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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
8/34

「雷鳴」

「それじゃちょっと遠いけど早速向かいましょうか。」

翌朝。3人は館長に教えてもらった図書館へと向かった。

「まさか、隣町に図書館があったなんて知らなかった。」

「この世界に何周も住んでいても知らないことはあるでしょう。気にする必要ないわよ。」

うんうんとローンもうなずいた。

「うぅ。今でもこの世界がループしてるなんて思えない。」

いまでも不思議な感覚だ。自分何の変哲もない生活をしていた世界が何回も同じループをしていたなんて信じられない。



「ちょっとすみません。そこの御三方?」

図書館に向かう途中1人の人物が声をかけてきた。目をやると1人の女性が立っていた。服装上下共に白色のローブを着用していた。

「・・・あなたは?」

梨杏が睨みつけながら話す。

「おっとこれは失礼。私駆け出しながらこういうことをやっておりまして。」

思わず3人共身構えた。女性は懐から大きな水晶玉を取り出した。

「水晶玉?」

「そんなのあるんだな。」

「占い師なのかしら?」

「そうなんですよね。一応そうなのっております。」

どうやら?占い師らしい。

「占い師とはなんぞや?」

ピッくっと占い師が反応した気がした。

「こんな時に喋るな。」

小声でアリスが話す。

「どうかされました?」

「いえいえ。何でもありません。」

アリスが全力で拒否する。

「なにを占っていただけるのかしら?」

梨杏が咳払いをしながら聞く。

「あー一応未来とかこれから起こりそうなことを占うことができるのですが、」

「へぇーそりゃすげぇ!一回やってもらおうぜ!」

ローンがノリノリで反応する。

「未来を知ることできるねぇ。胡散臭いわね少し。」

梨杏がジト目で占い師を見つめる。

「まぁ。そうっすよね。」

「私は、遠慮しとく。」

アリスは答えた。

「あら?以外ね。あなた1番知りたそうなのに。」

「良いのか、知っておいた方が今後の対策にもなるとおもうのだが?」

ニカルがアリスに向かって質問した。

「未来を知れたからって、対策できるとは限らないでしょ。それに知れたからって絶対その通りとは限らないし。変えられるかもだから、興味ないかな。」

「なるほどね。一理あるわね。」

梨杏も共感する。

「そういう考えもあるのか。」

ローンも考え込む。

「まぁ、私も突然声をかけてしまいましたので、全然気にしないでください。」

「すみません。今回は縁がなかったってことで。」

3人は申し訳なさそうに謝罪をしながら、図書館へと足を急いだ。

「それでは、あなた方の未来に幸が有りますように。さようなら。」

占い師は3人と別れた。



「ちょっと気になるから占ってみましょうかね。あの3人を・・・」

3人と別れたあと興味本位で占ってみることにした。

「どれどれ?」

水晶玉を目の前に置いて念じ始める。

「むむ!かぁー!」

水晶玉にあの3人の未来が浮かび始める。

「むむ!これは!え?これは一体?あの3人に起こる未来は、まさか。これは伝えなくてはいけないのでわ?」

信じられない占い結果に慌ててしまう。占い師が3人を追いかけようとした瞬間。

「余計な詮索はやめてもらいたいわね。」

突如何もない空間から人がでてきた。

「え?え?え?」

余りにも信じられない光景に呆然としてしまった。

「一体?あなたはどこから?」

「そんなこと貴方が気にする必要すらないわよ。我らが救済の邪魔するものは一般人だろうと、容赦はしない。申し訳ないけど、協力してもらうわよ。」

「う。」

先程まで占い師がいた場所は誰もいないように静かになっていた。そこにまるで人がいなかったようにー。


「「「着いたー。」」」

あれからも何時間か歩き、ようやく辿り着いた。

「まさか軽く山越えするなんて思わなかった。」

「我は楽であったぞ。」

「アンタはずっと私のポッケにしまってあるからね!!」

アリスがニカルに向かって叫ぶ。

「休んでる暇はあまりないわね。早速入りましょう。」

肩で息をしながら図書館へと歩みを進める。館長さんに教えて貰った図書館は、前の図書館より古く見える。外壁はレンガで造られておりレトロな雰囲気を感じる。建物の上側はガラスになっており自然の光が違和感なく入り込む感じのとても素敵な図書館という印象を持つ。

「すごい。」

梨杏が天井を見上げて呆然とする。

「いらっしゃいませ。ご利用は初めてでしょうか?」

アリス達が入り口に立っていると、この図書館の館長だろうか?が話かけてきた。

「あーえっと。」

アリスがしどろもどろになって返事をした。

「この町の歴史について知りたいのですが?歴史の書物がある場所はどこかしら?」

梨杏が返答した。

「あーなるほど。あっ!申し遅れました。私この図書館の館長を勤めております。」

「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「気になりますかね?では名字だけ、私上杉と申します。」

館長が名前を名乗った。梨杏はトークを続けるとがうまいみたいだ。服装は、水色のワンピースを着用していて、上に白のセーターを羽織っていた。

「それより。歴史の書物ですよね?少々お待ちください。」

館長は奥に歩いて行った。

「追わなくて良いのか?」

ニカルが呟く。

「多分誰か呼びに行ったんじゃない?わかんないけど。」

アリスが答える。

「とりあえず。座って待ちましょうか。」

アリス達3人は、図書館の横の方にあるイスが何脚もある場所に座って待つことにした。日の陽気にウトウトしていると、

「すみません。大変お待たせしました。」

館長の上杉さんが、1人の女性を連れてやってきた。

「こちらの方は?」

「私たちの図書館は、コーナーごとにスタッフを配置しておりまして、それぞれ案内できるようになっております。」

「なるほど。」

それだけ広いということなのだろう。

「・・・初めまして、この図書館で歴史コーナーの案内をしております。キュルアーと申します。」

キュルアーと名乗った女性がアリス達の前に出てきた。外国の女性だろうか?指定の水色のワンピースを着用しており、黒色のセーターを羽織っていた。顔がとても整っており、白色の肌、金髪のロングの髪、目の色が珍しいオッドアイになっていた。

「・・・はじめまして。」

アリスが息を呑んで返事をした。目の焦点がどこにあるのか全くわからない。

(・・・どこみてるんだろう?逆に怖すぎる。)

「どうかされましたか?僕の顔に何かついてますか?」

キュルアーが首を傾げた。

「いえ。すみません。あまりにもお綺麗でしたので、見惚れてしまいました。」

「そうですか?僕になんの魅力があるかわかりませんが・・・」

「それより。キュルアーさん。この3名様を案内してもらえますか?」

上杉さんが咳払いをして、話を続けた。

「了解いたしました。」

キュルアーがくるりと回転をして、歩みを進めた。

「僕についてきてください。遅いとおいてゆきます。」

スタスタと歩いて行ってしまった。

「え?」

「っておいおい。早くいくぞ。」

ローンがキュルアーの後を急いで追う。

「図書館では走らないでくださーい。」

ローンが上杉さんから注意を受けた。

「色々と制約があるんだな。」

「そうね。ルールがあるから、安全に利用できるのだから。守らないと。」

梨杏がローンに向けて話す。

「ほら、アリスもキュルアーさんを追うわよ。」

呆然としているアリスに向かって梨杏が声をかける。

「あぁ。うん。」

呆然としていたアリスが梨杏を追う。

「それでは、ごゆっくりご利用ください。」

上杉さんがペコリと頭を下げる。

「ねぇ。ニカルちょっといい?」

小声でアリスがニカルに話しかける。

「なんだ?図書館では喋るなというておったではないか。」

「そうなんだけど、少し気になって、」

「なんだ?緊急性があるのか?」

「えっとそれは・・・」

アリス達は歴史のコーナーにたどり着いた。前の図書館とは比べようのないほど書物が多い。

「確かにこれならありそうね。」

「この中にあるのか?」

ローンの表情が歪む。

「なにも成果がないよりは、少しでもあった方がいいと思うけど。」

「この世界の理が少しでもわかればいいのだけど・・・」

梨杏が一冊の本を取り出して読み始めた。

「うへぇ。やんなきゃなのかぁ?」

「頑張りましょ。」

アリスとローンも手前の本を取り出して読み始めた。

「やっぱりないわね。」

「本当にあるのか?」

あれから沢山の本を読んだ。しかしこの世界の歴史がわかるような本が全く見つからない。

「お客様。そろそろ閉館時間となってしまうのですか?お探し物は見つかりましたか?」

キュルアーが歩いてきた。

「あぁ。すみません。もうそんな時間ですか。」

どうやら前回と同じく、閉館時間になっていたようだ。

「ところで他の利用者さん達は?」

周りを見ると利用者の声が聞こえず。キュルアー1人のようだ。

「今日は僕が閉館作業の担当者なので、僕以外は皆さまおかえりになりました。」

(あれ?キュルアーさん指輪なんてしてたっけ?)

アリスはキュルアーが左手の小指につけていた指輪に目がいった。どこにでもあるような指輪だが、ダイヤ?なのかわからないが緑色のダイヤが装飾されていた。

「アリス?どうかした?」

梨杏の声かけで、我を取り戻した。

「ううん。なんでもない。大丈夫大丈夫。」

首を横に振る。

「そう?ならいいんだけど。」

梨杏がキョトンとした。

「因みになぜ歴史が知りたいのですか?」

キュルアーが質問をしてきた。

「私達この町のにきたばかりなので歴史を知っておきたいんですよ。」

ローンが今日読んだ本を戻しながら頷く。

(笑った?)

キュルアーが一瞬微笑んだように見えた。

「ニカル!!」

アリスが叫ぶ。

「まさか、小娘の仮説が立証するとはな!」

ニカルがレイピアへと姿を変えた。

「ちょっとアリスここでの変形は流石に、」

梨杏とローンは突然のアリスの行動に動揺する。

「やっぱりあの時見えてたんですね?」

アリスがキュルアーに向かって話す。

「アッハ。ハハハッ。」

キュルアーが不敵に高笑いする。

「な、なんだ?何が起こってる?」

「ローンしっかりしなさい。トランプお願い。」

梨杏がポケットからトランプを取り出す。

「どういう状況?」

トランプから出てきた女性は辺りを見回す。

「よくわからないけど、まずい状況だけってことはわかるわ。戦闘準備開始。」

トランプと杖を取り出し、戦闘体制へと移行した。

「うお?え?よーわからんが、コイン出番だ。」

ローンも動揺しながら同じくポケットからコインを取り出した。

「運命の選択肢よ。力をかしてくれ!」

ローンはコイントスをした。

「今回は裏か。」

どうやら、裏がでたみたいだ。

「久しぶりに呼んだな。」

コインから白い煙が発生して、魔神のようなデカい化け物が出現した。

「よろしく頼むぜ。アゼグ。」

どうやら、名前がありローンはアゼグと呼んでいるようだ。アリス達はそれぞれ闇のアイテムを構えキュルアーを警戒する。

「やっと見つけた。あなた達が彼の方の言ってた抗い者達なのね。」

キュルアーが黒い影に覆われる。

「これは、まさか。」

「こやつは、あの少年の仲間だ!!」

ニカルが叫ぶ。

「「え?」」

「やっぱり!」

3人が同時に声を上げる。あの少年の仲間ということは、救済をしようとしている者ということになる。

「僕らの救済の邪魔は決してさせないよ。ここで消しておいた方が彼の方のためにもなるだろう。」

キュルアーが左手の小指にはめた指輪を掲げた。

「僕らが、救済の為・・・能力を解放せよ!!」

キュルアーの指輪が光り輝く。眩しい光に図書館全体が包まれる。

「さぁ。ニーベル楽しもうか。」

ニーベルと呼ばれ大蛇の姿をした化け物が出現した。

「蛇だ。」

「これは、大蛇じゃないかしら?」

「大蛇にしては・・・でかすぎない?」

三者三様様々な意見が飛ぶ。

「お前ら!今は戦いに専念しろ!」

ニカルが叫ぶ。トランプの魔女も杖を取り出して炎を燃やし構える。

「アハっ!情報どおりだぁ。たのしみぃ。どんな能力なの?面白そう。」

キュルアーが不気味に笑う。大蛇が唸る。

「そうだね。存分に楽しみなよ!ニーベル。久々の餌なんだからさ。」

「くるぞ!」

ニカルの叫びと共に大蛇が襲いかかってきた。

「うわっ!」

大蛇の舌がアリスに向かってくる。

「ニカルお願い。」

アリスがニカルを強く握る。

「わかっておる。」

舌とレイピアの剣先がぶつかる。

「魔女お願い。」

「ええ。炎よ敵を燃やし焼き払え!」

炎がキュルアーと大蛇を飲み込もうとする。

「へぇ。これで閉じ込めたのか。」

「これで、終わらないわよ!」

梨杏がトランプを弾く。手には、ハートのエースが握られていた。

「魔女、エースの力解放せよ!」

ハートのエースの絵柄を魔女に掲げ、叫ぶと同時にトランプが燃えた。魔女持っていた武器が杖から弓へと形を変えた。

「これで、狙い打つ!」

矢を構え蛇へと向ける。

「ズバッと狙うわよ!」

「へぇ。そんなので当たるのかな?ニーベル!」

蛇の舌が今度は魔女へと向かう。

「ニーベル?」

蛇が突然動かなくなった。蛇とキュルアーの横に炎でよく見えなかったが、ローンが立っていた。

「へへ。簡単には動けねぇよな。これで。」

コインの能力だろうか?

「アゼグそのまま頼むぜ!」

「はぁー。こんな仕事したくないんだけど、まぁ何もしないで世界が壊れるなんて見たくないものだからね。協力できることなら沢山するよ。」

よく見ると炎の周りに煙がたくさん発生していた。

「この煙には麻痺効果あるから、しばらく動けねぇだろ。」

「へぇ。雑魚は雑魚なりに抗うんだな。」

キュルアーがニヤリと笑う。

「魔女!やっちまえ!」

「狙いは外さない!」

魔女が弓を放った。炎の矢が大蛇に当たるーーその瞬間。

「ゴロゴロ。ゴロゴロ。」

(雷?)

アリスが疑問に思った。

建物なのに不自然になる。雷の音がした。

「何かが崩れる?」

「小娘?何を言っておる?」

どこからだ?アリスが上を向いた瞬間。

図書館の天井がピキピキと、ヒビが走り始めた。

「何かが、壊れる?」

パリーんと大きな音が図書館に響く。先程まで何もなかった空間から、あの少年ともう1人男性が現れた。

「え?」

「何が起こった?」

魔女の放った弓と炎の渦がかき消された。

「どういうこと?」

なぜ急に少年が出てきたのかわからない。

「あれ?別の任務じゃなかったっけ?なんでここに出てこれるの?」

「俺に聞くな!ここにつながってるなんておもわねぇよ!」

少年とキュルアーが話す。やっぱり仲間のようだ。

「ここは、一体どこなんだ?」

男性の方を見ていると全身が黄色基調の服を着用していた。首元にはマフラー、厚底ブーツ、手にはトゲトゲしているこん棒の様な武器を持っていた。周りはビリビリと雷を帯びていた。先程なった、雷は彼が鳴らしたのだろうか?

「貴様らの敵なのか?」

アリス達の方を向かい話す。

「私達は、あなたの協力者よ!」

梨杏が叫ぶ。

「チィ!色々と面倒になってきたな。」

「僕達意外とピンチだったりする?」

「黒き旗の元に集え!」

少年が旗を掲げドンっと音を立てて獣を呼び出す。少年の周りに獣が集いだす。

(あれ?数が増える?)

「なにがよくわからんが、あやつは倒さなければならんのだな。」

男性が武器を構え少年とキュルアーに向かう。

「雷の一撃に沈めぇー!!」

男性が飛び、手に持った武器に雷を纏わせて獣の叩きつける。獣が一瞬にして消える。

「おっと!想像以上にすごいなこれ。」

「いける。このまま押し切れば。」

アリス達が一気に畳み掛ける。

「収穫があっただけマシと思った方がいいでしょう。」

「え?あれ?」

一瞬時が巻き戻った?少年の足元には倒したはずの獣がいた。

「何が起こった?」

少年とキュルアーの後から1人の女性が歩いてきた。

「っ!あなたは!」

梨杏が叫ぶ。

「あら?どこかで聞いた声だと思ったら、2人して同じ核に飛ばされてたのね。不思議な縁があるものね。」

歩いてきた女性は、どうやら、梨杏とローンが記憶を失う前に見たという少女だという。少女の見た目が黒いモヤのようなものに囲まれていて、確認することができない。

「何人増えようとも!やることは変わらん。ここで終わらせる。」

男性が再びコンボウに雷を纏わせる。

「キュルアーここまでの導きお疲れ様。そして、あなたピースをよく見つけたわね。これで、我らが救済に近づく。」

男性が高く飛びコンボウを3人に向かって振り落とす。

「あなたが私に叶うわけないでしょ。」

少年がボソッとつぶやいた。また男性が、先程と同じように攻撃を仕掛ける前に戻っていた。

「攻撃が届かない?」

混乱してしまう。

「いいものを見つけたの。さっさと帰りましょう。ちょっと予想外が発生したけど。」

3人が帰ろうとした。

「逃すわけねぇだろ!アゼグ!」

「あいよー!」

ローンが煙を発生されて逃さないようにした。

「はぁ。うるさいわね。本当。」

少女が睨んだように見えた。アリス、梨杏、ローンそれぞれが、謎のダメージを負った。

「小娘?」「梨杏?」「ローン様?」

3人がそれぞれ倒れた。

「ぬぅー、、」

男性もダメージを負ったようだが、なんとか片膝をついて立っていた。しかし、肩で息をしてる。

「やっぱりピースはすごいわね。加減をしたつもりなのに耐えるなんて・・・」

少女が不敵に笑う。

「楽しませてくれたお礼よ。」

少女が指を鳴らした。「パチン」と音が響いた。3人と1人の男性。ニカル、魔女、アゼグは最初の拠点に飛ばされていた。

「ここは、拠点?」

「飛ばされたのか?」

「それとも助けられたのか?」

「そんなことはどうでもいい。応急処置しないと、このままだと危険よ!」

魔女の一声で、アゼグと魔女は処置を開始する。ニカルはシャープペンシルからレイピアへと姿を変えることはできるが、人形へと変形することができない為、何もできない。

(あやつらが、救済しようとしているのか?あんな力をもつものにかなうというのか?)



「はい、お疲れ様。」

「いいのですか?逃しちゃって、殺しちゃったほうがこっちのためでは?」

「なんで、ピースまで殺すんだよ。」

「あなたも良く善戦してたわね。まだ、力溜まってないんでしょ?」

「結局あの世界でもあまり力貯まらなかったんだよな。それにまさかピースがいるとは思わなかったしな。」

「そんな簡単に見つかるものなのか?」

「見つかったら苦労しねぇよ。」

「そうね。今回の場合はたまたま最初の核で見つかったってだけであるからね。」

「残りの候補は?」

「わからん。」

「そんなので大丈夫なのか?」

「っていうかお前誰だ?」

「ヴェ?仲間だよね?僕の名前わからないの?」

「キュルアー無理もないわよ。だって、こいつの新名は・・・・」

「あぁ。そうだったね。・・・でも僕は君から造られたんだから覚えてほしいけどな。少し寂しいよ。」

「キュルアーか?うーん。指輪、シャープペンシル、トランプ、コイン・・・ダメだ、思い出せん。」

「それにしても、女性の見た目で僕はびっくりするわよ。」

「この姿は、ニーベルが思い描いた姿みたいなんだけど・・・・似合ってるかな。」

キュルアーがクルリと回転する。

「そうね。以外と似合ってるわね。」

「それにしても、まさか記憶を失ってるとわね。流石に予想外すぎるわ。」

「あの力を持っているものがあと何人いるんだ?」

ピースは全部で、12個。そのうち6つはハマった状態で見つかった。1つは、核に呼ばれた。あとは、どこかの核に飛ばされている可能性の方が高い。」

「どれだけ時間がかかろうとも、我らが救済は止まらない。嫌止めてはダメなんだ。彼の方の世界のために。」

「まぁ。そうだよね。僕達もまだまだ、力をつけないといけないもんね。」

「彼の方の力を一部受け継いでいるとはいえ、まだ全力ではないのね?」

「「どういうことだ?」」

「いえ?なんでもないわ。」

「それじゃ、次の核に飛ばしてあげる・・・っていいたいところなんだけど。」

「何が問題でも生じたか?」

「んー珍しいことがおこっちゃってね。この核のバグがでできてたみたいで、なんとかしないと問題が起こっちゃうから対処しないとね。」

「バグ?なにかあったのかい?」

「詳しくはついてから説明するわ、とりあえず私たちも戻りましょうか。」

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