第6章223話:傭兵2
ゴルディアスは岩から軽々と飛び降りた。
圧倒的な存在感を持つ男だ。
「お前の首を獲れば、莫大な報酬が転がり込む手筈になっている。だからお前には死んでもらう」
俺は冷笑した。
「お前たちのような傭兵集団が俺に挑むのか。【影の使者】の最期を知らないようだな」
「影の使者?」
とゴルディアスは鼻で笑った。
「あの暗殺集団と俺たちとは違う。実力がないからコソコソと情けない戦い方をするのが暗殺者だ。だが俺たちは純粋な力で相手をねじ伏せる精鋭。一緒にしてると痛い目を見るぜ」
「痛い目を見る……か。それは楽しみだな」
と俺は笑った。
周囲には次々と傭兵たちが集結し、俺を完全に包囲した。
崖の上にいる連中も含めれば30人以上はいるだろう。
ゴルディアスが語った通り、全員が精鋭である。
「おい、テメエら!」
ゴルディアスが傭兵たちに声をかけた。
「いつも通りだ。数と力で叩き潰せ!!」
「「「「うおおおおえい!!!!」」」」
と傭兵団員たちが声を張り上げて応じた。
そして一斉に俺へと突撃する。
大剣、槍、斧など、さまざまな武器を持った者たちが、異なる角度から俺を狙う。
(影の使者のときと同様、周囲には誰もいない。サイコキネシスを使うか……?)
いや。
しばらくは念力格闘術でいいか。
そう思いながら、念力の力を全身にまとわせる。
「オラァ死ねや!!」
と傭兵の一人が槍を放ってきた。
盗賊のような顔つきと言葉遣いの男だが、その槍の一撃はゴロツキのレベルではない。
まるで槍騎士が放ってきたような一級の刺突であったが……
サイコキネシスは寄せ付けない。
槍がサイコキネシスの防護膜に触れた瞬間、柄がへし折れてしまう。
「な、なにィッ!?」
驚愕する傭兵。
折れた槍の先端部分が空中をくるくると舞っている。
俺はそれを掴み、傭兵の首へと突き立てた。
「がああああああァッ!!?」
血が噴射する。
最後に俺は傭兵を、回し蹴りで蹴り飛ばして絶命させた。
「ひひっ!!」
「やるじゃねえか!!」
二人の男が掛け声とともに斬りかかってくる。
仲間が死んだというのに傭兵たちは生き生きとしていた。
もっと殺して、絶望を教えてやるとしよう。
「ふっ!!」
相手は剣と斧によって攻撃を仕掛けてきていた。
だが俺は、攻撃を食らうことなどお構いなしに、念力格闘術による打撃を放った。
「がっ!?」
「あぶぁっ!!?」
胸に一撃ずつ拳を突き刺す。
胸骨が折れて心臓が粉砕し、二人の傭兵は絶命した。
ちなみに彼らの剣と刃は俺に届いていたが、サイコキネシスに阻まれ、俺にダメージを与えることはなかった。




