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第4章97話:森を進む

そこにミノタウロスの魔物がいた。


3メートルぐらいの体格がある。


ミノタウロスは俺の存在に気づいて、斧を持って突っ込んできた。


(空間切断)


縦横じゅうおうに両断して、瞬殺しゅんさつする。


そのとき、後ろで河川が爆発するような音がした。


水の中から、ノルドゥーラが巨大な魔物と一緒にがってきたところだった。


魚型の魔物である。


ノルドゥーラがアッパーカットで殴りつけて打ち上げたようである。


さらにノルドゥーラは、刃風はふうを発生させて魚魔にぶちあてた。


魚魔が真っ二つに切り裂かれる。


ノルドゥーラは、両断された魚魔の肉体を踏み台にしながらジャンプし、陸地へと着地した。


「ふう……川の中にあのバケモノがいて、焦ったわい。食われるかと思ったわ」


まあノルドゥーラなら、食われてもすぐに脱出できるだろう。


なんとなれば、魔物の胃袋いぶくろの中で、竜の姿に戻ってやればいいのだから。


「ここはどうやらデカい魔物が多いようじゃな。竜玉は近くにあるのか?」


「近くにはあるが、もう少し浅層せんそうにある。……ここは樹海じゅかい奥地おくちだ。ゆえに魔物も強い種が多いんだ」


ミノタウロスは、巨大な魚魔などは、上位レベルのモンスターである。


俺やノルドゥーラなら楽々と倒せるが、本来なら、上級冒険者でないと相手にできないような怪物たちだ。


「まあ、進むのは明日にしよう。日が暮れてきたからな。今日は、この川のそばで野宿だ」


「わかった」


とノルドゥーラが同意する。


俺たちは、焚き火の準備をして、野宿をおこなうのだった。





翌日。


朝。


晴れ。


日が昇ってきたころに、テントを片付けて出発する。


森に入る。


そこは樹海であり、山野である。


段差が激しく、大きくくだざかになっているところもあれば、ほとんど崖のようになっている急峻きゅうしゅんのぼざかがあったり……


倒木が倒れていたり、こけむした岩々《いわいわ》が足元を埋め尽くしていたり……


まともに進むのが困難な悪路あくろだ。


こういう場所では、普通に歩くのではなく、着地できそうな場所にジャンプしながら、前進していく。


ジャンプして、岩の上に乗る。


またジャンプして、今度は大木たいぼくの根のうえに乗る。


またジャンプして、今度は盛り上がった高台のうえに乗る。


そうやって跳躍を繰り返しながら、俺とノルドゥーラは、森の浅層へと向かって進んでいく。


「おっと」


途中で巨大な魔物がいた。


5メートルほどの全長を持つコモドドラゴンのような魔物である。


『空間切断』によって瞬殺する。


「む?」


そのとき。


何者かが横から現れて、ノルドゥーラを吹っ飛ばした。


俺は肩越かたごしに振り返る。


ノルドゥーラが紫色の体表を持つ2体のオーガに殴りかかられていた。



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