第4章105話:乱戦
ノルドゥーラは呆れたように感想をこぼす。
「身の程をわきまえぬ愚か者ばかりじゃな。人間とはかくも愚劣な生き物だらけなのか」
「人間という言葉でひとくくりにしてはいけないぞ。賢いやつもいる。この盗賊たちがバカなだけだろう」
と俺はノルドゥーラの言葉を訂正した。
すると盗賊たちがいきり立つ。
「なんだとこの野郎!」
「あたしたちを煽るなんて……状況がわかってるのかしら」
「俺たちをバカにすんじゃねえよ!」
「お頭ぁ、早く殺っちゃいましょう!!」
口々に言いながら、殺意をむきだしにする盗賊たち。
青髪の女盗賊が告げた。
「そうね。殺してしまいなさい。やられた仲間たちの敵討ちよ」
その命令で、盗賊たちが武器を握る。
一歩一歩と、俺たちに近づいてくる。
俺は言った。
「まあ、戦いたいというなら相手をしてやろう。無残な結果になっても恨むなよ」
すると。
「ははァー!! 数を見てから言えやボケがァ!!」
盗賊の男性が、ファルシオンのような武器を持って飛びかかってくる。
ファルシオンを上段から振り下ろしてきた。
その攻撃を、俺はくるりと回避しながら、念力格闘術による回し蹴りを食らわす。
それが盗賊の首をあごに直撃した。
「ぐぼぶっ!!?」
首を骨折しながら男性盗賊は横に吹っ飛び、仲間たちに激突する。
次に、一人の女盗賊が、双剣を持って斬りかかってくる。
「死ねェッ!!」
俺は自分の両手を手刀の形に変えて、女盗賊の双剣に叩きつける。
手刀と双剣の激突。
敗れたのはもちろん双剣である。
「なっ!?」
女盗賊の双剣は、俺の手刀によって綺麗に叩き折られた。
驚愕する女盗賊。
「死ね」
と俺は告げて、女盗賊の腹をすくいあげるように蹴りつける。
「あぐがぁっ!!?」
高く宙に蹴り上げられた女盗賊が、地面に落下し、絶命した。
そして俺は。
次々と盗賊を殴り、蹴り殺していく。
男盗賊の胸を殴る。
「がっ!?」
女盗賊の首を手刀で叩き折る。
「ぐごっ!!?」
「ひっ!? つ、強い……!? ぐぎゃあぁッ!!?」
わずかにジャンプしてのかかと落としで、別の女盗賊の頭蓋を粉砕した。
虐殺である。
数が多いので、時間をかけず、全て一撃で殺していく。