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第5章155話:別視点2

ヴェイスが慌てて、武器である短剣を引き抜いて斬りかかろうとするが……


その斬撃よりも先に、アンリから凄まじい速さの蹴りが放たれ、ヴェイスの腹を蹴り飛ばした。


「がはぁッ!!?」


蹴り飛ばされたヴェイスが樹木に背中から激突した。


その激突の衝撃で樹木が倒れる。


息が詰まりそうになるヴェイス。


なんとか起き上がり、体勢を立て直す。


ヴェイスのそばに、アンリが目にも留まらぬ速さで移動してきた。


アンリが、かかと落としを放ってくる。


ヴェイスはそれを横に回避して、アンリの側面から短剣による刺突しとつを放つ。


完璧なカウンターだ。


しかし。


「甘い」


「!?」


刺突を避けたアンリが、ヴェイスの脇腹わきばらに拳を放つ。


アンリの攻撃は、あまりにも流れるような動作であり、ヴェイスは全く反応できない。


脇腹に拳が直撃する。


「がはっ!?」


ヴェイスが苦悶くもんの表情にゆがんだ。


さらにアンリがヴェイスの横顔よこがおを殴る。


次に腹を殴った。


「ぐ……がはっ!!?」


その拳の一つ一つは、信じられないほど威力が高い。


たった一撃を食らうだけでヴェイスの意識が飛びそうになる。


ヴェイスは思った。


(ここまで一方的になるなんて……!?)


総合闘技大会で観戦しているときは、自分とアンリのあいだに、ある程度の勝負が成立すると思っていた。


実力的に、それほど大きな格差はないと。


しかし認識が甘かったとヴェイスは実感する。


そしていよいよアンリがトドメの一撃を放とうとしてきた。


だが――――


そこにレナが迫った。


レナはヴェイスを救い出そうと、樹上から飛び降りながら、アンリに剣を振り下ろす。


しかしアンリは、レナの接近に気づき――――


すぐさまジャンプしてバクちゅうをしながら、レナに蹴りを食らわせた。


「くはっ!!?」


レナが吹っ飛んで、近くにあった岩石に激突した。


岩石を砕きながらレナが、地面に倒れる。


気絶はしていないようだが、かなりのダメージを負ったようで、立てないでいる。


(強すぎる……)


とヴェイスは身震みぶるいする。


アンリの戦闘能力は、想像を絶するものだ。


パワー、スピード、技術……どれを取っても圧倒的であり、次元の違う強さである。


今まで戦ってきたどんな強者よりも、アンリの強さは隔絶かくぜつしている。


勝ち目など無いと、十分、理解した。


(くそ……!)


ヴェイスは死の予感に戦慄せんりつする。







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