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第6章211話:貴族の本拠地2


「証拠はあるのか?」


ヴァルディンが尋ねてきた。


「証拠?」


俺は冷たく笑った。


「お前たちのようなおろものに対して、証拠を示す必要があるとでも?」


証拠など必要ない。


ただ力づくでねじ伏せるのだと主張する俺の言葉に、多くの貴族たちが膝を震わせた。


エルベック伯爵がついに耐え切れず、叫んだ。


「私たちには選択肢がなかったんだ! お前の政策は、我々《われわれ》貴族の基盤を根底からくつがえす! 我々の権利を奪い、商人どもに移譲いじょうしようとしている! 妨害するしか、生き残る道がないだろう!!」


「……それは、自白と捉えていいな?」


俺は満足げに告げた。


「エルベック伯爵、お前は死罪だ」


その言葉と同時に、俺は念力格闘術でエルベック伯爵に接近した。


エルベック伯爵の首をわしづかみにする。


苦しげな悲鳴を上げるエルベック伯爵。


「待て!」


別の貴族が叫んだ。


たしかリャドナン子爵という名前の貴族だったか。


「ロクな手続きもなく、勝手に貴族を処刑することなどできないはずだ!!」


俺は冷酷な笑みを浮かべる。


「国王への反逆罪、暗殺未遂の罪……この場で裁きを下すには十分な理由だろう」


俺はサイコキネシスの力を強め、エルベック伯爵の身体を締め上げる。


伯爵は苦悶の声を漏らし、次第に抵抗が弱まっていった。


そして俺はエルベック伯爵から指を離すと、念力格闘術によって蹴り飛ばした。


「ぐげばッ!!?」


すさまじい勢いで飛んでいったエルベック伯爵が、顔面から壁に激突し、首を骨折した。


壁に亀裂が走り、血が飛び散り、貴族たちから恐怖の声が上がる。


「さて……次はどいつにしようか?」


俺はつぶやきながら、ざっと目を走らせる。


さきほど俺に吠えてきたリャドナン子爵に目を留めた。


リャドナン子爵はビクッとして、近くにいた騎士たちに命じた。


「ご、護衛騎士ごえいきしども!! アンリを止めろ!!」


護衛騎士たちは戸惑っていた。


俺を恐れていたからだ。


しかし恐怖をねじ伏せて、腰から剣を引き抜いた護衛騎士たち。


俺は冷笑した。


「抜いた者は、敵とみなす」


そして俺は跳躍ちょうやくする。


目にもとまらぬ速さで護衛騎士の一人に近づき、その頭蓋ずがいを殴りつぶす。


さらに護衛騎士を2人、3人と瞬殺しゅんさつした。


「ひ、ひぃいいいいいいッ!!?」


リャドナン子爵は腰を抜かした。


俺は、子爵へと近づく。


「わ、私はただヴァルディン伯爵の指示に従っただけです! 計画はすべて彼が立てたのです!!」


と弁解を始める。


俺はその姿を冷徹れいてつな目で見据みすえる。








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