表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/216

第1章15話:格闘

サイコキネシスを発動しようとした、そのとき。


「ま、待って!」


と青髪の女が言ってきた。


「わ、私たちが悪かったわ! 降参する!」


降参のを示すように、両手をあげた。


さらに青髪の女が告げる。


「もちろん、あなたに敵意を向けたことについて、おびをする! お金でもアイテムでも、なんでも欲しいものがあるなら言って! 慰謝料としてちゃんと支払うから」


「……」


俺は一瞬、沈黙する。


そして、


「一つ言い忘れていたことがある」


青髪の女に向かって、告げる。


「俺は、命乞いのちごいをするやつが嫌いだ」


「――――――――」


俺は、青髪の女をサイコキネシスで爆散ばくさんさせた。


一瞬にして青髪の女が、ただの肉塊にくかいへと変貌へんぼうする。


「あ、ああ……っ」


赤髪の女が、いよいよ青ざめた。


俺は無慈悲に告げる。


「この通り、どのような命乞いにも耳を貸すつもりはない」


「……っ」


「最初に宣言した通り、お前たちは皆殺しにする。これは決定事項だ」


赤髪の女の顔に恐怖が浮かぶ。


俺はサイコキネシスを発動しようとした。


しかし……


「……」


ふと、思い至ったことがあった。


これから、この異世界において俺は、サイコキネシスを何度も使うことになるだろうが……


今回みたく惜しげもなくチカラを見せびらかすのは、良くないかもしれない。


能力の詳細を知られたら、対策を取られる可能性があるからだ。


だからサイコキネシスが、どんな能力であるかわからないよう、カモフラージュをすべきだろう。


……よし。


一つ、考えた。


俺はさっそく試してみる。


「ぬんっ!」


俺は、自分の足にサイコキネシスをかけた。


そして、思い切り加速する。


勇者や、こいつらを殺したことで、俺のレベルが上がっていたようだ。


サイコキネシスの加速に、足の筋肉がちゃんとついてきてくれる。


俺は高速で、赤髪の女の間合いに入り込んだ。


「あっ……」


いきなり間合いに入られた赤髪の女が驚愕きょうがくしている。


そんな女の腹部ふくぶに、俺は拳を叩き込む。


拳がヒットした瞬間。


俺はサイコキネシスで女の内臓を破裂させた。


「ごふっ!!?」


女が血を噴く。


さらに俺は、女の首筋に手刀しゅとうを叩き込んだ。


瞬間。


俺はサイコキネシスで、女の頚骨けいこつをへし折った。


首の骨が折れた女が、絶命する。


「ふむ……」


俺は、満足げにうなずいた。


いまみたく、サイコキネシスで足を加速させたり、


拳や手刀しゅとうがヒットした瞬間に、当たった部位をサイコキネシスで破壊したりすれば……


第三者だいさんしゃから見ると『徒手空拳としゅくうけん格闘家かくとうか』にしか見えないはずだ。


サイコキネシスの使い手であることは、隠すことができる。


(今後はこの戦い方を基本スタイルにして、普通のサイコキネシスは、必要なときのみ使うことにしよう)


と俺は意志を固める。


そして、この戦闘スタイルを【念力格闘術ねんりきかくとうじゅつ】と呼ぶことに決めた。





それから俺は、倒した4人から戦利品を回収する。


回収が終わったら、そのままガレイン岩山がんざん下山げざんするのだった。






第1章 完






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ