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第4章107話:グレートオーガ

「バケモンかよ……!」


「こんなに強いなんて聞いてないわよ!?」


と盗賊たちが恐慌する。


俺は恐怖に飲まれ、足がすくんでいた盗賊たちを、念力格闘術で殺し尽くしていった。


そして。


あらかた殺戮さつりくを終えたあと、残るは青髪の女盗賊だけになっていた。


辺りはとっくに血の海だ。


鉄のような血臭が鼻腔に押し寄せる。


「そ、そんな、これだけの数を、たった二人で……ッ」


女盗賊が青ざめている。


俺はフンと鼻を鳴らした。


「だからお前たちを『愚か』だと評したのだ。後悔は先に立たないものだな?」


「くっ……だけど! まだ終わってないわよ!」


と青髪の女盗賊は叫んだ。


彼女は告げる。


「私には……奥の手がある!」


「ほう」


俺は目を細める。


青髪の女盗賊は、手のひらを地面へと向けた。


何かしらを詠唱する。


次の瞬間。


地面に魔法陣が現れた。


召喚魔法陣である。


召喚されたのは、一匹のオーガだった。


ギラついた赤い目。


紫色の体表。


筋肉質で、3メートルはあるだろう巨体。


鋭い牙。


右手には巨大なこんぼうを持っていた。


「グォオオオオオオッ!!」


とオーガが咆哮ほうこうをあげる。


空気が震えるほどの大声だ。


俺はサイコキネシスで鼓膜こまくを防護する。


オーガの咆哮が終わったので、俺は告げた。


「なるほど。召喚魔導師なのか」


「ふふ、そうよ! 私はいつでも、このオーガを召喚することができる。Bランクモンスターのグレートオーガをね!」


一般的なオーガはCランク。


そしてグレートオーガは、オーガの上位種じょういしゅであり、Bランクに相当する。


「グレートオーガを捕まえるのには苦労したわ。でも、こいつを召喚できるようになったことで、どんな悪事だって楽々とこなせるようになった。だって、一流の冒険者でも、グレートオーガには歯が立たないぐらいもの!」


「まあ、そうだろうな」


一流と呼ばれる冒険者や傭兵が複数集まって、なんとか制圧できるような魔物だ。


そんなグレートオーガをいつでも召喚できるならば、彼女はあらゆる戦いで優位に立てただろう。


しかしもちろん。


グレートオーガごときに、俺たちが苦戦することなどありはしないが。


「くくく」


と俺は笑ってから、告げた。


「そちらが魔物のお披露目をしてくれたのならば、俺も応じなければならんな? おい、ノルドゥーラ」


「なんじゃ?」


「この女に、お前の真の姿を見せてやれ」


「ふむ……わかった」


とノルドゥーラは了承した。


女盗賊は焦りを含んだような声で問いかけてきた。


「な、なによ……何をするつもりなの?」


「見ていればわかる」


と俺は不敵に笑った。


ノルドゥーラが竜の姿へのへんげを開始する。



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