第6章225話:連打
恐慌する傭兵たち。
そんな傭兵たちを喝破するようにゴルディアスが叫んだ。
「うろたえるな!!」
怒鳴り散らす大声が、渓谷に響き渡る。
うるさい声である。
しかしバタついていた傭兵たちが制止した。
「俺が殺る。お前たちは下がって見ていろ」
ゴルディアスが傭兵の合間を縫って、俺のもとへとやってきた。
傭兵たちは指示通り、後ろへと下がる。
ゴルディアスは俺の眼前で立ち止まった。
大剣をもてあそぶように振り回す。
「調子よく俺の部下をぶっ飛ばしてくれたが、テメエの健闘もここまでだ。ここからはこの俺が、一方的に蹂躙する」
「ほう。それは楽しみだ。口だけでないことを期待しよう」
俺は念力格闘術の構えを取る。
ゴルディアスが大剣で斬りかかってきた。
「!!」
ゴルディアスの水平斬り。
俺は回避する。
「ドラァッ!!!」
さらにゴルディアスが回転しながら、ふたたび水平斬りを放ってきた。
かなり速い攻撃だ。
「俺は、この国で最強だったグラストンを殺そうと思っていた!!」
ゴルディアスが大剣を振り回しながら、叫ぶ。
「だがテメエがグラストンを先に殺っちまいやがった!! 獲物を横取りされた気分だぜ!」
「……」
「だからよ、テメエをぶち殺すことができたら、グラストンに勝ったってことでいいよなァ!?」
ゴルディアスが大剣を豪快に薙ぐ。
避けた俺の背後にあった岩がスパッと切り裂かれた。
「別にそれで構わんと思うが――――」
と俺はつぶやく。
ゴルディアスが振りかぶり、振り下ろしてきた大剣。
ソレを俺は片手で受け止める。
「!?」
「お前ごときが俺を殺すことは不可能だ」
と俺は不敵に告げた。
そして念力格闘術で、みぞおちに蹴りを叩き込む。
「ごはァッ!??」
たたらを踏むゴルディアス。
「おのれ! 舐めるなァッ!!」
ゴルディアスが激怒しながら大剣を振り回してきた。
念力格闘術の一撃で沈まなかったのは、大した打たれ強さである。
だが――――
「弱い」
「ぐっ!?」
俺はゴルディアスの大剣を蹴り飛ばした。
ゴルディアスの手から大剣が吹っ飛ぶ。
「ちぃッ!!」
舌打ちをしたゴルディアスが素手で殴りかかってきた。
剣術だけでなく格闘術も極まっており、鋭い打撃であったが、俺は難なくさばいてカウンターを決める。
「ごっ!?」
殴る。
「がっ!?」
蹴る。
「ぐはっ!?」
殴打する。
サンドバッグのごとく連撃を叩き込む。
みぞおちへ。
腹へ。
脇腹へ。
ゴルディアスを滅多打ちにする。
「ぐっ、がっ!? ぐはぁっ!!?」
顔面に蹴りを食らったゴルディアスが大きく後退し、膝をついた。
「ば、バカな……この俺が、手も足も出ねえだと!?」
ゴルディアスが口から血を吐きながら、冷や汗を浮かべる。




