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第6章212話:敵対者の末路


ヴァルディンが激怒した。


臆病者おくびょうものめ! 自分の意志で参加しておきながら、今さら何を言う!!」


「違う!! 私はあなたに従わされただけだ!!」


リャドナン子爵は泣きながら反論した。


俺はリャドナン子爵を見つめる。


「お願いします! 許してください! もうあなたには逆らいません!!」


泣きじゃくりながら叫んでくる。


俺は無情に答えた。


「命乞いは認めない。死ね」


念力格闘術で接近し、リャドナン子爵を蹴り飛ばした。


次の瞬間、リャドナン子爵の身体をサイコキネシスで破壊する。


まるで蹴りの一撃でリャドナン子爵の肉体を破壊したような光景だが、もちろんサイコキネシスによる演出だ。


血と肉片が飛び散り、貴族たちの悲鳴が重なった。


ヴァルディン伯爵は顔から血の気が引いていた。


彼の年老いた手が震えている。


冷静さは失われ、目には恐怖と怒りが入り混じっていた。


「バカな……! こんなことをすれば、国中の貴族がお前に敵対する!!」


ヴァルディンは声を震わせて叫んだ。


「お前は一人で国を治められると思うのか!?」


俺はヴァルディンにゆっくりと近づき、冷淡な目で彼を見据えた。


「お前たち貴族は、この国の現状を理解していない」


俺は広間の中央に立ち、全ての貴族たちに聞こえるように声を上げた。


「この国は衰退の一途を辿っている。グラストンとハイドラ卿の統治下で、国力は底をついた。不平等条約、貴族の私腹を肥やす施策、限られた富を限られた者だけで回す体制……これが続けば、ベルナダ武人国に未来はない」


俺の声が広間にじんわりと広がる。


「領主制を終わらせなければ、国は衰退と滅亡の道を歩むことになる。ゆえに貴族には変わってもらうか、退場してもらうしかない」


ヴァルディンは怒りに顔をゆがませた。


「調子のいいことを! お前は我々が築き上げた秩序を壊そうとしている! それこそが混乱と破滅の道だ!」


「お前たちが守りたいのは秩序ではなく、利権だ。自分たちのカネを守るために、国を切り売りするグラストンどもに加担してきた。その体制を、これからも続けたいだけだろう」


「無知な小僧が!! カネが大事なのは商人のほうではないか!! 我々のように、国の統治に貢献してきた者と違って、やつらはただの守銭奴しゅせんどだ!」


ヴァルディンが必死で食い下がり、全力で訴える。


「もう一度言うぞ! 貴族なくして未来など無い! 商人を重視する国など、絶対に存続しない!!!!」


俺は笑った。


そして俺は念力格闘術の体勢に入る。


その威圧を感じたか、震える声でヴァルディンが告げた。


「や、やめろ……私を殺せば、全国の貴族が立ち上がるぞ」


「立ち上がるがいい。全て処刑し、無に帰すだけだ」


俺は冷酷に言い放った。


「国を変えるためならば、領主という階級そのものを消し去ることもいとわない」


ヴァルディンの顔から血の気が完全に引き、尊厳は失われていた。


彼は膝をつき、震える声で懇願し始めた。


「ま、待て。待ってくれ! 私はまだ役に立つ! 新王家しんおうけに忠実に仕えることを誓う!」


俺は無表情で睨み――――ヴァルディンに蹴りを浴びせた。


瞬間、サイコキネシスによって、ヴァルディンの肉体を破砕する。


『影の使者』を雇い、貴族を指揮していた老騎士は、あっけなく絶命した。







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