表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/216

第4章120話:宝部屋

「ところで、猫魔神ヴィシー」


「ん?」


「お前はノルドゥーラのように人間にへんげするのは無理だな?」


「無理ニャ! 人にへんげするなんて、相当すごい魔法ニャ!」


「――――だが小さくは成れるだろう?」


俺はそう指摘する。


猫魔神ヴィシーは全長30メートルもある巨大な猫だ。


行動をともにするにしては巨大すぎる。


ゲームではヴィシーは仲間になった後、【形態魔法けいたいまほう】によって小さな猫へと姿を変えられる。


ならば眼前のヴィシーも、それが可能なはずだ。


「よく知っているニャ。長らく使っていなかった魔法ではあるが、実演してみるニャ」


とヴィシーは告げてから、【形態魔法】を使った。


全身が光り、それから少しずつヴィシーの身体が小さくなっていく。


最終的には、そこらにいる猫と変わらない大きさへと縮まった。


「ニャー!」


とヴィシーが鳴いた。


その鳴き声は、普通の猫と変わらない。


「話せるか?」


「もちろん話せるニャ!」


とヴィシーが答える。


ノルドゥーラが感心したように告げる。


「すごい能力じゃな。こうしてみると、高ランクダンジョンのボスとは誰も思うまい」


「ああ、そうだな」


ヴィシーの見た目は可愛らしい猫そのものだ。


小さな猫の姿になると、ヴィシーの持つ圧倒的な魔力と威圧感も、ほとんど感じなくなる。


この猫を見て、最高ランクのダンジョンボスと思う人間はどこにもいないだろう。


「ヴィシー、これからお前を連れて地上に戻る」


「ニャ!」


「地上では、必要なとき以外は、そのサイズで過ごせ。お前が元の姿になると、地上では騒ぎになるだろうからな」


「わかったニャ。幸い、小型の状態を維持するのに魔力は使わないニャ。だからずっとこのままでも平気ニャ」


とヴィシーは了解した。


「では、外に出るぞ―――――いや。忘れるところだった」


と俺は思い出したようにつぶやいた。


ボスを倒した先には宝部屋たからべやがある。


入手してある【スレネの鍵】も使っておきたい。


「ボス戦後の報酬をいただくとしよう」


俺たちは、ボス部屋の奥へと進んだ。


最奥の壁に扉があり、開けるとそこに、宝箱が存在した。


中に入っているものは……


「アクセサリーか」


と、ノルドゥーラがつぶやいた。


宝箱に入っていたのは指輪のアクセサリー。


名前は【ザラ・アルネイト】。


黄色い宝石が埋め込まれた美しい指輪である。


装備すると、全ステータスが1.5倍に強化される。


最強ダンジョンのクリア後に得られる報酬ゆえに、なかなか破格の性能である。


「これはステータス強化アイテムだ。お前がつけろ」


と俺はノルドゥーラに渡した。


「よいのか?」


「ああ」


俺、ノルドゥーラ、ヴィシーのうち、最もステータスを強化しなければいけないのはノルドゥーラだ。


このアクセサリーをつければ、ノルドゥーラもヴィシーに近い実力を発揮することができるだろう。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ