表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

177/216

第5章166話:裁判4

「アンリ被告が殺人犯さつじんはんなどというのは、うそであり、でっちあげだ!」


と裁判長が大声おおごえで宣言した。


もちろん俺のサイコキネシスによって操作したセリフだ。


裁判長は続ける。


「アンリ殿は次期国王にふさわしき御仁ごじん。そして、まもなく始まる国王決定戦を控える身。こんなくだらない裁判に、かかずらっている暇はない! 即刻、無罪の判決を出させてもらおう!」


「ち、血迷ちまよったのか裁判長!? アンリを有罪にするという段取だんどりだったはずだ!?」


とハイドラ卿が焦ったように尋ねた。


俺をおとしいれる算段をしていたことを、もはや隠しもしない。


しかし裁判長は告げる。


「ハイドラ卿。私はあなたの不当で、下劣げれつな圧力に屈しはしない。司法とは、常に潔白けっぱくかつ公正こうせいでなければならない!」


ハイドラ卿が驚愕と混乱で、慌てふためいている。


俺は盛大に笑った。


「くくく、くははははははははは!!!」


さらに俺は告げる。


「裁判長が、俺を無罪だと宣言しているのだ。俺は殺人犯ではなく、無実であることで決着だな?」


「貴様……まさか」


とハイドラ卿が、気づいたように俺をにらんできた。


ハイドラ卿が告げる。


「おい!! アンリが、何らかの力を使って、裁判を操ろうとしているぞ! よこしまな力で他者をコントロールし、あるべき裁判の結果を歪めようとしている!!」


そしてハイドラ卿は、背後に控えていた二人の護衛に命じた。


「おぬしたち、アンリを制圧せよ!!!」


すると護衛の騎士たちが動き出す。


男騎士おとこきし女騎士おんなきしが俺のもとへと近づいてくる。


剣は抜かなかったが、戦意はにじませていた。


「――――!」


男騎士が殴りかかってくる。


だが、俺は身をそらして回避した。


同時にカウンターの掌底しょうてい胸部きょうぶに叩き込む。


「かッ!?」


男騎士がうずくまった。


追撃を加えようとしたとき、女騎士が剣を抜き、刺突しとつを放ってくる。


しかし俺はすかさず反応し、女騎士の刺突を、素手で払いのけた。


「!?」


女騎士が驚愕に目を開く。


俺はそんな女騎士を蹴り飛ばす。


「がっ!?」


女騎士が吹っ飛んだ。


「貴様ァッ!!」


うずくまっていた男騎士が激怒しながら、剣で斬りかかってきた。


その斬撃を、俺はバックステップで回避する。


男騎士がさらに追撃の斬撃を放ってきたが、俺は斬撃をかいくぐって男騎士のふところに飛び込んだ。


次いで男騎士にアッパーカットを浴びせる。


「ぐはっ!!?」


男騎士が目を回す。


そんな男騎士の頭部を、俺はわしづかみにする


そして。


「ッ!」


グギッ!


と、男騎士の首を180度回転させた。


頚骨けいこつ粉砕ふんさいして、絶命する。


俺は殺した男騎士の遺体をゴミのように放り捨てた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ