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第4章112話:ダンジョン3

中層もなんなく突破する。


12階。


いよいよ下層だ。


下層は、マグマが流れる溶岩ようがんゾーンとなっている。


ただし一般的な赤色のマグマではなく、青色のマグマだ。


魔力が大量に含まれているため、マグマが青く染められているのだ。


横幅も、天井の高さも、500メートル以上ある。


ところどころに彫刻のほどこされた石柱せきちゅうが点在していた。


それらの石柱は、人が建造したものではなく、ダンジョンが生み出した構造物である。


「ここから下層だ」


「もう下層か。速かったな」


上層から下層まで、わずか1時間ほどで到着した。


間違いなく最速の攻略速度であろう。


「魔力の密度が濃いのう……気分が悪くなりそうなほどじゃ」


「レベルが上がれば、この魔力にも耐えられるようになるだろう」


「おぬしは平気なのか?」


「平気だ」


俺はサイコキネシスの膜を張り、魔力に当てられないように防護している。


もしも生身だったら、周囲にただよう濃厚な魔力によって、失神していた可能性もある。


「とりあえず奥に進むぞ」


俺たちは下層を歩き始める。


10分ほど歩く。


あちこちで青いマグマが噴射したり、溶岩がポコポコと弾けたりしている。


魔力も濃密だが、熱気も凄まじい。


もちろん熱に関してもサイコキネシスでシャットアウトしているが……


もしも生身だったら、いろんな意味で大変なことになっていたマップである。


「む……」


と俺はくぐもった声を漏らして、立ち止まった。


何かの気配を、上から感じた。


見上げると、天井から落下してくる存在があった。


「魔物だ」


と俺はつぶやく。


ノルドゥーラが警戒の目で、俺の視線を追って上を見上げる。


落下してきたのは、縦も横も10メートルぐらいある巨大な悪魔だ。


水色の体表をしている。


巨大な翼を持っている。


――――ハバルデーモン。


クリア後のダンジョンに出てくる凶悪な悪魔である。


「グギャアアアアッ!!!」


とハバルデーモンは、俺たちと対峙するなり、魔力を集中させる。


複数の魔法陣がハバルデーモンの足元に出現する。


俺は叫んだ。


「跳べ!」


そして宙へとジャンプする。


ノルドゥーラも俺の指示にしたがい、跳んだ。


直後。


ハバルデーモンの魔法が炸裂する。


それは超強力ちょうきょうりょくな衝撃波であった。


物理すらともなう衝撃波が、周囲にあった大地を粉々《こなごな》に破壊する。


消えた大地のあとには、青いマグマが流れ込んできて、新しいマグマの海を形成し始める。


「なるほど……足場を粉砕したのか」


と俺は納得する。





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