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第4章117話:ボス部屋3

猫魔神ヴィシーはニャニャニャと笑った。


「面白いニャ! ならば次はもっと激しい攻撃でいくニャ!」


そして猫魔神ヴィシーが新たな魔法を展開する。


今度は風魔法だ。


ハリケーンが発生する。


本来ハリケーンとは縦に発生するものだが、やはりヴィシーのハリケーンは斜めに発生する。


俺を飲み込むような角度で、竜巻たつまきが襲ってくる。


(光魔法に雷魔法、そして風魔法……やりたい放題だな)


猫魔神ヴィシーはクリア後のダンジョンに出てくるボス――――いわばエンドコンテンツだ。


ゲーム本編のボスたちと違って、攻略難易度が桁違いに高い。


使ってくる魔法も多彩であり、威力もおかしい。


(しかしそれでも、サイコキネシスのチートぶりには敵わないがな)


精霊ネアとの戦いによって、サイコキネシスの質も向上した。


エンドコンテンツのボスごときに負けることはない。


「ハァッ!!」


と一喝の声をあげつつ、俺はサイコキネシスによってハリケーンを吹き飛ばした。


「むむむ……! わらわのハリケーン攻撃を消し飛ばしたニャ!?」


猫魔神ヴィシーが驚く。


少し余裕の表情が曇り、警戒を強めた目つきをしてくる。


俺は言った。


「くく、どうした? もう終わりか?」


「!!」


俺の挑発的な態度に、猫魔神ヴィシーが言い返す。


「この程度でわらわの力を知った気になってもらっては困るニャ」


そしてヴィシーは告げた。


「ならばこれを食らってみるニャ……ンニャアアアアアッ!!!!」


猫魔神ヴィシーが咆哮を上げる。


かつて聞いたことがないレベルの大咆哮だいほうこうだ。


その大音量だいおんりょうによって、俺の耳を破壊し、気絶させる算段だろう。


だが。


「無駄だ。俺には効かない」


サイコキネシスで耳を保護し、大音量の攻撃を遮断しゃだんする。


「これも防ぐニャ!? 驚くほど守りが堅い人間ニャ!」


「たしかに守るのは得意だが、それが俺の全てだとは思わないことだ」


と俺は不敵に笑う。


そして念力格闘術の構えを取った。


「そろそろ反撃といこうか。俺の攻撃も受けてみるがいい」


「ニャニャニャ! 反撃などさせるかニャ!」


と猫魔神ヴィシーは言いつつ、前脚まえあし後脚うしろあしに、赤い炎をまとわせる。


その状態で宙に浮いた。


そしてヴィシーは浮遊した状態から、縦に回転し始めた。


まるで高速回転する歯車はぐるまのような動きで、ヴィシーは俺に突っ込んでくる。


「死ねニャーー!!」


ヴィシーの巨体が回転しながら近づいてくる。


俺は呼気を一つ。


「ハァッ!!」


念力格闘術によるパンチで、下からすくい上げるようにヴィシーをぶん殴った。


もふもふした毛並みと肉に、俺の拳がめりこむ。


直後。


「ンニャーーー!!?」


猫魔神ヴィシーが俺の拳に打ち上げられて、思い切りぶっ飛んだ。






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