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第5章172話:戦士精霊


俺は、まず法廷の出口の扉を開けた。


裁判所の廊下に出る。


現在は誰もいない。


人払ひとばらいがされているのだろう。


俺は廊下を歩き出す。


裁判所のロビーにたどりついた。


ロビーには受付嬢などがいるはずだが……


現在は無人だった。


ただ一人、女がロビーの中央に立っていた。


古代ローマのようなトーガを着た女性である。


身長175センチ。


髪は肩にかかるぐらいの長さで、青色をしている。


瞳の色は黄金の色。


不思議な雰囲気だ。


どことなく神聖な印象を受けるが……


俺と彼女の目が合う。


そのとき。


俺の中にゾッとした怖気おぞけが走った。


全身の細胞が、危険を告げていた。


これは……


精霊ネアと対峙したときと同じ―――――


「―――――――!!」


慌ててサイコキネシスを最大級に重ね、防護膜ぼうごまくを張る。


直後。


女が、信じられない速度で俺に近づき、拳を振るってきた。


「ぐっ―――――――!!!!?」


腕をクロスして、女のパンチを受ける。


俺の腕に直撃したパンチは、想像を絶する威力を秘めていた。


全てを超越したような破壊力を前に、サイコキネシスが簡単に破られる。


だが。


「ぬおおおおおおぉぉぉああああ!!」


気合いでサイコキネシスの重ねがけする。


粉砕されたサイコキネシスのまくは再構築し、パンチの威力をできる限り減殺げんさいする。


そして。


「!!」


女のパンチが止まった。


余波よはで裁判所が崩壊するかと思ったが、意外なことに周囲には何の影響もなかった。


まるでパンチの圧力を完全に一点へと集中させ、一切、外に逃がさないような技術を使っているようだった。


「驚いたわ」


と女は感心した。


「まさか私の攻撃を受けきるなんて……人間の防御力とは思えない」


「くくく。当然だ。俺の鉄壁を前には、どんな攻撃も通用しないからな」


……ハッタリだ。


今のは強がっただけである。


もしもこんなレベルの攻撃を受け続けたら、あっという間に殺されるだろう。


精霊ネアですら、ここまで攻撃力が高くは無かった。


「お前は……この国の精霊か」


ベルナダ武人国の精霊。


名前は知らない。


ゲームでも会ったことがないからだ。


「そうよ。私はセラフィナ。ベルナダ武人国の守護精霊しゅごせいれいにして、戦士精霊せんしせいれいとも呼ばれているわ」


「戦士精霊……」


なるほどベルナダ武人国らしい精霊だ。


戦闘特化の精霊というわけである。


実際、こいつの打撃力は精霊ネアの比ではない。


まともに殺しあったらいけない。


殺られる前に【空間切断】で瞬殺しゅんさつするしかないだろう。


俺は空間切断の準備をした。







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