と笑いながらいう。


やはり別人なのだろうか.そこに私の知っているウィルはいなかった。


〜ウィリアムside〜


まさか、新人のメイドがソフィーだったとは…でも、あいつがこの屋敷にいる限り


「お知り合いだったのですか?」


「な訳ないだろ。どうせ運命的な出会いをした風にして俺の婚約者に転がり込みたいだけだろう。あれだけ脅したんだ。すぐに出ていくさ」


「そうですか」


褐色に紫の目。俺の執事の1人、ノア。ただこいつは葉をすべるサーユ家から送り込まれた者である。


サーユ家は自分たちが三代公爵家のなかで最も位が低いことを面白く思ってない。ただ、フランマ公爵家は手を出しにくい。そのため、公爵家の真ん中の位の我が家よりも優位に立つことを狙ってる。


俺を殺した後に分家から公爵となる可能性の高い家と組んでる。


もちろん、対処は進んでる。だが、裏切り者の分家が炙り出せていない。


もし、俺とソフィアの関係がバレたらソフィアになんらかの危害が及ぶ。それは耐えられない。たとえまた会えなくなったとしても、ソフィアには幸せで安全な人生を歩んで欲しい。



〜ソフィアside〜


夜ことの顛末をメリッサさんたちに話した。


「へぇ、ウィリアム様が初恋の男の子にそっくりで、うっかりウィルって呼んじゃって、怒られたということだね」


めっちゃアンジェラさんが、ニヤニヤしてる


「アンジェラ、ソフィアちゃんはほんとに困ってるんだからあんまニヤニヤしないの」


サラさんもニヤニヤしながら注意する。


「全く2人はほんとに…。まぁでも私たちはあなたは出て行かなくてもいいと思ってるけど、ウィリアム様とお顔を合わせずに仕事をするのなんて簡単だし。でももうここでは無理ってソフィアちゃんが思うならそれはそれだしー


メリッサさん…。私は…。


「貧乏貴族ということもあり、ここのお給金はやはり魅力的ですし、それに同僚の方々がこんなに温かいところはそうそうないと思うので、皆さんにご迷惑をおかけするかとは思いますが、ここで働かせてください」


バッと頭を下げると、3人は


「「「もちろんよ。これからもよろしくね」」」


と声を合わせて言ってくれた。


「さぁ、ソフィアちゃんは今日、疲れただろうから早く寝な」


「おやすみ〜」


「暖かくするんだよ」


「はい!おやすみなさい。また明日です!」


サラさん、アンジェラさん、メリッサさんに見送られ自室に戻った。



〜サラ・アンジェラ・メリッサside〜


「やっぱ、あのソフィアちゃんだよね。大きくなったなぁ」


「ほんと。ウィル様の乳母をしてた頃が懐かしいよ」


「全く、にしても坊ちゃんは対応が遅いわねぇ」


サラ、アンジェラ、メリッサは自室に戻ったソフィアに聞こえないよう小さな声で話し始める。


「まぁ確実にサーユ家のせいよね」


「サラ、それだけじゃないというか、どちらかというとサーユ家と組んでいる分家の炙り出しがうまく行ってないっぽいわよ。息子がぼやいてたわ」


「あぁ、メイソンが…。まぁ久々に私たちも人肌脱ぐしかなさそうね。教育係と乳母の私たちがね」


「メリッサさん、いつでもご指示を!」


サラはわざとらしく敬礼のポーズをしつつメリッサの方を見る。


「サラ、人任せすぎないかしら?」


はぁとため息をつきつつメリッサはいう。


「でも、こういう作戦は私かサラが考えると杜撰になるもんね」


と笑うアンジェラ。


メリッサは肩をすくめつつ


「まずはアンジェラは今坊ちゃんたちが集めてる情報を聞き出して。どんな方法でもいいわ」


「了解でーす!水は記憶を持つからね。あとで寝てるメイソンに盗聴器を仕掛けておくわ」


「えぇ、私はその間に坊ちゃんがいなくなった場合都合がいい分家をいくつかリストアップしとくわ。情報が集まり次第、サラは体調を崩したとして3日休暇を与えるから調査よろしくね」


「了解しました!少しずつ体調悪くなっておきまーす」


「めんどくさい坊ちゃんを許容してくれて」


「明るく受け止めてくれる」


「優しいソフィアちゃんを」


「「「絶対に次期公爵夫人にするぞー」」」


3人は円陣を組んでそういうのであった。




少しでも「面白いな!」「続きが読みたいな!」と思ったら下の☆の1番後ろをタップして☆を全て★にしていただけると、幸いです!スタンプ?的なのも押していただけるとめちゃめちゃ嬉しいのでよければ…!お願いします…!


また次話で、あなたとお会いできたら嬉しいです٩( ᐛ )و

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